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デジ・ステーション


初級ネットワーク講座
第1回 通信ネットワークの仕組み

いよいよ本日、「初級ネットワーク講座」が開講する。ネットワーク技術に関する知識は、ITに携わるすべての人に求められる。ぜひこの講座で、その基礎知識を着実に身に着けてほしい。第1回のテーマは「通信ネットワークの仕組み」。コンピュータ同士がどのような仕組みで通信しているのか、そのためにどんな手順や約束事があるのかを学ぶ。そして、実際にやり取りされているデータをみることのできるパケットキャプチャツールを紹介する。さらに、情報系の資格試験問題の中から関連問題を掲載しているので、ぜひ挑戦してみてほしい。

1 通信ネットワークとは

1-1 データ通信と通信ネットワークの違い

コンピュータとコンピュータがコミュニケーションを図ることをデータ通信という。
 まず、コンピュータ同士ではいったいどのようにコミュニケーションしているのか、想像してみよう。人間であれば、例えばひとりが「おーい」という呼びかけをすると、それに対してもうひとりが「なんだい?」と返したりするわけだが、コンピュータもこんなふうに「会話」をしているのだろうか?
 例えば、いま、あなたはこの記事を見ている。ごく当たり前に思えることだが、実はあなたのパソコンは、世界中に何百万、何千万台とあるWebサーバの中から、キーマンズネットのWebサーバを選んでこのページを見ている。それは、あなたのパソコンとキーマンズネットのWebサーバが、いわば会話、つまりデータ通信をすることによって実現しているのだ。


それでは、あなたのパソコンとキーマンズネットのWebサーバとの間には何があるのだろう?(図1)
 まずは、あなたのパソコンの側から見てみると、「LANケーブル」それとも「無線LAN」でどこかに繋がっているだろうか。その先に、「スイッチングハブ」があるかもしれない、そして「ルータ」。「ルータ」の先には、ADSLもしくは光ファイバ、電話回線などの通信回線があるだろう。さらにその先には、見たことはないが「インターネット」というとてつもなく大きなネットワークがあるようだ。
 でも、その先はわからない。わからなくても、キーマンズネットのWebサーバと会話しているのである。

図1 パソコンからキーマンズネットのWebサーバまでの間に何があるか

あなたのパソコンや、キーマンズネットのWebサーバのように、通信を行うコンピュータのことをノード、ノード同士の繋がりをリンクという。しかし、ノードとリンクだけでデータ通信は可能かというと、そうではない。ここで、もう1つの要素、コンピュータとコンピュータが会話をするための約束事が必要となる。


人間の場合を考えてみるとわかりやすい。人間同士が会話をする際、例えばA君は日本人で日本語と英語を知っている。一方のB君はフランス人でフランス語と英語を知っている。この2人が、お互いに自分の国の言葉で会話しようとしたらどうなるだろうか?
 これでは、お互いに何を話しているのか理解できないため、A君とB君の間でコミュニケーションは成立しないので会話は続かず、図2の左側のような状態になってしまう。では、2人ともが知っている英語で会話をするとどうだろう?

図2 日本人A君とフランス人B君の会話

こうして2人が、共通言語である英語で話そうという約束事を決めることによって、図2の右側のように、A君とB君の間でコミュニケーションが成立し、会話を続けていくことができる。つまり、データ通信が実現するのである。このように、データ通信に至るまでの手順や過程のことをプロセスという。


データ通信は1つのコンピュータと1つのコンピュータの意思疎通のことをさす。
 しかし、インターネットの世界では、世界中にある無数のコンピュータが接続し、複数のコンピュータ同士が同時に会話している。そういった全体的な枠組みのことを通信ネットワークという。

図3 データ通信と通信ネットワークの違い

通信ネットワークもまた、データ通信と同じようにノード、リンク、プロセスの3つの要素で成り立っている。

1-2 ネットワークアーキテクチャとプロトコル

よく「結果よりも過程(プロセス)が大事である」と言われるが、実は通信ネットワークでも同じことがいえる。
 お互いのノードはリンクを介して接続しているが、ネットワーク上では通信相手は見えない。見えないということはつまり、通信相手のノードのメーカーや機種、OSなどのプロフィールがわからないのである。人間同士の会話でいえば、これから会話する相手が日本人か、フランス人か、イタリア人か、何語を解するどんな人物なのか、まったくわからないのである。
 そこで、会話を始めるための共通の約束事が必要となる。例えば、「呼びかけの合図として"Hello"で会話を始めること」と決めておく。こうしたプロセスを経てコミュニケーションが成立したら、あとは自己紹介しながら会話を進めていけばいい。
 このような約束事を体系化したものをネットワークアーキテクチャという。これに基づいて、個々のプロセスのための約束事を取り決めたものをプロトコルと呼ぶ。

コラム:ネットワーク用語は「借り物」!?
 「アーキテクチャ」とは、もともと「建築様式」を意味する英語だ。「バロック」「ロココ」「アールヌーボー」「数寄屋造り」などがある。「プロトコル」とは、もともとは「外交議定書」の意味で、国同士がお付き合いする際の約束事の文章である。環境問題で議論した京都会議での「京都議定書」は、「Kyoto Protocol」と呼ばれる。「通信ネットワーク」は新しい分野なので、さまざまな分野から用語を拝借している。こうした語源を紐解いていくのもなかなか楽しい。

通信ネットワークにおいて、ネットワークアーキテクチャは憲法、プロトコルは憲法に基づく法律と思えばよい。
 データ通信が始まったころ、各コンピュータメーカーはこぞって、それぞれ独自のネットワークアーキテクチャを開発・発表した。しかしそれらは、原則としてメーカーの異なるコンピュータ同士では接続できないものであった。これでは、通信相手によってメーカーを選ばねばならなかったり、そのメーカーがなくなってしまった場合には、コンピュータの寿命とともにデータ通信ができなくなってしまったりするので、メーカーに依存しないネットワークアーキテクチャの標準化が望まれた。そういった背景で誕生したのが、「OSI」と「TCP/IP」である。
 「OSI(Open Systems Interconnection)」は、開放型システム間相互接続と呼ばれるネットワーク構造の設計方針で、異なるメーカー、機種、OSの混在する環境であっても、OSIに準拠していれば相互にデータ通信が可能になる。国際的な標準規格を策定するための機関である国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)で標準化されている。このOSIをもとにして、通信を機能ごとに7つの階層に分けた「OSI参照モデル」がある。
 「TCP/IP」は、インターネット上で利用されるアーキテクチャや技術、およびインターネットを管理するための団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)で標準化されている。TCP/IP系の仕様は標準化され、RFC(Request for Comments) として文書化され公開されている。
 今日では、ごく一部にメーカー系のネットワークアーキテクチャが残ってはいるものの、通信ネットワークで使用されているのは主にOSIとTCP/IPの2つである。
 憲法であるOSIとTCP/IPにはそれぞれ、法律にあたる「プロトコル」が複数ある。それらを「プロトコルスイート:Protocol Suite」すなわちプロトコル群と呼ぶ。例えば、この画面を見るための「http」や「Ethernet」なども「プロトコル」である。
 「OSI」と「TCP/IP」については、次回以降、詳しく解説していく。

1-3 データ通信の仕組み

それでは、データ通信の仕組みを詳しくみてみよう。おそらく「パケット」という言葉は耳にしたことがあるだろう。データ通信においては、ノード同士が、送信したいデータをパケットと言う単位でやり取りしている。もともとパケットとは、小包を意味する英語だ。
 宅配便を送る場合を例にとって考えてみよう。まず、送りたい荷物がある。それを箱詰めする。箱詰めしたら、送りたい相手のあて先と自分の連絡先を書いた送付状を貼る。そして、箱を宅配便業者に持っていく。
 データ通信も同様である。送りたい荷物はデータ、それをまとめて詰める箱がパケット、送り先を書いた送付状がヘッダということになる。パケットとは、データとヘッダの組み合わせなのである。
 そう考えると、荷物(データ)の送り主や受け取る人がノード、荷物(データ)を運ぶ宅配便が、ノードをつなぐリンクということになる。

図4 パケット通信の考え方

このように、データ通信はパケットという単位で行われることがわかったところで、身近にあるLANケーブルを流れるパケットを観察してみるといい。とはいっても、パケットを文字どおり目でみることはできない。そこで、「パケットキャプチャツール」というツールが登場する。
 パケットキャプチャツールとは、ネットワークを流れるパケットを捕まえる(キャプチャ)ことのできるツール。機能や用途によって、プロトコルアナライザ、LANアナライザ、パケットモニタなど複数の呼び方があり、形態もソフトウェアやハードウェアなど様々だが、パケットを取得するという意味ではほぼ同じ役割を果たす。これらはいずれも、伝送路上を流れるパケットを収集した上で、その内容を解析(アナライズ)することができる。パケットキャプチャは、ネットワークの仕組みを理解するのに有効な手段なので、ネットワークの勉強を始めるにあたってぜひ1度試してみることをお奨めする。具体的にどんなツールがあるのかについては、この記事の「3-3. パケットキャプチャツールのいろいろ」の項で紹介する。

取材協力 : 株式会社アイテック、日本ネットワークジェネラル株式会社

掲載日:2008年10月31日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2007年11月05日掲載分

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