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デジ・ステーション


初級ネットワーク講座
第5回 IPアドレスを最大限に活用する方法

前回(第4回)は、IPアドレス、クラスの概念、さらにIPv4におけるIPアドレスの枯渇問題に対してサブネットという概念が導入されたことについて説明した。今回は、その枯渇問題をさらに解決していくための手法、VLSM、CIDR、PREFIXについて説明する。
 さらに、一斉送信用のブロードキャストアドレスと、これを利用して画像や音声をリアルタイムに共有できるビデオ会議システムの仕組みを解説する。

1 IPアドレスの「もったいない!」解決法いろいろ

1-1 これまでのおさらい

これからIPネットワークを導入しようとする会社を想定してみよう。
 部署ごとに1つのネットワークを構築するものとし、システム部に40、総務部に20、営業部に10、生産部に10のIPアドレスが必要だとする。

「クラス」概念のみの場合

ネットワークごとに、その規模に相応のクラスのネットワークを割り当てる。クラスは、大規模=クラスA、中規模=クラスB、小規模=クラスCの3分類しかないが、いずれの組織も、必要なIPアドレス数がクラスCの最大割当ホスト数の254に満たない。よって、ネットワークごとに最小単位のクラスCを割り当てることになる(表1)。

表1 「クラス」によるIPアドレスの割当例

必要なIPアドレスは合計80であるが、割り当て可能なIPアドレス空間は254×4=1016で、なんと9割以上が無駄なアドレス空間となってしまう。

「クラス+サブネット」の概念の場合

サブネットは、1つのクラスを複数のサブネットに分割する。組織の中で必要とするIPアドレス数の最大数が「システム部」の40なので、クラスCのサブネットを2ビットとしてサブネットに分割する。クラスCのアドレス空間1つを、4つのサブネットに分割することができる(表2)。

表2 クラスCとサブネットを利用した場合のネットワーク割り当て

表3 クラスCとサブネットを利用した場合のIPアドレスの割り当て例

必要とするIPアドレスは80だが、割り当てるIPアドレス空間は254となり(表3)、7割程度が無駄なアドレス空間となる。


1-2 VLSM(可変長サブネットマスク)

VLSMとはVariable Length Subnet Maskの略で、「可変長サブネットマスク」とも言われる。クラスとサブネットの概念だけでは、クラスで定義されたネットワークを均一に分割することしかできなかったが、VLSMでは各々のサブネットの規模に応じ、サブネットごとに異なるサブネットマスク(サブネットのビット数)を適用できる。

システム部: 必要とするIPアドレス数が40 → クラスCのサブネット2ビットとする
   総務部: 必要とするIPアドレス数が20 → クラスCのサブネット3ビットとする
   営業部: 必要とするIPアドレス数が10 → クラスCのサブネット4ビットとする
   生産部: 必要とするIPアドレス数が10 → クラスCのサブネット4ビットとする

表4 VLSMを導入した場合のIPアドレスの割り当て例

必要とするIPアドレスは80であるが、割り当て可能なIPアドレス空間は126となり(表4)、無駄なアドレス空間は3割程度ですむ。

1-3 CIDR(サイダー)

CIDRとはClassless Inter-Domain Routingの略で、クラスにとらわれない、短絡的に言えばクラスの概念をとっぱらってしまおうという考え方である。
 クラスの概念では、サブネットを導入してIPアドレスをネットワークアドレス部、サブネット部、ホスト部の3つに分け、クラスに応じてネットワークアドレス部の長さが決まっていた。CIDRでは、「ネットワークアドレス部」「ホスト部」の2つしかなく、ネットワークアドレス部の長さはネットワーク規模に応じて自由に決めることができる。

1-4 PREFIX(プレフィックス)

PREFIX とは、CIDR表記の場合のIPアドレスのネットワークアドレス部の長さ(ビット)を表す(表5)。たとえば、PREFIX"25"とサブネットマスク"255.255.255.128"は同じネットワーク規模となる。
 るー太くんは、CIDRのIPアドレスだけではネットワークが識別できないため、あらかじめ経路情報にIPアドレスとPREFIXをあわせて設定しておく。表記法としては、「IPアドレス / PREFIX」のように、スラッシュで区切る。

表記法:
IPアドレス / PREFIX
   例:
10.16.0.0 / 12
192.168.1.192 / 28

表5 PREFIXごとの割り当て可能なホスト台数

HL:ホストアドレスの長さ(ビット)
「ネットワークアドレス部」が1ビット増えるごとにネットワーク規模が半分となる。

PREFIXを使うと、必要なIPアドレス数に応じて割り当て可能なアドレスの範囲を決めることができるので、表6のように、無駄のないIPアドレスの割り当てが可能になる。

表6 PREFIXを導入した場合のIPアドレスの割り当て例

「サブネット」と「サブネットマスク」は似て非なるもの
 サブネットとサブネットマスクは、言葉が似ているので混同されがちだが、まったくの別物。
 サブネットは、ネットワークアドレスとホストアドレスのうち、ホストアドレスのフィールドを更に分割して使用するもの。
 一方サブネットマスクは、IPアドレス32ビットのうち、それぞれのビットが「ネットワークアドレス」「サブネットアドレス」「ホストアドレス」のうち、どれかを区別するために使用するもので「ネットワークアドレス」「サブネットアドレス」はビット"1"、「ホストアドレス」はビット"0"とする。
 サブネットマスクは確かに「サブネット」の運用における「ネットワークアドレス」「サブネットアドレス」を表すために誕生したのだが、CIDRの概念が浸透し、「サブネット」という概念が少なくなった今では,「ネットマスク」と呼ぶ方がふさわしいかもしれない。

次回は、IPアドレス空間枯渇問題のさらなる解決策として、広く一般的に使われているプライベートアドレス、そしてプライベートアドレスを実現するための技術であるアドレス変換について説明する。

掲載日:2008年12月10日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2008年3月11日掲載分

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