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デジ・ステーション


初級ネットワーク講座
第8回 様々なアドレスと経路集約

今号では、IPネットワークで用いられる様々なアドレスについて解説する。近年、ルータやレイヤ3スイッチにはますます高パフォーマンスが求められているが、これらネットワーク機器の本来の機能である、ルーティング(経路制御)を効率よく高速に処理するための1つの技術として考え出された経路集約の考え方と、経路集約がどのように経路制御の高速化に寄与するかを解説する。さらに、この技術が応用されたパフォーマンス・トラフィック診断ツールやサービスを紹介する。

1 アドレスのいろいろ

1-1 ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレス

ネットワークアドレスとは、ネットワークを識別するためのアドレスで、ホストアドレス部をすべてビット"0"とする。ホストアドレスは、そのネットワーク内の通信機器(ホスト)を識別するためのアドレスで、ネットワークアドレス部をすべてビット"0"とする(ネットワークアドレス部、ホストアドレス部については初級ネットワーク講座第4回を参照のこと)。
 ブロードキャストアドレスは、そのネットワーク内のすべての通信機器に到達できるアドレスで、ホストアドレス部のすべてのビットを"1"とする。これは、同じネットワークに所属するすべてのホストに一斉送信するために使われるアドレスである。このように、相手を特定しない「1対多」の通信をブロードキャスト通信という。一方、特定の相手だけに対する「1対1」の通信をユニキャスト通信という。

では、総務部に設置されるパソコン(ホスト)にIPアドレスを割り当ててみよう(表1)。総務部のネットワークアドレスは"192.168.1. 64 / 27"、サブネットマスクは"255.255.255.224"、割当可能なアドレスの範囲が"192.168.1. 65-192.168.1. 94"なので、"192.168.1.71"を割り当てることにする。(IPアドレスの末尾にあるスラッシュの後の2桁の数字はPREFIXである。詳しくは初級ネットワーク講座第5回を参照のこと。)

表1 IPアドレス割り当ての例

  ※ホストアドレスは、"0.0.0.7"であるが"7"と表記してもよい。

  ※▼より右がホストアドレス部

1-2 マルチキャストアドレス

1-1で、ユニキャスト通信とブロードキャスト通信の違いを学んだが、両者の中間的な通信方式、「1対グループ」の通信がある。それをマルチキャスト通信と呼ぶ。その際に相手先を指定するのに使われるのがマルチキャストアドレスだ。
 マルチキャストアドレスには、IPv4では"224.*.*.*-239.*.*.*"が用いられ、あらかじめ決められた装置に同じデータを送信する。

具体的な使用例としては以下のものがある。

  • マルチメディアなどのコンテンツ配信(ビデオ会議など)
  • ヴァージョンアップされたアプリケーションの配布
  • 各端末のファイルやデータベース同期
  • 組織内における広報

図1 ユニキャスト通信とマルチキャスト通信の違い

1-3 ループバックアドレス

ループバックアドレスは、ネットワーク上において自分自身を指す示すIPアドレスのことである。IPネットワークに接続されている機器はすべてループバックアドレスをもつ。IPv4においては、ループバックアドレスには通常"127.0.0.1"が使われる。また、"localhost"という名前で参照できる。

■ループバックアドレスで実験!

では、ここで実験をしてみよう。
 まずは自分自身のネットワークに関する設定を確認する。Windowsでコマンドプロンプトを立ち上げ、「ipconfig」と入力してEnterキーを押すと、図2のように表示される。
 これで、IPアドレス"10.10.10.11"が割り当てられていることがわかる。
 そこで自分自身から自分自身のIPアドレス"10.10.10.11"にping(折り返しテスト)をしてみる。「ping 10.10.10.11」と入力して、Enterキーを押す(図3)。
 仮に、自分の名前を"Falstaff"としよう。
  「"Falstaff"さん、お返事ください!」
  「はい、"Falstaff"でぇす。」
と自分の名前を呼んで自分で答える、いわば自問自答しているようなものである。
 Replyが返ってきているので、正常に折り返しができていることがわかる。

図2 ipconfigを実行 図3 自分のIPアドレスにpingを打つ

図2 ipconfigを実行                     図3 自分のIPアドレスにpingを打つ

図4 ループバックアドレスにping

次にループバックアドレス"127.0.0.1"にpingをしてみる。「ping 127.0.0.1」と入力して、Enterキーを押す(図4)。
 仮に、自分の名前を"Falstaff"としよう。
  「"私"よ"私"、返事ください!」
  「はい、私だよ」
 これも自問自答しているようなものであるが、具体的な名前を呼ぶわけではない。
 同様にReplyが返ってきているので正常に折り返しができていることがわかる。


■ループバックアドレスが必要な理由

すでに"10.10.10.11"というIPアドレスが割り当てられているのに、なぜループバックアドレス"127.0.0.1"が必要なのか?その理由は、以下の2点である。

  1.自分自身に割り当てられているIPアドレスを知らなくても自分自身の動作確認ができる
  2.ネットワークが不調な場合、自分自身が悪いのかそれとも通信ネットワークが悪いのか切り分けができる

例えば、DHCPサーバからIPアドレスがきちんと割り当てられていないような場合でも、ループバックアドレス"127.0.0.1"を用いることで、自分自身のサービスが正常に動作しているかどうかを確認したり、自分自身のコンピュータ上で動作しているサービスへ接続する場合に利用したりすることができる。

ループバックアドレスのひみつ
 ループバックアドレスは"127.0.0.1"としているが、これは慣例的に決まったものである。決まっているのは最初の数字が127というだけで、残りの3つの数字は何でもいい。すなわち、"127.0.0.1"から"127.255.255.254"がループバックアドレスとなる。しかし、多くのシステムが自動的にループバックアドレスは"127.0.0.1"としている。

2 経路集約の仕組み

今日も、ルータの役割を担う「るー太くん」は大忙し。次から次へと送り込まれてくるお客様(パケット)に道案内(経路制御)しなければならないからだ。あるときは、一時に大量のお客様がつめかけて行列ができてしまい、「遅いぞ!」というクレームがついてしまう。「一生懸命働いているのに…」と、るー太くんはこぼしながらも、根が前向きな彼は考えてみた。「どうすればもっと早く道案内(経路制御)ができるだろう?」

まず、るー太くんの道案内(経路制御)の手順を整理してみよう。

  1.お客様(パケット)のヘッダにある「あて先IPアドレス」でお客様の目的地(ネットワーク)を確認する
  2.経路制御表(ルーティングテーブル)でお客様の目的地(ネットワーク)をもとに次の乗換駅(ルータ)を検索する

図5 経路制御表(ルーティングテーブル)

この経路制御表(ルーティングテーブル)にはありとあらゆる目的地が書き込まれている。
 例えば、お客様の目的地(ネットワーク)がFだとしよう。
 るー太くんは、図5の経路制御表(ルーティングテーブル)を上から順々に検索していく。
  「Aでもない、Bでもない、Cでもない、Dでもない、Eでもない…あ、Fがあった!次はY駅に行けばいいんだな」

ここで、るー太くんは、ひらめいた!
  「上から順々に検索していくのは仕方ないけど、検索する数が減らせたらもっと早くならないかなぁ?目的地A、B、C、D、の乗換駅は全部Xだから、なんとかひとまとめできないものか…」

それぞれ左から一致しているビット部分だけを書き出すと、次の表のように、11行あった経路制御表を3行にまとめることができた。

るー太くん:「これで、道案内(経路制御)が楽になるなぁ!」

もし、この経路制御表で目的地F(192.168.0. 72)だとした場合は、次のように考える。

このように、経路制御表の行数をまとめることを経路集約と言う。

NGNにおける経路制御

 現在、私の住んでいる北海道・美留和地方のインターネットアクセス環境は、ISDNかダイヤルアップしかなく、ブロードバンド時代からすっかり取り残されている。それが近い将来、一気に世界最先端の技術になるかもしれない。というのも、実は、この地方はテレビ電波の難視聴地域でもあるからだ。テレビ放送の全面的な地上デジタル化にともない、近いうちに光ファイバを各家庭まで引き込んでNGNを活用しようという計画がある。
 最近メディアでもよく話題になっているNGNとは、Next Generation Networkの略で、ITU-T(国際電気通信連合−電気通信標準化部門)の標準である。NGNは、「IP(Internet Protocol)による次世代のテレコム・キャリア・ネットワーク」で、インターネットとは異なるネットワークを形成し、その中でテレビ・電話・データ通信などを融合させるという構想だ。
 NGNにおけるIPネットワークの経路制御には、電気通信事業が有するIP網などで使われるルーティングプロトコル、MPLS(MultiーProtocol Label Switching)が用いられる。MPLSは、あらかじめ目的地までの道順を書いた「ラベル」と呼ばれる短い固定長の識別標識を付与してあり、ルータに負荷をかけない設計になっている。そのため、MPLSには遅延が少なく高速に転送できるというメリットがある。
 その他のルーティングプロトコルにRIPやOSPFなどがあるが、これらはパケットがルータに入るごとに経路制御(道案内)しながら目的地に達するので、ルータに負荷がかかる。
【次回予告:MACアドレスと通信の仕組み】
 次回は、すべてのLAN製品が持っているMACアドレスを取り上げ、IPアドレスとの違いや、役割などを解説する。また、ネットワーク機器において、フレームの組み立て、送出、および、受け取り、分解を担うLANカードや、LANボードなどのLAN製品についても解説する。

取材協力 : 株式会社アイテック

掲載日:2008年12月10日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2008年06月10日掲載分

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