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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第4回 潮流発電―風力より発電量アップ [川崎重工業]

安定した発電可能

風車に似た構造物が並んだ光景はウインドファーム(大規模風力発電所)に見えるが、場所は海底だ。川崎重工業が作ったイメージ図にある構造物は、潮流で羽根を回して発電する潮流発電設備。風力発電の構造と似ており、羽根の後方に回転数を上げる増速機と発電機がある。発電した電気は海底ケーブルで陸上に送る。同社は2011年度、潮流発電の開発に着手した。

潮流発電イメージ図(川崎重工業)

潮流発電イメージ図(川崎重工業)

「風と違い、潮流は安定して予想どおりの発電ができる」。新事業推進部の有山房徳部長はこう期待する。風は吹かない日があれば強さも変わる。潮流は6時間おきに向きが変わる以外、ほぼ一定の強さで流れている。風力発電の20%に対し、同社では潮流発電の稼働率を40%と想定する。風力発電と同じ出力の設備でも発電量は倍となる計算だ。技術開発本部の柳本俊之機械システム研究部長は「水の密度は空気の1000倍。その分、羽根が受ける力も強く羽根の直径を小さくできる」と付け加える。

同社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に採択され、沖縄海域での実証研究を計画している。沖縄電力の協力を得て12年度まで事業化調査を実施し、設置場所を選定。15年度に直径18メートルの羽根を備えた出力1メガワットの設備を海底に設置する。

離島の電源に

風力発電に比べ稼働率が高く、設備も小さくて済む半面、課題もある。それは海特有のものだ。まず船舶の航行の支障にならない深さの海底に設置するため施工費が高くなる。沖縄では海面から50メートル付近に海底に設備を固定する予定で、海底の地形を確認してから施工法を詰める。増速機や発電機の腐食や浸水対策も求められる。柳本部長は「当社は造船や潜水艦を製造しており、水の扱いには慣れている」と自信を示す。メンテナンス方法も検討材料。海底から設備を引き下げてメンテナンスする方法が有力だ。

事業化調査で課題を検討し、キロワット時当たり40円の発電コストを目指す。風力発電より高いが、太陽光発電よりも低コストだ。実用化できればディーゼル発電に頼るため電力コストが高い離島の電源として期待できる。ただし、日本で潮流発電に適している場所は船舶の航行が多い海峡や漁場で、普及は難しいと見られる。

すでに川崎重工業は海外市場にも目を向けている。1ギガワットの大規模潮流発電所の建設計画が動きだした英スコットランドがターゲットだ。同国は秒速2-3メートルの潮流がある同国は潮流発電の最適地。現在、1メガワット規模で実証が始まっている段階だが「設備を作ったのはベンチャー企業ばかり」(飯塚昌弘技術研究推進部長)。風力発電のように大手重工メーカーの参入はまだで、川崎重工業は世界市場で先行できるチャンスがある。韓国やインドなどでも潮流発電の計画があり「世界中でポテンシャルは高い」(柳本部長)という。風力発電では海外勢が大きなシェアを持つが、海洋国の地の利を生かせば潮流発電での巻き返しは可能だ。

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掲載日:2012年1月26日

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