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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第23回 太陽熱一筋30年、業務用集熱器が病院などに採用拡大 [富士エネルギー]

富士エネルギー(鹿児島市)は環境関連機器メーカー。廃油の処理、燃料化装置などを製品に持つ。現在最も需要が活発なのが太陽熱を集めて温水を作る太陽熱集熱器だ。東日本大震災による原子力発電所の事故を契機にエネルギー問題への関心が高まる中、震災以前から地道に続けてきた開発が注目されている。

松山市のキスケ(天然温泉キスケの湯)に設置

松山市のキスケ(天然温泉キスケの湯)に設置

販売からメーカーに転進

同社は1984年創業。当初は太陽熱温水器の販売、施工、メンテナンスのみを手がけていた。太陽熱温水器の市場は石油ショックによる石油価格の上昇を背景に補助金が後押しし、80年前後に拡大したが徐々に下火になった。中小、大手を問わず同温水器事業からの撤退が相次いだ。
 07年、ついに製品の供給元だったメーカーも撤退を決めると富士エネルギーは開発メーカーに転換。それまでの家庭用から業務用にターゲットを変えるとともに自社製品を携え再出発した。
 販売だけでなく研究開発も手がけていたため07年には製品が完成、市場に出すことができた。約30年間、太陽熱温水器にかかわってきた経験に基づき、「課題とされていた部分を解決した」(亘元明社長)というのが「FujiヒートP・SOLAR(ソーラー)」だ。

太陽熱集熱器には平板型と真空管型がある。同社は真空管型。真空層がある直径56ミリメートルの二重ガラス管に差し込まれた銅管が熱せられる。真空層は断熱することで熱が逃げるのを防ぐため。さらにガラス管には集熱効果を高める膜を塗布している。「晴れの日の日中は200度Cを超えることもある」(同)という。
 銅管の端は水が通るパイプとつながっており、そこで熱交換が起こる仕組みだ。基本的には長さ2100ミリメートルのガラス管16本を並べて1ユニットとする。オーダーメードへの対応も可能だ。

第一三共の研修施設(神奈川県)に導入し空調、給湯で利用

第一三共の研修施設(神奈川県)に導入し空調、給湯で利用

6年で150ヶ所が採用

開発で最も気を使ったのが熱による銅管の膨張と収縮の問題。過去の集熱器には素材による膨張と収縮の割合の違いから隙間が生じ、水が漏れる製品もあったという。FujiヒートP・ソーラーは銅管とガラス管の間の隙間と弾力性のある素材で膨張と収縮に対応する。
 採用実績は6年ほどで約150カ所。病院や老人ホームなど給湯利用が活発な施設が多く集合住宅もある。新築への採用と既存施設への後付けの両方の場合がある。重油のボイラを給湯に使っていた施設が採用し、年間で重油消費量を50-70%削減したケースもあるという。また最近は海外からの問い合わせもある。
 近年は採用前提で建物を設計したいという建築事務所からの相談が増えている。例えば管と管の間から一定量の光を取り込むことができるため天井にガラスを使えば照明を減らすことも可能だ。

現在の課題は品質の安定。そのために部品の規格化を進める考えだ。「規格化が進めば部品の共通化などでコスト削減にもつなげることができる」(同)としており、ユーザーのメリットにもつなげたいとしている。
 現在は太陽熱を給湯のみに使うが今後は空調や発電にも使うことを構想している。東日本大震災以降は特にその要望が多くなっている。発電する方法としては熱を使った回転や温度差による回転を構想している。亘社長は「太陽熱一筋で30年。これからも太陽熱」と意気込んでいる。

<関連リンク>

掲載日:2013年1月10日

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