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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第12回 老舗のつくる国産の小型風力発電機 [松村機械製作所]

わずかな風でも羽根に受けて発電する小型風力発電機。国内における老舗が松村機械製作所(群馬県太田市)だ。

同社は1995年に小型風力発電機の開発を始めたが、そのきっかは宮崎県にある都城工業高等専門学校への技術支援だった。

「当時、当社は宮崎にも工場をもっていて、その地元の都城高専から風力発電機の機械加工について相談を受けたのです」(根岸澄子代表取締役社長)

都城高専はモンゴルの学校と姉妹校の提携を結んでいた。そして木製の小型風力発電機を自作してモンゴルの姉妹校に寄贈するボランティア活動をしていた。が、都城高専単独では機械加工に対応しきれなかったため、卒業生の勤める同社に技術支援を求めてきた。それが同社が小型風力発電機にかかわるきっかけだった。

「最初は都城高専のお手伝いでしたが、やがて当社でも本格的に小型風力発電機に取り組むようになり、宮崎工場から本社のある太田へ開発の拠点を移したのです」(根岸社長)

とはいえ自動車部品の加工メーカーゆえ風力発電については素人も同然だ。そこで風力発電のエキスパートである足利工業大学の牛山教授に相談し、国内の風況に合った羽根の形状から発電の仕組みまで、機械および電気に関するさまざまな技術支援を得た。

その一方で群馬県から補助金を得ることができ、また小型風力発電機に関する特許を徹底的に調べるなど試行錯誤しながらも4年後の1999年には製品化までこぎ着けた。

小型風力発電機「ウインドダンサー」(MWG-N50)

小型風力発電機「ウインドダンサー」(MWG-N50)

軽量化と強風対策

同社が開発した小型風力発電機「ウインドダンサー」は、プロペラ式風車で直径1mの羽根を5枚有する。風速1.5mの低速でも回転し、定格出力50w、最大出力130wの電力を発電する。

風車の羽根の素材にはエンジニアリングプラスチックのポリアミド、尾翼や筐体にはアルミ合金が用いられ軽量化が図られている。羽根の付け根の円盤部にはネオジウム磁石が設置され、微風による羽根の回転がネオジウム磁石の反発・回転を誘発して発電する。つまり、風力だけで羽根を回転させるばかりでなく、ネオジウム磁石でさらにその回転を増幅させるのだ。

強風対策として電気的および機械的ブレーキ装置を組み込んでいる。電気的制御としては、短絡ブレーキを設けて、強風になりバッテリー電圧が上限設定値を越えた時、強制的にショート(短絡)させ、ブレーキ状態は5分間継続され、電圧の正常化とともに解除される。また、機械的制御としては、風車を設置する支柱と風車のプロペラの中心点をずらして設置することで、強風時に尾翼とのバランスを図りながら風車が風を真正面から受けないように回避させる。

風速1.5mの低速でも回転・発電するウインドダンサー

風速1.5mの低速でも回転・発電するウインドダンサー

一般家庭からの問い合わせも急増

現在、同社は2種類のウインドダンサー(MWG-50、MWG-N50)を年間に約100台を製造し、累計で2350台を出荷している。国内の小型風力発電機の市場では大きなシェアをもつ。ウインドダンサーシリーズの価格は風力発電機とコントローラの組合せで約20万円だが、実際に設置して稼動させるための費用はバッテリー、インバータ、設置費などを含めて100万円前後になる。

ウインドダンサーは公共施設の街路灯や学校・教育機関の教材、企業のモニュメントなどでの納入実績が多いが、2011年の東日本大震災以降は一般家庭からの問い合わせも急増している。風速がわずか1.5mという低速で風車が回転し、また低騒音化技術を駆使しているため一般住宅街でも静かな住環境を保持できることから、一般家庭からも防災灯や非常用電源としての需要が高まっているという。

そうした多様な需要に対し、同社ではウインドダンサーの新しいシリーズとしてさらに高出力の小型風力発電機の開発を目指している。

<関連リンク>

掲載日:2012年7月26日

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