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HOME > 製品・技術を開発する > 飲食品でヒット商品をつくる

飲食品でヒット商品をつくる


「あの人気商品はこうして開発された!」
「チーズデザート バニラ6P」-チーズケーキのおいしさを“チーズ”という商品形態で提案
2009年9月、「チーズデザート バニラ6P」がQBBブランドの六甲バターから発売された。チーズという商品でありながら、チーズケーキの風味や味わいを醸し出す。そんなチャレンジングな開発の背景には、自信の商品がやむなく終売してしまったという過去があった。

六甲バターは1948年に神戸で創業された。設立当初の社名は平和油脂工業で、マーガリンの製造を主事業としていた。54年に現社名に変更し、58年からプロセスチーズの製造を始める。当時、原料はオーストラリアから輸入し、「QBB」ブランドで全国発売した。

同社は社名にバターの文字を冠してはいるが、家庭用チーズで国内シェア2位、専業ブランドではシェアトップのチーズ専業メーカーだ。その代表的商品が1960年に発売した「Qちゃんチーズ」。世界初のスティック状のプロセスチーズだ。Qちゃんチーズは発売直後から急激に人気が高まり、プロセスチーズブームの牽引役となった。

また、同社は71年に個包装のスライスチーズを日本で初めて発売するなど、これまでに数々のユニークなチーズ商品を展開している。

1958年発売のQBBプロセスチーズ(左)と60年発売の「Qちゃんチーズ」(中)、71年発売のスライスチーズ(右)。Qちゃんチーズは世界初のスティック状プロセスチーズ、個包装のスライスチーズは日本初の商品だ

1958年発売のQBBプロセスチーズ(左)と60年発売の「Qちゃんチーズ」(中)、71年発売のスライスチーズ(右)。Qちゃんチーズは世界初のスティック状プロセスチーズ、個包装のスライスチーズは日本初の商品だ

自信のあるチーズケーキだったのだが

「ニューヨークチーズケーキ63%」(2007年発売)は六甲バターにとって最後のデザート系商品となった

「ニューヨークチーズケーキ63%」(2007年発売)は六甲バターにとって最後のデザート系商品となった

同社は82年にレアチーズケーキ、88年にベークドチーズケーキとチーズケーキ商品も開発・発売している。ただし、2007年にチーズケーキを始めとしたデザート事業は採算の関係から休止状態になっている。そして、デザート事業で最後の商品となったのが07年9月に発売した「ニューヨークチーズケーキ63%」だった。この商品は消費者、流通業者からの評価もよかったが、はからずも経営判断から終売へと追い込まれてしまった。

「当時、開発してきたチーズケーキの中では自信のある商品だったのですが…」

開発を担当した技術開発研究所家庭用開発チームの片山和子さんは、その当時の忸怩たる思いを言葉の端に滲ませる。

市場からの反応はよかったものの、経営判断としてチーズケーキ事業からの撤退を決め、「ニューヨークチーズケーキ63%」は販売打切りの憂き目を見た。しかし、片山さんは考えた。

技術開発研究所家庭用開発チームの片山和子さんは、チーズケーキの味わいをチーズという商品形態で開発しようと考えた

技術開発研究所家庭用開発チームの片山和子さんは、チーズケーキの味わいをチーズという商品形態で開発しようと考えた

「このケーキをチーズという商品形態で出せないか」

同社は国内トップのチーズメーカー。デザートそのものでなくとも、既存の商品カテゴリーを活用してチーズケーキの風味や味わいを提供できないか。幸いにも同社には6Pチーズ(円形のチーズを6等分に個包装した商品)という売れ筋商品がある。このカテゴリーでデザートのようなチーズという新機軸を打ちたてたらどうか。そんな思いを機に、08年春に開発が始まった。

開発の大前提は安定して大量生産できること

6Pチーズの開発で大きなポイントになるのがチーズそのものの物性だ。6Pチーズの製造は、三角形のアルミ容器にチーズを充填して上からふたで覆って包装する。この包装工程に合致する物性のチーズでなければ製造ラインに乗せられず、大量生産もできない。つまり、チーズが硬すぎたり軟らかすぎてはふたを覆う工程で安定せず、自動で包装できないのだ。アルミカップへの充填、包装に適した物性のチーズ。それを前提条件に開発が始まった。

また、物性とともに大切なのが、言わずと知れたフレーバーだ。商品コンセプトは「高級感のある本格的なチーズケーキ」であり、それをめざす途上でさまざまなフレーバーを検討した結果、バニラ風味を選択した。バニラ風味は、レモンなど果実系のフレーバーに比べてクリームチーズの濃厚な風味を引き立たせることができる。

クリームチーズの風味、バニラの香りを最大限に活かすためには軟らかくて口溶けのよい食感にこだわる。ただし、既述のように製造ラインに乗せるためには軟らかすぎてはいけない。そのため、チーズケーキ独特の軟らかい食感を保ちながら、製造ラインで包装できるよう、原材料の選定や配合比率にこだわった。

「実際に110種以上の配合を試し、そのうち30種について試作しました」

試作の結果、なめらかで口どけのよいオーストラリア産クリームチーズをベース(原材料の60%)に、ブルボンバニラ(上質なマダガスカル産バニラビーンズ)で強い香りと濃厚な味わいを引き立てた「チーズデザート バニラ6P」が完成した。

ちなみに、酸味のあるクリームチーズとバニラの風味をマッチさせるため、乳製品を多く配合してミルク感を強調し、隠し味に洋酒を用いることで濃厚で深みのある風味を醸し出し、バニラビーンズを加えて味も見た目も本格的なデザートに仕上げた。

第2弾を開発せよ!

09年9月、「チーズデザート バニラ6P」は発売されると、初年度だけで計画の3倍を売り上げた。まさに大ヒット。コンビニがデザートブームに沸いていたという外的要因もあったが、通常のデザート商品とは異なり、6P型チーズという商品形態でありながら、本格的なチーズケーキの味わいが楽しめるという商品センセプトが支持され、次年度(2010年度)の売上げも計画の2-3倍という高成長を続けた。飛びぬけたヒットが生まれにくいチーズという商品カテゴリーにあって、これだけのヒットが持続的に続く商品はめずらしい。

「チーズデザート」のシリーズ第2弾を開発せよと経営陣から出た指令に基づいて「チーズデザート 贅沢ナッツ6P」を2010年に発売した

「チーズデザート」のシリーズ第2弾を開発せよと経営陣から出た指令に基づいて「チーズデザート 贅沢ナッツ6P」を2010年に発売した

大ヒットに気をよくした経営陣から「チーズデザート」第2弾の開発指令が出された。そこで10年9月に発売したのが「チーズデザート 贅沢ナッツ6P」。商品コンセプトはナッツの食感を楽しめるチーズケーキ。アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツの3種類のナッツを配合し、風味、食感を同時に味わうことで満足感を図った。

「マンゴーやチョコなども候補に挙がりましたが、最終的にはナッツに決まりました」

食感を強調するため大きめのナッツを配合しているが、やはり製造ラインに乗せるためにはチーズを充填する工程でナッツが偏在しないように大きさや配合比率を工夫している。

また、酸味のあるクリームチーズとナッツの風味をマッチさせるため、濃厚な風味に仕上げるために、味の調整には最後まで苦労したという。

「チーズデザート」はバニラ6P、贅沢ナッツ6Pに「チーズデザート ラムレーズン 6P」を加えた3シリーズを揃える

「チーズデザート」はバニラ6P、贅沢ナッツ6Pに「チーズデザート ラムレーズン 6P」を加えた3シリーズを揃える

現在、「チーズデザート」はバニラ6Pと贅沢ナッツ6Pに「チーズデザート ラムレーズン 6P」を加えた3シリーズを揃える。ちなみに、ラムレーズンは03年に6Pチーズのシリーズ商品として発売され、贅沢ナッツのリリースと同時に「チーズデザート」シリーズに再編された。

3シリーズとも購買層の主体は女性だが、それぞれの支持層に特徴があり、バニラは30-40代の女性、贅沢ナッツは40-50代男性、ラムレーズンは50-60代の女性に根強いファンが多い。また、同社の既存商品の主な販売チャネルがチェーンストアだったのに対し、「チーズデザート」シリーズはコンビニへの販路を大きく開拓した。シリーズ第4弾のアイデアはすでに試作が繰り返されているようで、近々新しい「チーズデザート」を賞味できることだろう。

企業データ
六甲バター株式会社
代表取締役社長 塚本哲夫
神戸市中央区坂口通1-3-13
掲載日:2012年1月24日


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