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エネルギー新時代


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第18回 独自技術で幅広い風速域で発電する小型風力発電装置 [オーハツ]

各種発電機のメーカー、オーハツは、2010年に小型風力発電装置「City Wind_OH」を発売した。同システムは低速から高速まで幅広い回転域で電力を得られる風力発電装置だ。

開発のきっかけは2006年、「自然エネルギーを利用する発電機について検討しなさい」という芝谷康二社長のツルの一声だった。さっそく風力をテーマに2名の専任者で開発をスタート。ミズノテクニクスの協力を経て4年後に広域風速に対応する小型風力発電装置を完成させた。

オーハツの小型風力発電装置「City Wind_OH」

オーハツの小型風力発電装置「City Wind_OH」

従来の不安定な発電出力をクリア

従来の小型風力発電機は、コアレスのために磁力が弱い、発生電圧波形が矩形波なため発電出力が不安定という問題があり、そのために発電機の出力を弱い風(1.5-5.5m/s)に合わせると中程度の風(5.6-8.5m/s)で停止してしまい、逆に中程度の風に合わせると弱い風では発電しないという弱点があった。そこで同社は、電圧波形を正弦波に近づけること、弱風・中風・強風に対応することを課題としてCity Wind_OHを開発した。
 City Wind_OHの特徴は、発電機(三相交流永久磁石発電機)に特殊結線方式を用いて基板化したことにより電子制御が可能となり、それにより直列結線と並列結線を自動で切り替えられるため、幅広い風速域での発電と安定した出力容量をバッテリーに供給できることにある。

独自技術で従来の課題を克服

その特徴を支えるのが以下の3つの独自技術だ。

1.三相交流永久磁石発電機の特殊結線方式と基板化
 発電機に「集中巻分数スロット結線」という特殊な結線方式を用いることで基板化し、さらに発電機の電圧波形を正弦波に近づけた。正弦波に近づけたことよりパソコンなどの精密機器にも使用できる。また、特殊結線方式によりコギングトルクを従来の1/10に低減でき、ギアレス設計も可能にした。

2.回路を自動で切り替える電子制御技術
 発電機を基板化したことで電子制御が可能となったため、風の強さに応じて直列結線と並列結線を自動で切り替える制御技術を独自に開発できた。それにより、従来のインバータでは不可能な微・弱風にも対応でき、幅広い風速域で発電・電力供給できるようになり、安定した出力容量をバッテリーに供給できるようになった。

3.独自の中空CFRPブレード
 翼の後端にヘコミと穴を設けた中空CFRP製(ミズノテクニクス製)のブレードを用いたことにより高い回転力を確保した。このブレードは図のように、翼の前方から受ける風に対してヘコミ部の気圧が高まるため翼の揚力が増大し、風車の回転力が倍増する。また、翼の後方から受ける風に対しては、通気孔から風を逃がすためヘコミに風が溜まらず、継続的にヘコミ風が当たる。ヘコミ部に風が当たることで翼を前へ押し出し、低速でブレードを起動させ、ブレード回転力の増大をもたらす。

従来のブレードと中空CFRP製ブレードの比較

従来のブレードと中空CFRP製ブレードの比較

City Wind_OHは風車に垂直翼を用いて全方位の風を捕捉でき、また省スペース化もできる。さらにブレードを中空CFRP製にして軽量化できたことで、弱い風(0.7m/秒)でも回転できる。その結果、定格風速12m/sで出力300Wを実現し、これにより発電量の50%増を可能にした。

City Wind_OHの標準仕様は、ロータ直径1.57m、ブレード長1.75m、定格出力300W、定格風速12m/s、回転開始風速0.7m/s、カットイン風速1.5m/s、カットアウト風速15m/s、ポール長4.7m。発売以来、現在までに納入実績は約30台。オーハツはセット(発電装置)としてだけでなく発電機単体でも販売する。用途は街路灯や非常用電源が多く、今後も多用途での販売展開を推進していく。

掲載日:2012年10月11日

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