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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第5回 「下水・生ごみ発電」でエネルギー自給の下水処理場 [メタウォーター]

4月から本格始動

下水処理場のエネルギーすべてを再生可能エネルギーで賄う―。そんな目標を掲げたプロジェクトが2012年春、始動する。メタウォーター(東京都港区)と日本下水道事業団(同新宿区)が下水汚泥と生ゴミから高効率にメタンガスを取り出す実証プラントを大阪市城東区に建設し、そのバイオガスでの発電を4月から本格的に始める。

下水中の有機物を発酵させて抽出したメタンガスで発電した電気を使う下水処理場はすでにある。メタウォーターR&D企画部の宮田篤副部長は「下水ガスによるエネルギー自給率は30%が限度」という。メタンガスを十分に抽出できていないためだ。そこで同社らは実証プラントで「メタンガス発生の最大化」(宮田副部長)に挑む。

まずメタンガス発生量が多い生汚泥の回収量を徹底的に増やす。下水処理場では下水をいったんため、固形物が沈むのを待つ。沈んで堆積した固形物が生汚泥だ。ただ、すべての固形物が沈まず、生物処理工程に送られて余剰汚泥にもなる。その余剰汚泥はメタンガスの発生が少ない。通常、生汚泥と余剰汚泥は1対1の比率で発生する。同社は流入した下水から固形物を濾過して取り除く独自方式を採用し、メタンガスの多い生汚泥の回収を40%増量する。また生物処理工程に送る固形物が減る分、生物処理のエネルギーも削減できる利点もある。

次にメタンガスの発酵工程を高効率化する。同社らは通常20日から40日かかるメタンガス生成の消化期間を5日間に短縮する発酵法を開発している。消化期間が短くてもメタンガス発生量が多い特徴も持つ。資源エネルギー開発グループの森豊主任は「有機物からメタンガスを作る微生物が生息する担体の形状や、汚泥と生ゴミの投入量の調整がノウハウ」と強調する。実用化時には生汚泥以外に生ゴミからもメタンガスを生成する。メタンガスは発電効率40%の燃料電池に投入する。

メタウォーターが開発中の汚泥・生ゴミ発電の概要

メタウォーターが開発中の汚泥・生ゴミ発電の概要

100%の自給も可能

実証プラントは国土交通省の技術実証事業に採択され、実際の下水処理場に建設中だ。同社らの試算では下水が毎日2万トン流入する下水処理場なら100キロワットの発電が可能。汚泥1、生ごみ0.5の比率で混ぜてバイオガスを生成すると下水処理場のエネルギーの50%を賄えるという。生ごみを増やせば100%の自給が可能になる。

下水処理に使われる電力は日本全体の0.7%を占め、仙台市の電力需要に匹敵する。実証プラントでのデータ採取を続け、14年の実用化を目指す。生汚泥の回収量、メタンガスの発生量のそれぞれを最大化する同社らのプラントは全国1200カ所の下水処理場に適応できる。

下水処理場をエネルギー供給基地にする取り組みが各地で始まっている。下水処理で発生する汚泥を乾燥し、固形燃料にするプラントが全国10カ所以上で稼働している。燃料化した汚泥は火力発電所で石炭を混ぜて燃焼し、発電に利用する。石炭の使用が減るので二酸化炭素(CO2)の発生を抑制できる。現在、大阪市や広島市などで新規の汚泥燃料化プラントの建設が始まっている。

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