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デジ・ステーション


初級ネットワーク講座
第29回 IPv6の仕組み

現在、一般に使われているIPv4のアドレス長は32ビットである。理論的には約40億通りの組み合わせが可能だが、現状のインターネットの普及のペースを見るとアドレスの枯渇は時間の問題である。これまでは運用でなんとか凌いできたが、アドレス枯渇問題の一番の切り札はIPv6である。
 なかなか普及が進まなかったIPv6だが、近年IPv6の普及が加速化しつつある。今回は、IPv6の基本、IPv4との違いなどについて解説する。

1 IPv6とは?

1-1 IPv6登場の背景

IPアドレスは、IPネットワークに参加するホスト1台ごと割り当てる必要がある。
 近年、インターネットの急速な広まりやIP電話などのように個々にグローバルIPアドレスを割り当てなければならない技術が普及してきたため、従来のIPv4ではIPアドレスが近く枯渇してしまう。というのも、IPv4(IP Version 4)のIPアドレス長は32ビットなので、すべての組み合わせを使用したとしても理論上(2の32乗=)約40億通りの組み合わせしかない。この問題の根本的な解決のために登場したのが、より長いアドレス長を持つIPv6(IP Version 6)である。
 しかしIPv6への移行は、単に装置を置き換えるだけで済むものではなく、すでに普及しているIPv4で構築されたネットワークとの互換性を確保しながら、徐々に進めていく必要がある。

1-2 IPv6の特徴

当初IPv6は、IETFのRFC1883「Internet Protocol、Version 6(IPv6)Specification」とRFC1885「Internet Control Message Protocol(ICMPv6)for the Internet Protocol Version 6(IPv6)Specification」で基本仕様として定義された。その後発表されたRFC2460「Internet Protocol、Version 6(IPv6)Specification」とRFC2463「Internet Control Message Protocol(ICMPv6)for the Internet Protocol Version 6(IPv6)Specification」が現在の基本仕様となっている。
 IPv6の特徴を以下に挙げる。

●IPアドレス空間の拡大
IPv6ではIPアドレス長が128ビットになった。これで表せるアドレス数は、理論的に2の128乗(約3.4×10の38乗)という天文学的な数字である。

●性能向上
ヘッダ長を固定化し、ヘッダチェックサムや事実上使われなくなった機能を廃止してルータなどのネットワーク機器の負荷を軽減させ、性能向上を図っている。

●セキュリティ強化
IPv6では、拡張ヘッダとして認証ヘッダと暗号化ヘッダを持たせることによって認証機能や暗号化機能などのセキュリティ機能を強化した。

●プラグ&プレイ機能
MACアドレスをIPアドレス内に取り込むことによって、DHCPサーバのない環境でも通信可能となる。

1-3 ヘッダの違い

IPv4ヘッダとIPv6ヘッダの構成を以下に示す。各フィールドの先頭数字は、フィールド長(ビット)である。オプション、拡張ヘッダを除く。

◆IPv4ヘッダ構成
  4 バージョン(Version)
  4 ヘッダ長(IHL)
  8 サービスタイプ(Tyoe Of Service/DSCP、ECN)
 16 パケット長(Total Length)
 16 識別子(Identeification)
  3 フラグ(Flags)
 13 フラグメントオフセット(Fragment Offset)
  8 生存時間(Timr To Live)
  8 プロトコル(Protocol)
 16 ヘッダチェックサム(Header Checksum)
 32 送信元IPアドレス(Source Address)
 32 あて先IPアドレス(Destinetion Address)
計160ビット(オプションを除く)

◆IPv6ヘッダ構成
  4 バージョン(Version)
  8 トラフィッククラス(Traffic Class)
 20 フローラベル(Flow Label)
 16 ペイロード長(Payload Length)
  8 次のヘッダ(Next Header)
  8 ホップリミット(Hop Limit)
128 送信元IPアドレス(Source Address)
128 あて先IPアドレス(Destinetion Address)
計320ビット(拡張ヘッダを除く)

IPv4のIPヘッダ長は、オプションを含めて可変長だが、IPv6では320ビットで固定長である。また拡張ヘッダも1つ1つが320ビットの固定長である。固定長にすることによってルータなどのネットワークを中継する機器などがIPパケットを機械的に(ハードウェア上で)処理ができる。
 IPヘッダ長はIPv6のほうが長いが、フィールドの数を見てみるとIPv4が12個、IPv6が8個とIPv6のほうが少ない。ヘッダのフィールドの数は、そのプロトコルのもつ機能の数だと考えてよい。つまり、IPv6のほうが機能が少なくなっているわけだ。IPv4で事実上使われなくなった機能を廃止して単純化したことで、ルータなどのネットワークを中継する機器などがIPパケットをより高速に処理できるようになった。

フィールドを個別に見てみよう(表1)。

表1 IPv4とIPv6のフィールド比較
表1 IPv4とIPv6のフィールド比較
ヘッダの先頭にある「バージョン」は4ビットでどちらにもある。IPパケットを受け取った機器がIPv4、IPv6のどちらかを判断するためである。

IPv4にあった「ヘッダ長」が廃止されている。IPv4のヘッダは、32ビット単位でオプションを付加することができる。つまり「ヘッダ長」は可変なのであらかじめヘッダの長さを知らせなければならない。しかし、IPv6のヘッダは320ビットの固定とすることで、ネットワークを中継する機器の負担を軽減させている。

パケット長」「ペイロード長」は、事実上データ部の長さである。データ部の長さは可変である。

サービスタイプ」は「トラフィッククラス」と名前を変え、優先制御および明示的な輻輳制御として用いられる。

フローラベル」はIPv6で新たに登場した。品質制御(QoS)に利用されることを想定している。RFC3697「IPv6 Flow Label Specification 」では、使途が明確でないフローラベルの最低条件を規定している。

IPv4では、「識別子」「フラグ」「フラグメントオフセット」の3つのフィールドでパケット分割機能を有していた。MTU(最大転送サイズ)の異なるデータリンク、特に大きいMTUのデータリンクから小さいMTUのデータリンクにIPパケットが通過する際、パケットを分割しなければならない。ネットワークを中継する機器にとっては大きな負担であったが、IPv6では廃止されている。すなわちIPv6にはパケット分割の機能がないのである。上位層であるトランスポート層やアプリケーション層であらかじめ一番小さいMTUを調べておいて、IPパケットをそのサイズにして送信する。

生存時間」は、IPv6では「ホップリミット」という名称に変更されたが機能は同じである。もともと「生存時間」は、あと通過してよいルータの数(ホップ数)で示されていたため、IPv6では意味どおりのフィールド名に変更された。

プロトコル」と「次のヘッダ」の意味合いは同じである。データ部のプロトコルが何かを指し示している。

IPヘッダが壊れていないかを確認するための符号だった「ヘッダチェックサム」は廃止された。IPv4が開発された当時は、通信品質が今と比べるとすこぶる悪く、通信中にIPヘッダが壊れ、あて先IPアドレスが書き換わって別のホストに届くということもあったが、今では通信品質が向上したので壊れることはないため不要となった。IPv6ではIPヘッダが壊れているかどうかはチェックしない。

送信元IPアドレス」「あて先IPアドレス」は変更ない。アドレス長が32ビットから128ビットと4倍の長さになった。

拡張ヘッダ」として認証ヘッダと暗号化ヘッダなどがある。

取材協力 : 株式会社アイテック

掲載日:2010年4月14日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2010年03月09日掲載分

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