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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第53回 温泉の熱水も蒸気も共に利用する湯けむり発電機 [ターボブレード]

一般的に日本の温泉井戸からは200℃ほどの高温・高圧力の熱水蒸気が噴出する。そしてこの熱水蒸気を温泉として利用する場合、水と混ぜることで温度を下げて温泉水とする。
 ところで、この熱水蒸気を一旦発電に利用し、その後の温度の下がった湯を温泉として用いれば発電・温泉の一石二鳥に利用できる。この熱水蒸気の複合利用を実践するのが、機械設計企業のターボブレード(大分市)だ。しかも、従来の地熱発電は温泉井戸から噴出する蒸気だけを利用するが、ターボブレードの開発した「トータルフロー発電(通称:湯けむり発電)は熱水、蒸気ともに利用するという新しい発想から開発された地熱発電だ。

ターボブレードの湯けむり発電機

ターボブレードの湯けむり発電機

熱水蒸気を使うという独自の発想と開発力

2011年に同社は湯けむり発電機の開発を始めた。発電の原理は一般的な地熱発電と同様で、地熱によってタービン発電機を駆動させて発電する。ただ、上述のように熱水と蒸気の両方を駆動源として利用することが独特であり、気体(蒸気)・液体(熱水)を用いる2相流タービンとなっている。

その仕組みは図のように、地下から自噴する熱水蒸気をノズルに導き噴流(ジェット噴流)にして熱水タービンの羽根を回転させる。

湯けむり発電機の構造と仕組み

湯けむり発電機の構造と仕組み

熱水蒸気をジェット噴流に変換する理由は、自噴する熱水蒸気(0.8気圧)の速度が蒸気(900m/秒)と熱水(80m/秒)では異なるためだ。1.1気圧の昇圧したジェット噴流の熱水蒸気により熱水タービンは6000回転/分で回転する。 このタービンは「半径流外向き流れタービン」と呼ばれる。このタイプのタービンは、蒸気を用いるタービンでは世界中に数多あるが、熱水蒸気という気体・液体を用いる2相流タービンではまったく新しい開発だ。

ジェット噴流が熱水タービンを通過する際、熱水は温度を下げて落下し、給湯管を伝って温泉として利用される。一方、熱水タービンを通過した蒸気も圧力が低下するが、そのまま蒸気タービンに誘導され再び発電する。この蒸気タービンは0.1気圧の低圧でも回転する。「半径流内向き流れタービン」と称し、低圧・低膨張比の蒸気でも出力できる。

従来、地熱発電は150℃以上の蒸気しか用いず、バイナリー発電は100℃以下の温水を用いるが、その中間に位置するのがターボブレードの湯けむり発電といえる。また、低温の熱水を用いる湯けむり発電は、理論的には蒸気だけを使う地熱発電の1.6倍の出力が可能となる。ただし、それを実現するためには高性能なタービンが不可欠となる。その技術開発が難しく、これまで実用化された例はなかった。

2014年春、商用の湯けむり発電所が稼働する

同社は2012年3月から、大分県の所有する温泉井戸で2kw級の実験機で連続耐久試験を続けている。湯けむり発電の場合、総発電量の2/3が熱水蒸気での発電、残り1/3が熱水での発電という。
 2014年3月には自社の商用の湯けむり発電(8kw)を稼動させる予定であり、それにより熱水蒸気による世界初のトータルフローの地熱発電所(湯けむり発電所)が稼動する。また、2014年中に大分県も湯けむり発電による40kw級の地熱発電を始める計画だ。別府市も市内の温泉井戸で実験を重ねており、市として地熱発電を所有する意向があるという。

掲載日:2014年1月 9日

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