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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第19回 多様なエネルギーの活用でCO2削減に挑む [東京メトロ]

2012年9月、東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は東西線「妙典駅」に太陽光発電システムを導入し、駅舎のエスカレーター、照明などの補助電源として利用を始めた。東京メトロはすでに妙典駅を含めて3駅に太陽光発電システムを導入しており、さらに2012年度中に西葛西、葛西、浦安、行徳、原木中山(いずれも東西線)の5駅にも太陽光発電システムを導入する計画だ。

東西線「妙典駅」のプラットホーム上に設置された太陽光発電パネル

東西線「妙典駅」のプラットホーム上に設置された太陽光発電パネル

同社は1990年代初めから環境負荷(CO2の発生)を削減するため、環境配慮型車両(駆動系モータの消費電力の抑制など)や駅舎の改良工事に伴うLED案内看板・LED照明、自動運転装置付きエスカレーターなどの導入を図ってきた。また、太陽光発電システムや自然光の透過性が高い膜屋根を導入することで省エネルギー化にも取り組んでいる。

そうした環境への取組みについて同社総務部環境課の鈴木隆志さんは「地球と環境に優しい地下鉄を目指し、2012年度から『みんなでECO.東京メトロ・エコプロジェクト』を展開しています。上手に自然エネルギーを活用し、少しでもCO2削減に貢献していくことが当プロジェクトの目標です」と話す。

太陽光発電を選んだ理由

同社は2012年度から環境負荷の削減を加速するため、「みんなでECO.東京メトロ・エコプロジェクト」を始動させた。その1つの目玉が太陽光発電システムの導入で、同プロジェクトでは新エネルギーの積極的な活用も掲げている。
 新エネルギーの中でも太陽光発電を選択した理由は、すでに太陽光発電システムを導入した実績があるからだ。その第1号は2008年9月に千代田線「北綾瀬駅」に設置した太陽光発電システム。ちなみに、北綾瀬駅舎の屋根上に設置した太陽光発電パネル(127m2・108枚、旧三洋電機製単結晶シリコン/アモルファスのハイブリッド型)の発電能力は20kW(晴天時最大)で、これにより年間で1万9000kWhの電力の削減(CO2の削減効果は約10トン)を見込んだ。実際、設置直後の1年間は日照量(時間)が多かったため2万1000kWhの発電実績を挙げた。

北綾瀬駅に次いで2012年3月に東西線「南行徳駅」に第2号の太陽光発電システムを導入。日照量の多い2番線(中野方面行き)ホームの屋根上に最大発電能力40kWの発電パネル(295m2・224枚、シャープ製多結晶シリコン)を設置した。年間3万5900kWhの発電量(CO2の削減効果は約19トン)を見込み、それによって駅舎の2基のエレベーターと2基のエスカレーターの電力を賄える。

これら2駅に続いて同エコプロジェクトの一環として第3号の太陽光発電システムが2012年9月に東西線「妙典駅」に導入された。妙典駅は2面4線のホームを有するため屋根の面積が広く、そこに設置する太陽光発電パネル(三菱電機製単結晶シリコン)には1340枚のモジュールが用いられる。ゆえに最大発電能力(253kW)および年間の発電量(23万7000kWh)ともに既存の2駅より1桁大きく、当然、CO2の削減効果も約131トンと大きい。
 ちなみにこの発電量は東西線南砂町駅-西船橋駅間で消費される付帯用電力(照明、バリアフリー施設、空調、信号、通信など)の約2.6%に相当する。そのため妙典駅の付帯用電力を賄うほか、日照量が多く余剰電力を生産できた場合は隣接駅にも融通利用している。

電車がブレーキをかけたとき発生する回生電力の有効利用として駅の施設に用いる実証実験もした

電車がブレーキをかけたとき発生する回生電力の有効利用として駅の施設に用いる実証実験もした

電車が生み出すエネルギーを利用する

「みんなでECO.東京メトロ・エコプロジェクト」の1つの目玉として今後も太陽光発電システムの導入を推進していくが、地下鉄という事業形態ゆえにおのずと限界がある。
 「東京メトロは地上にあまり土地を所有しておらず、地上の車両基地も車庫線ギリギリで土地を保有している現状で、太陽光発電システムに好適な場所がありません。そのような限定的な条件のもと、いかに自然エネルギーを有効活用して地球環境に貢献するか日々知恵をしぼっているわけですが、すでにこれまでの実績で資材調達や工事の進め方などにノウハウを蓄積していますので、それを活かした取組みを進めていく方針です」(鈴木さん)
 東京メトロは全線で179駅を有し、そのうち地上に駅舎を有するのは21駅しかない。しかも、それら地上に設けられた駅の中にもビルの谷間など立地環境として日照条件で不利な駅もある。
 そのため太陽光発電システムのほかにも補助電源の検討を進めた結果、今夏、回生電力の有効利用について実証実験をした。これは、電車がブレーキをかけたとき発生する回生電力のうち余剰分(回生電力は、走行中の他の電車の加速のために用いられるが、それだけでは消費しきれず余った電力)について、駅舎補助電源装置を使って駅施設に取り込んで有効利用しようというもの。2012年8月に同装置を東西線西船橋変電所に導入し、三菱電機と共同で2カ月にわたり実証実験をした。
 実証実験における回生電力(余剰分)の有効利用はさらに省エネと環境負荷削減を推進するものだが、将来は非常用電源としての活用も検討している。これは、駅が停電になった時に予備電源として電車線(架線)から駅の施設へと電力を供給しようというアイデアだ。電車が電力を消費するだけでなく供給もする。東京メトロは環境負荷の削減に対し、自然エネルギーや回生電力など多様なエネルギーの活用で挑んでいる。

<関連リンク>

掲載日:2012年11月22日

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