本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > エネルギー新時代

エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第28回 発電量を従来の2-3倍に増やせる小型風力発電機 [ウインドレンズ]

プロペラ式風車の羽根の周囲をリング状のダクトが覆う独特のスタイル。ダクトの効果でレンズのように風を集めて羽根を高速回転させることから「風レンズ風車」と呼ばれる。小型風量発電機としては従来の2-3倍の発電を可能とした風レンズ風車。製造販売するのは九州のベンチャー企業、ウインドレンズ(福岡県筑紫野市)だ。

独特のスタイルの小型風力発電機「風レンズ風車」

独特のスタイルの小型風力発電機「風レンズ風車」

発電量が増加する秘密

同社は、九州大学・大屋裕二教授の開発した風レンズ風車の特許利用権を得て高田佐太一さん(代表取締役社長)が2008年に設立した。
 風レンズ風車は、直径2.5mの羽根が3枚からなり、その周囲をリング状ダクトが覆う構造のプロペラ式風車。風車の高さは13.4m、定格出力は5kwだ。
 3枚の羽根をダクトが囲む独特の形状により、従来の小型風力発電機に比べて2-3倍の発電出力がある。その秘密はダクトにある。3枚の羽根を囲うダクトはメガホン型で、風を受ける側(入口)のダクトは直径2.5m、風が通り抜ける出口側のダクトは直径3.4mと側面から見ると台形になっており、出口側にはつば部が設けられている。この形状がミソなのだ。というのも、出口側のつば部で空気の渦が発生し、その渦によって出口近傍の圧力が低くなる(10%減圧)ことでダクト内に風が集められ、風の量が増えて羽根がよく回転する。
 この圧力の低下によりダクト内に流入する風速は1.3-1.5倍に増速される(集風効果)。風力発電の発電量は風速の3乗に比例するため、風速が1.3-1.5倍ならば発電量は約3倍になるわけだ。

風レンズ風車の側面。風を受ける入口側に比べて出口側が大きな台形をしている また、出口側につば部が設けられ、これが風車の高速回転=発電量増加の効果を生み出す

風レンズ風車の側面。風を受ける入口側に比べて出口側が大きな台形をしている また、出口側につば部が設けられ、これが風車の高速回転=発電量増加の効果を生み出す

また、風レンズ風車のリング状ダクトは静音効果も生み出す。静音の理由には大きく以下の3つがある。

  1. 回転する羽根の端にカルマン渦(フルートよりも高周波の音)が発生するが、ダクトの外周に形成される大きな渦(大きなエネルギー)によってカルマン渦が撹拌(消音)される。
  2. 小型風力発電機のため羽根の長さが短く、かつ回転時に放射する音エネルギーは羽根の面積に比例するため音が小さくなる。
  3. ダクト自体にも遮蔽効果がある。

ちなみに、羽根が風を切るときに生じる騒音(風切音)、風車の支柱と羽根の干渉による発生する低周波は羽根が大型であることが原因であり、風レンズ風車の羽根は小型風力発電機ゆえに短いので風切音や低周波はほとんど発生しないという。

コスト半減で普及の拡大を図る

現在、風レンズ風車は大学、自治体、公共施設、民間企業に累計46台を出荷している(定格出力3kwの「WL3000」、同5kwの「WL5000」)。設置費用は約400万円だが、高田さんは「年間1000台の量産になれば200万円まで下げられる」と話す。風車の機械部品や電機部品はすべて自社で設計・製造しているため、それら部品づくりの工夫と量産効果によってコスト半減は可能と自信を示す。
 価格が200万円に下がれば個人住宅への普及を促進できると考えている。また、風レンズ風車のシリーズとして出力100kwの中型機「WL70K」(風車の直径12m)も開発中だ。
 羽根の周囲にリング状ダクトを備えた独特のスタイルの小型風力発電機・風レンズ風車は本格的な普及に向けて準備を着々と整えている。

掲載日:2013年2月14日

前の記事次の記事


このページの先頭へ