本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > エネルギー新時代

エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第62回 国内生産と高効率にこだわる太陽光発電システム[長州産業]

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の運用見直しで太陽光発電事業者が揺れている。全国の原子力発電所が休止したことで再生可能エネルギーがクローズアップされ、一時は工場から一般家庭の屋根まで太陽光発電が設置されると業界は色めき立った。

しかし、電力会社各社が送電容量の限界から受け入れを制限すると表明したことは、市場に冷や水を浴びせた。だが長州産業(山口県山陽小野田市)の岡本要社長は「冷え込みは一時的なもので、必ず盛り返す」と意に介さない。

単結晶シリコン利用

長州産業は1980年に住宅関連機器メーカーとして創業。その後は半導体製造装置で業容を拡大し、現在は太陽光発電システムも手がける。当初は大手電機メーカーから製品をOEM調達していたが、2009年からは太陽電池モジュールの自社生産を始めた。それまで培った半導体製造のノウハウを生かし、シリコンインゴットの引き上げからウエハースライス、セル製造、モジュール組み立てまでを一貫して行う国内唯一のメーカーとして市場で異彩を放つ。

高効率の単結晶シリコンを用いた太陽電池の一貫生産システム

高効率の単結晶シリコンを用いた太陽電池の一貫生産システム

特徴の1つが高効率の単結晶シリコンを利用している点にある。競合他社の多くが多結晶シリコン製品で、しかも海外生産が多いのに対して、同社は多結晶よりも効率が良い単結晶製品を国内生産するというこだわりを持ち続ける。
 岡本社長は「太陽光事業を始めた当初は、インゴットまで自社でやるなどばかげていると言われたものだ。それでも技術で一流を目指そうと創業したのだから、やるからには徹底して一流にこだわりたい。長州(現山口県)人は明治維新の頃から、決めたことは貫き通す頑固な気質なのでね」と笑う。

現在は発電効率をさらに高めた太陽電池モジュール「Cシリーズ」のラインアップ強化を進めている。主力の「CS-275C13」は、独自開発の「単結晶シリコン156角フルスクエアセル」を採用し、最大出力275ワットのハイパワーを実現。モジュール変換効率も16.9%と同社製品で最高を更新した。

低反射ガラスの採用により光の反射や散乱によるロスを抑え、既存製品より多くの太陽光をセル内部に取り込む。高出力により限られた屋根スペースに設置できるほか、総重量を減らすことで屋根部への負担も軽減できる。
 2015年4月には新製品も投入予定だ。最大出力を320ワットにまで高めた太陽電池モジュールを発売する。156角フルスクエアセルはそのままに、変換効率をさらに数%向上させている。また新製品発売に合わせて30億円を投じた設備投資を行っており、今後は320ワット品を標準品に位置付けていく。

本社敷地内でメガソーラーを稼働

同社は2014年3月、本社敷地内に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を稼働させた。敷地面積は約4万5000平方メートル、出力は3087kW、年間発電量は一般家庭2200世帯分の昼間使用電力に当たる314万kWh。自社生産の単結晶シリコン約1万3000枚を使用して、年間1600トンの二酸化炭素(CO2)削減量を予想している。投資額は8億6000万円。さらに数億円を投じて工場屋根部にも約2000kW分を増設予定で、2015年度末をめどに稼働を検討している。

本社敷地内のメガソーラー

本社敷地内のメガソーラー

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度見直しで、太陽光発電を手がけるメーカーは動揺しており、先行きの需要減も懸念されている。だが岡本社長は「確かに一時的にブレーキはかかったが、再生可能エネルギーがなくなるわけではない。風力や地熱などもあるが、太陽光は設置してしまえばメンテナンスコストを抑えることができるなど強みは多い。必ず再生する」と、引き続き太陽光発電が再生可能エネルギー需要の中心にあり続けると断言する。

最近では価格が安い海外メーカーも多く輸入されているが、岡本社長は「性能を無視したバブルが過去数年続いていた。だが設置から数年を経てこれから品質面で問題が多発してくる」と指摘する。今後は品質、コスト、メンテナンスなどあらゆる点で国産が優位と自社製品に自信をみせる。地方に本社を置き、単結晶という独自の技術で市場開拓に挑む長州産業の未来は明るく照らされている。

掲載日:2015年1月28日

前の記事


このページの先頭へ