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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第6回 光と熱のハイブリッド発電―新ネットワークのセンサーに [富士通]

再生可能エネルギーによる発電デバイス

20XX年。「疲れているようです。早めに帰宅して下さい」―。スマートフォン(多機能携帯端末)に表示されたメッセージだ。画面には体温、血圧、脈拍の数値も並ぶ。腕に張ったシートが計測したデータだ。データは計測後に無線でスマホに送信。次にスマホからスーパーコンピューターに送られて数値を解析。その結果がメッセージとしてスマホに届けられた。

これは富士通が描く新しいネットワークの利用シーンの一つだ。あらゆる情報を集めて個人に応じたサービスを提供するのが新ネットワークの将来像。実現にはいつでもどこでも計測し、無線送信するセンサーが必要。しかもいたる場所に設置するとなると、電池や外部電源に頼らないセンサーが求められる。

富士通はこの要求に応えようと再生可能エネルギーによる発電デバイスの開発を進めている。熱と光のどちらでも電気を作り出せるのが従来の発電方式との違いだ。新ネットワークの利用で想定した腕のシートは開発中の発電デバイスを搭載しており、明るい場所では光で、暗い場所では体温で発電して計測や無線送信するセンサーだ。

開発を担当する富士通研究所の鈴木貴志主任研究員は「光と熱は身近にあって使いやすい。そこで光、熱の両方で発電する素子を開発し、デバイスに採用した」という。

素子が光エネルギーを電気に変える仕組みは太陽電池と同じで、光を受けると電気が流れる。その素子に熱を与え、高温と低温の部分を作ると電気が流れる。有機系太陽電池材料の添加剤を工夫して開発した。「熱発電を大きくすると光発電が小さくなる。バランスが難しい」(鈴木研究員)という。

開発した発電デバイスを搭載したセンサーは電源供給や電池交換が不要なので「乗り物の外装や建物の外壁など場所を選ばずに設置できる」(同)。例えば飛行機のエンジンに取り付ければ飛行中の異常検知に使える。地面に張り巡らせば気象データをきめ細かく収集できる。鈴木研究員によれば地球の陸地100メートル間隔にセンサーを置くと、センサーの電源だけで原子力発電所1基分が必要という。光と熱のハイブリッド発電なら電源の問題を解決でき、富士通が描く新ネットワークを実現できる。

光と体温で発電するデバイスを搭載したシート型センサー

光と体温で発電するデバイスを搭載したシート型センサー

2015年実用化へ

ただ「まだ素子の原理を実証した段階」(同)で、無線通信できるほどの出力はない。材料開発を続けて出力アップを目指す。実用化の目標は2015年だ。

身近にある小さなエネルギーを使って電気を作る発電は「エネルギーハーベスト(環境発電)」と呼ばれている。すでに普及しているのが電卓のソーラー機能だ。富士通が開発を目指す発電デバイスも環境発電の一つ。小型センサー用に照準を定めているので、計測や近距離への無線通信をまかなうだけの微弱な電力を発電できれば良い。

他にも振動や音、電波を使った環境発電の研究が進んでいる。6億500万ドル(約465億円)だった環境発電デバイスの市場規模は、20年に44億ドル(約3388億円)になるとの試算がある。

発電デバイスの試作ボード

発電デバイスの試作ボード

<関連リンク>

掲載日:2012年2月 9日

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