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エネルギー新時代


新エネルギーに挑む企業・研究機関

第2回 工場の排熱から電機でエネルギーを [KELK]

鋳造や乾燥、熱処理など工場の生産工程では多くの熱が使われている。その熱のうち使い切れずに余った排熱が発生している。ふだんはそのまま捨てられている排熱を有効利用しようと、排熱から電気エネルギーを生み出す発電システムの開発が進んでいる。

コマツ子会社のKELK(神奈川県平塚市)も開発に取り組む1社。同社は熱を電気エネルギーに変える熱電発電モジュールを2009年から1台3万円で発売し、これまでに400台近くを販売した。

モジュールは平らな金属に配線した構造。金属はビスマステルルで、片側に熱を与え反対側を冷やすと電気が流れる。電気を流すと冷えるペルチェ素子の逆作用だ。同社はペルチェ素子メーカーで、既存技術を応用できることから開発を始めた。

「300℃弱の未利用の熱を使える」

KELKの八馬弘邦素子事業部長は自社のモジュールの特徴を強調する。高温側280℃、低温側30℃なら24Wの発電が可能。他社が開発する熱電発電モジュールには600℃以上と排熱としては高・中温域で発電する製品もある。高・中温なら生産工程で回収して給湯など他の用途で再利用できる。300℃以下は再利用が難しく、発電に利用する価値があると見ている。

ただKELKは発売しているとはいえ「購入先で実験的に使われている」(八馬部長)状況で、サンプル出荷の域を脱していない。普及には「使い方を含めて提案しないといけない」と考え、実際に使いながらの開発に乗り出した。

◆廃熱の86%が利用可能

発電デバイスの試作ボード

09年からコマツの粟津工場(石川県小松市)で実験を開始。工業炉から吹き出ている炎が発電に使う排熱だ。受熱板と冷水が流れる経路の間にモジュールを挟んだ発電システムを作成。受熱板が炎の熱をモジュールに伝え、冷水がモジュールの反対側を冷やして発電する。冷水は工場内を流れる冷却水を使った。

発電システムの設計上の出力は500W。受熱板の表面は300℃以上あったが、出力は200-250Wにとどまった。「実力の半分。熱を十分に回収できなかった」(同)と反省。今後、受熱板を薄くする、熱を効率的に回収するフィンを付けるなどの改良を試みて熱交換の効率を高める。

今後、粟津工場の全基の工業炉に発電システムを設置して実験の出力を拡大する計画もある。発電した電気は工場内の系統に流し、発電の安定性を自ら確かめる。

同社の試算によれば日本中の工場の半分に熱電発電が普及すれば年2.9TWhの発電ができ、二酸化炭素(CO2)の排出を100万トン削減できるという。同社は自ら使い勝手を検証した成果を反映させ、2013年度に熱電発電モジュールの販売を本格軌道に乗せる。

日本の工場や発電所などの排熱は414万TJ(テラジュール)。そのうちの86%が利用可能との試算がある。その量は国内の一次エネルギー供給量の15%に相当する。すべてを発電や給湯、暖房などに再利用すれば化石燃料の使用を抑えられ、CO2排出も削減できる。

掲載日:2012年1月16日

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