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エネルギー新時代


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第22回 揚力・抗力ともに活用する独特の風力発電機 [エコ・テクノロジー]

自然界の現象に数多く出現するフィボナッチ数列にヒントを得て独特の曲線の風車を開発。それにより風の抵抗をしなやかに受け流し、発電効率を高めたのがエコ・テクノロジー(名古屋市)のトルネード型風力発電機だ。この風力発電機は、垂直軸風車のうちサポニウス型(抗力型の垂直軸風車で弱風でも起動性がよく大きなトルクを発生する)とジャイロミル型(揚力型の垂直軸風車で自力で回転を始められ、回り始めると周速比は高く回転トルクは低い)の特徴を併せ持ち、揚力と抗力を使って上下2段のブレード(羽根)が双方向に回転することで回転数を2倍に増速する仕組みになっている。

 

トルネード型風力発電機の特性は、(1)風向きに左右されることなく全方向(360度)に対応する、(2)上下2段のブレードをそれぞれ磁石とコイルに直結させて双方向に回転させることで、磁石とコイルの相対速度を2倍に上げる、(3)立て型のため狭い場所でも多数を設置できる、などがある。

トルネード型風力発電機(10KW級)

トルネード型風力発電機(10KW級)

ブレードが上下2段の理由

通常、風力発電機のブレードは1組で構成されることが多いが、トルネード型風力発電機のブレードは上下に2組が設置され、それぞれのブレードが双方向に回転する。その理由は3つある。

  1. 抗力型でトルクはあるが、回転スピードはあまり速くない。そのため双方向に回転させる、つまり上のブレードを磁石、下のブレードをコイルと逆方向に回転させることで、上下、片側のブレードが半分の回転数でも同じ出力の発電ができる。
  2. ブレードが双方向に回転することで回転トルクを打ち消し合い、本体構造フレームをブレードの回転によるねじれトルクから守って安定させる。
  3. ブレードを縦方向に2段に積むことにより、小さなスペースでも受風面積が大きく、小スペースでも効率のよい発電係数を実現する。

また、ブレードの形状は航空機の翼のように独特の曲線を描いている。これにより向かい風の時には揚力、追い風の時には抗力を活用することで効率よく風を捉えられる。
 「トルネード型風力発電機の開発では、ブレードを双方向に回転させてより多く発電させること、また効率よく回転する羽根にすることがポイントでした」(代表取締役の加藤政春さん)
 効率よくブレードを回転させるため、向い風の抵抗を極力減らし、追い風をうまく捉える形状を目指し、オオム貝やひまわりの種の配列のような自然界の生物の持つ曲線を参考に独特のカーブを描いた形状を開発した。ちなみに、この曲線形状はベルヌーイの定理により揚力を発生させて回転力をアシストする。

独特の曲線のブレードが生み出す効果

独特の曲線のブレードが生み出す効果

同じ回転数なら従来機の2倍発電する

トルネード型風力発電機の発電機は本体の中央に設置されている。双方向に回るブレードにダイレクトにつなげるためだ。既述のように磁石とコイルをそれぞれ双方向に回転させるため、ブレードの回転数が半分でも従来機と同じ発電量が得られる。
 また、トルネード型風力発電機は発電機の直径を大きくしている。それにより円周が長くなるため多くの磁石とコイルを搭載できるからだ。円周が大きければ発電部を高速回転させられるため発電効率も高められる。

双方向発電機の仕組み

双方向発電機の仕組み

トルネード型風力発電機の筐体は3本柱外構造になっている。それは、強風を受けて発電する抗力型発電機のため、その強風に耐えられる強度を持たせるためだ。
 ちなみに強風のみならず風速0.5m/sの微風でも回転を始め、60 m/sの強風でも安定して回転する。

プラットフォームとして拡販を図る

現在、トルネード型風力発電機は中日本高速道路のサービスエリア、中部国際空港の展望台、民間企業の工場などに22基が設置されている。同風力発電機は、ピッチコントロールやヨー動作がないため部品点数が少ないシンプルな構造であり、そのためメンテナンス性もよいことから、今後は携帯電話の電波塔、津波の非難タワー、高層マンションの屋上など、顧客のアイデア次第で独自のシステムにできるよう、多様な設備のプラットフォームとして販売を展開していく。

掲載日:2012年12月27日

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