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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第41回 生ゴミを電気・ガスに変えるバイオマス発電 [バイオエナジー]

首都圏の食品廃棄物(生ゴミ)をバイオマスエネルギーに変換してリサイクル利用するバイオエナジーの事業活動が注目を集めている。生ゴミを微生物分解してメタン発酵させ、そのメタンガス(CH4)を電力と都市ガスに変換して有効利用する取組みだ。

生ゴミビジネスは下流にチャンスがある

バイオエナジーが同プラントを大田区城南島に建設したのは2006年4月。そのキッカケは、2001年に施行された食品リサイクル法(食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)だった。同法の施行後、親会社の市川環境エンジニアリングが生ゴミの再生利用について検討を始めたが、当時の生ゴミ再生利用のほとんどが肥料化・飼料化であり、しかもその生ゴミも食品製造業から廃棄される、プラスチック容器や割り箸、紙くずなどの異物が混入していないものしか再利用に向かなかった。

その後、2007年に食品リサイクル法が改正されると食品事業者への義務がさらに厳しくなり、2012年までの業種別再生利用実施目標が示され、食品製造業、卸、流通、外食の4業種がその対象に設定された。

生ゴミに混入される異物は下流にいくほど増え、外食産業のリサイクル率が全業種の中で最も低い。そこで市川環境エンジニアリングは下流領域(流通、外食)にこそビジネスチャンスがあると読み、それには肥料化・飼料化よりメタン化のほうが望ましいとして事業子会社のバイオエナジーを2003年に設立した。

バイオエナジーの城南島工場。生ゴミから発電と都市ガス生成をする

バイオエナジーの城南島工場。生ゴミから発電と都市ガス生成をする

生ゴミとプラは機械でほぼ100%分別

バイオエナジーの城南島工場にはいま、当初目標どおり生ゴミの約95%が流通と外食の両産業から入ってきている。1日当たり処理量は100トン(約50万人が排出する食品廃棄物に相当)。そのほとんどが東京都内で、一部は千葉県、神奈川県からも搬入される。

生ゴミの処理フローは図のように、パッカー車で搬入された生ゴミは、まず3系列ある受入ホッパーに投入される。次に工場の3階まで引き上げられるとそこから落下させられながら1次破砕機、2次破砕機の順に2段階で破砕される。さらに破砕された生ゴミは選別機によって選別される。選別機での処理段階でプラスチック類は高い確率で選別(分離)される。ここまでが生ゴミの分別工程だ。

生ゴミを電気、ガスにリサイクルするための処理フロー

生ゴミを電気、ガスにリサイクルするための処理フロー(クリックすると拡大します)

選別機で分別された生ゴミはメタン発酵の工程に移される。
 まず、生ゴミは地下の調整槽に流し込まれる。分別工程は3系列だったが、調整槽は2系列に集約され、発酵を容易にするための発酵準備を行い、2基のメタン発酵槽に投入される。
 メタン発酵槽の容量は2槽で4000m3。ここでメタン菌により生ゴミが分解・発酵され、28-30日の発酵期間でメタンガスを生成する。生成されたメタンガスは脱硫塔を経てガスホルダーに貯蔵し、発電と都市ガスに有効利用する。

発電では2基のガスエンジン発電機を用いる。1基の最大出力は560kWで、発電した電力の約半分を工場内の設備に用い、残りを東京電力に売電している。
 また、ガスエンジン発電機からの排熱蒸気は工場内で熱として利用(調整槽やメタン発酵槽の温度管理)している。

予想以上にメタンガスが生成された

当初、この工場は発電と排熱利用だけを前提に稼働させたが、メタンガスの発生量が予想以上だったため、それを都市ガスにも有効利用しようとシステムを追加した。瀬川順也業務部長は説明する。
 「1日に100トン規模の生ゴミを処理してメタンガスを発生させた前例がなかったため、当初の計画に狂いが生じました。稼働率が6割に達した段階でガスエンジンがフル発電したので、急きょ都市ガス精製設備を追加したのです。もちろん、発電機の増設も考えましたが、東京ガスさんに都市ガスとして使用可能かの確認をお願いし、共同で都市ガス利用の方策を検討しました。その結果、経済産業省の『バイオガス都市ガス導管注入実証事業』に採択され、実証事業としてスタートできました」

生ゴミ由来のバイオガスの主成分はメタン60%、CO240%のため、CO2を除去してメタン濃度を98-99%まで引き上げ、さらにLPGを少量加えて熱カロリーを上げて都市ガス同等の熱量に調整したうえで東京ガスの配管に供給している。

バイオエナジー城南島工場の発電電力量は2万4000kWh/日(2400世帯相当)、都市ガス供給量は2400m3/日(2000世帯相当)、回収熱量は7万7400MJ/日(1000世帯相当)、CO2削減効果6360トン/年(東京ドーム177個分に相当する面積の森林が吸収するCO2の量)。

事業の実績が上がり、技術ノウハウや各種データの蓄積も進んできたことから、もっか第2、第3工場の建設や事業ゴミ以外の家庭から排出される生ゴミも対象としたプロジェクトの検討にも入っている。

<関連リンク>

掲載日:2013年7月18日

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