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デジ・ステーション


初級ネットワーク講座
第18回 道案内「経路制御」の仕組み

もはや日々の生活に欠かせないものとなりつつあるインターネット。自宅や職場にいながらにして、世界中のありとあらゆるサイトに瞬時にアクセスして必要な情報を取り出すことができるのは、適確な「経路制御(ルーティング)」が行われているからに他ならない。
 今回は、このようにネットワーク上で重要な役割を果たしている経路制御を取り上げる。経路制御の仕組みや種類、最も基本的な経路制御のプロトコルRIPについて解説する。第3章では、ルータの制御を人がやってみるとどうなるか、実際に体験できるようになっているので、ぜひペンを片手に読んでいただきたい。

経路制御の仕組みと種類

1-1 経路制御の仕組みってどうなっているの?

経路制御とは、IPパケットを的確に目的地の方向に導く仕組みのことである。「ルーティング」とも呼ばれる。
 いま、この画面を見ているということは、現にパソコンとキーマンズネットのWebサーバとでWebデータの入ったIPパケットのやりとりをしている。パソコンでは、URLに含まれるドメイン名を、DNSを用いてIPアドレスへと変換、取得する。これであて先IPアドレスはわかったため、あとはあて先IPアドレスをセットしてIPパケットとして送出するだけ。パソコンから送出されたIPパケットは迷うことなくキーマンズネットのWebサーバに到達する。だからキーマンズネットのWebサーバからの応答があり画面が表示されている。キーマンズネットのWebサーバに限らず、いろいろなWebサーバも閲覧できるし、メールサーバとのやり取りによってメールの送受信もできる。
 ところでパソコンと各サーバの間には、途中いくつかのネットワークの分岐点がある。この分岐点で、道案内とも言える経路制御を行うのが、ネットワーク同士を接続するルータである。


ルータの果たす役割

第3回4回の初級ネットワーク講座で学んだように、IPパケットは、IPヘッダとIPデータの部分からなる。IPヘッダ部には送信元IPアドレスとあて先IPアドレスが含まれる。IPアドレスはネットワークアドレス部とホストアドレス部から構成される。
 ルータは、入ってきたIPパケットの目的地、あて先IPアドレスのネットワークアドレス部を見て、IPパケットを最適な方向に導く。列車でいうならば、乗換駅のようなものである。駅に到着した人(IPパケット)を目的地に向かうために乗り換えるホーム(例:△△方面は○○番ホーム)へと適切に誘導しているのだ。そのため、各々のルータは、各目的地の「ネットワークアドレス」とその「方向」などの要素を項目とした経路制御表(ルーティングテーブル)を必ず持っている。ルータはこの経路制御表に基づいて、パケットを転送している。


1-2 経路制御の種類


経路制御は、経路制御表の作成方法により、ダイナミックルーティングとスタティックルーティングに大別できる。ルータ自身が自動的に設定するのが「ダイナミックルーティング」であり、それに対して、人間が手動で設定するのが「スタティックルーティング」である。


ダイナミックルーティング(動的経路制御)

ダイナミックルーティングでは、動的に他のルータと経路情報を交換しながらルータ自身で設定を随時自動更新(追加・変更・削除)し、学習することで、管理に要する手間が省けるというメリットがある。しかしその反面でダイナミックルーティングには、以下のようなデメリットもある。
  ネットワーク上で他のルータと情報交換をするため、ネットワークに負荷がかかる
  従量課金の回線を使う場合、情報交換のためのパケットによる課金が嵩む
  目的地までの経路が複数ある場合、意図しない方の経路を選択する可能性がある
  経路制御表の更新に、ある程度の時間を要する

スタティックルーティング(静的経路制御)

スタティックルーティングは手動で設定するものであり、一度人間が設定すると、次に人間が設定変更するまでその内容は保持されるというメリットがある。その一方で、以下のようなデメリットがある。
  設定に手間がかかる
  設定誤りの可能性が高い
  障害時の迂回ルート設定に時間がかかる(障害復旧時も同様)

ネットワークの規模が拡大している今日においては、経路情報を手動でのみ管理することは不可能に近く、ルータの経路制御表にはダイナミックルーティング/スタティックルーティング両方をあわせもつものが多い。


1-3 ルーティングプロトコル

経路制御表を設定する、他のルータと経路情報交換のためのプロトコルを「ルーティングプロトコル」と呼ぶ。ルーティングプロトコルは、「IGP(Interior Gateway Protocols)」と「EGP(Exterior Gateway Protocols)に大別される。


IGPとEGP

ネットワークの限定した範囲で自律した集合体を「AS(Autonomous System:自律システム)」と呼ぶ。現在のインターネットは、複数のASの集合体と言える。このAS内部でのルーティングに使われるルーティングプロトコルの総称がIGP、AS 間のルーティングプロトコルの総称がEGPである(図1)。
 なお、EGPにはルーティングプロトコルを総称する「EGP(Exterior Gateway Protocols)」と、ルーティングプロトコルとしての「EGP」がある。これらを区別するため、前者をあえて“s”をつけて「EGPs」と呼ぶこともある。IGPとEGPの主なルーティングプロトコルを表1に示す。

図1 IGPとEGPの関係
表1 主なルーティングプロトコル

※メトリック:直訳すると「距離係数」「測定基準」である。経路制御の場合のメトリックとは同一経路が複数存在する場合、どの経路を優先するかの判断基準の数値。
※ホップ数:目的地まで途中通過するルータの数。
※MTU(Maximum Transmission Unit):最大転送サイズ、一度に通信相手に送れるデータの最大の大きさ。
※MED(Multi Exit Descriminator):一般的には「パスアトリビュート(経路属性)」と呼ばれている、経路ごとの情報。

RIP(リップ)

ルーティングプロトコルのうち、最も基本的なルーティングプロトコルであるRIP(Routing Information Protocol)について解説する。
 RIPでは経路の判断基準であるメトリック値には「ホップ数」を用いる。経路が複数ある場合は、ホップ数がより少ない経路を選択する。
 RIPの項目要素は、「目的地のネットワークアドレス」「次のルータのIPアドレス」「ホップ数」「更新時刻」などである。これらの項目要素は、ルーティング・データベースに記録される。ルータ同士で30秒ごとに経路情報の交換を行い、受け取った経路制御情報によってルーティング・データベースを更新する。同一の目的地のネットワークアドレスが複数ある場合、最もホップ数の少ない目的地のネットワークアドレスだけを抽出して経路制御表に転記する。6回続けて(180秒)経路制御情報が受信できなかった場合、経路が遮断されたものとして、そのネットワークアドレスは消去される。最大ホップ数は15であり、16以上となると経路なしとみなされる。よって大規模なネットワークには適用できない。
 RIPには、インターネットなどで用いられるTCP/IPなどのプロトコルや、RFC(Request For Comments)により以下の3つにわけられる。RIP1とRIP2の主な違いは表2となる。RIP2はRIP1のクラスフルに対応した製品として開発された。なお、クラスに関しては第5回の初級ネットワーク講座を参照してもらいたい。

RFCで策定されている主なRIP
RFC1058で策定:「Routing Information Protocol」…略して「RIP」と呼ばれている(「RIP1」と呼ぶこともある)。
RFC2453で策定:「RIP Version 2」…略して「RIP2」と呼ばれている。
RFC2080で策定:「RIPng for IPv6」…「RIPv6」と呼ぶこともある。
表2 RIP1とRIP2の違い

※RIP2はRIP1のクラスフルに対応した製品として開発された。

デフォルトルーティング

「デフォルトルーティング」とは、ブロードバンドルータのようにネットワークが分岐しない場合のルーティング方法を意味する。
 例えば、ルータに入ってきたIPパケットのあて先IPアドレスのネットワークアドレスをもとに経路制御表を検索したが、目的のネットワークに該当するネットワークアドレスがなかったとしよう。その場合、このIPパケットは行き場を失ってしまう。それを避けるため、あらかじめあて先ルートが不明なIPパケットの転送先を決めておく。これを「デフォルトルート」と呼ぶ。どのルーティングプロトコルでも経路制御表にデフォルトルートを設定しておくことが必要である。

コラム:パソコンもルータ?
図2 デフォルトルーティング
図2 デフォルトルーティング

(クリックすると大きな画像が表示されます。)

コマンドプロンプトを表示して
  > route print[Enter]   としてみよう。
なにやら一覧表のようなものが表示される。実はこれ、パソコンの持つルーティングテーブルの一覧である。パソコンもルータ機能を持っておりデフォルトルーティングしているのだ。

取材協力 : 株式会社アイテック

掲載日:2009年8月 5日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2009年04月14日掲載分

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