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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
大量タグを一括認識!「カラービット」とは

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「カラービット」。バーコードやRFIDではできない個品管理法を簡単に実現し、採用事例も増えてきたこの新しいコードは、いったいどこが優れているのでしょうか?

1.「カラービット」とは何か

ビットの並びを色の変化で表す新しいコード。日本のビーコア株式会社が独自に開発し、自動認識技術を利用する各種機器を始め、書類管理や物品管理、ゲームなど、多様なベンダのソリューションに採用されている。

図1 カラービットのコードの例
カラービットのコードの例

資料提供:ビーコア

1-1.「色の変化」でビットを表す方法は?

原理は図1を見ていただくとよい。カラービットによるコードは「赤」「青」「緑」の色のつながりで表現され、連続したセルの色の並びを自動認識できるようにしている。色が「赤」→「青」/「青」→「緑」/「緑」→「赤」の順で変化しているところで「1」を表し、逆に「赤」→「緑」/「緑」→「青」/「青」→「赤」の順に変化しているところで「0」を表す。

このコードを個品管理のIDなどと対応づけると、例えば従来のバーコードやQRコード、あるいはRFIDタグのように活用できる。それに加え、後述するように、これまでのコードでは対応できなかった領域にも、アイデア次第で多様な応用が可能になることで注目されている。


コードの作成は、ID番号などを専用ソフトでカラービットに変換した上で、自由にデザインして出力すればよい。出力には一般的なカラープリンタがあればよく、印刷機でももちろん問題ない。シール紙に印刷して物品に貼付するタグにするのが典型的な使い方だが、布への印刷、プラスチック・金属・ガラス・電子機器用基板への着色など、さまざまな応用ができる。
 読み取りには基本的にはカメラの画像を利用し、認識用ソフトを利用してIDコードなどに変換する。静止画像でも、動画でも、リアルタイム映像からでも0.01秒から0.2秒程度の時間で認識が可能だ。一般的なデジタルカメラ、Webカメラ、パソコンやスマートフォンなどのカメラでも十分に使える。

1-2.カラービットが優れているところは?

デザインの柔軟性とビジュアルな効果

 ひと目で分かるのは、その華やかさだ。図2のように、カーブを描き、折れ曲がり、色のセルが文字やアイコンになっても、動物やアイスクリームのようにデザインされていても、色のセルが無彩色(白か黒)で区切られて並んでいさえすればコードを表現できる。これに比較するとバーコードやQRコードの無骨さは争えない。

図2 カラービットによる表現の例
カラービットのコードの例

資料提供:ビーコア

印刷精度、色あせ、印刷発色の誤差などに影響されにくい仕組み

バーコードやQRコードとの大きな違いの1つはコード印刷個所の歪みやぼけ、かすれなどに強いところだ。色の変化の表現にはあまり印刷精度を必要とせず、読み取り時の状態が悪くても読み取り可能だ(図3)。

図3 さまざまな読み取り状態に対応可能
図3 さまざまな読み取り状態に対応可能

資料提供:ビーコア


サイズや形状が自由、カメラで色の識別ができればOK

色のセルの形状やサイズにも左右されない特長は、デザイン性を持たせることに役立つばかりでなく、小さな物品への適用にももってこいだ。読み取り用カメラでセルの識別ができればよいので、極端な例では顕微鏡でやっと識別できるレベルのサイズのセルでも利用はできる。1ミリ角程度のセルサイズのコードなら、低価格なカメラでも数十cm先から認識可能だ(カメラの性能や光の環境などにより異なる)。

複数コードの一括読み取りが可能

バーコードやQRコードと異なるもう1つの大きな特長が、複数のコードを一気に読み込めることだ。1つの画像から256個までのたくさんのコードを識別できる。例えば資料冊子のIDとして利用した場合、資料棚から数m離れたところからカメラで撮ると、250冊以上のコードを一括認識させることも可能だ。特定の資料がある位置が知りたい場合、管理ソフトでIDを指定すれば、認識した画像からそのIDを持つ資料の位置を画面で教えてくれる。ところどころで資料の天地が逆になっていても、並べ方が乱雑でも、カラービットが見えてさえいれば認識・検索できる。

図4 256冊の資料IDを一括認識、特定IDの資料を検索した例(右:)
図4 256冊の資料IDを一括認識、特定IDの資料を検索した例(右:)

赤い表示が検索されたカラービットタグ、青く表示されたタグが検索されたIDの資料

資料提供:ビーコア


また物品の一括認識によく使われるRFIDとは違い、撮影する範囲以外は対象としない。もし上の事例でRFIDを使えば、資料冊子の棚の裏の関係のない資料冊子も認識してしまう可能性がある。また物品の有無ばかりでなく、検索を行って映像のどの位置に検索対象の物品があるかまで特定できる。価格的にも、低価格なRFIDの数分の1に抑えられる。

2.カラービットの応用領域

カラービットは2007年に商品化され、さまざまな実用化事例がある。代表的な例をあげてみよう。

2-1.物品の個品管理

物流管理

動いているものを離れた場所からカメラで撮影すれば、そのIDが確認できるので、物品運搬のためにカメラの前を通るだけで移動状態が記録できる。大手運送業者の引越しサービスでは箱にカラービットタグをつけ、台車にたくさん積んだままカメラの前を通るだけで管理システムに登録できるようにしている。

書類管理

銀行の債権情報など、大量の原本を厳重に管理する場合、資料にカラービットタグを貼付して管理できる。大量の資料が並んでいても、目的の資料の位置が画面を見て確認できる。ある銀行では、この方法で2万5000冊の資料を管理しているが、従来数日間要していた作業が、カラービット導入により1時間程度で済むようになった。驚異的な作業効率の向上を達成している。もちろん、導入時にはタグをつける手間などがかかるものの、その後は大幅な時間・労力・コストの削減につながる。同様に、病院でのカルテ管理などにも使われている。

病院の薬品管理

某国立大学附属病院では、患者ごとの薬品トレイにカラービットを使い、手術時の薬品使用実績や使用量を管理している。医薬品補充や確実な保険請求には、これまで手書き明細票から手作業で集計していたので、使用した医薬品の正確な記録は困難で誤差も大きかった。カラービットを使用した自動カウントシステムの導入により、大幅な業務の効率化が達成された。

鍵管理

鍵の厚みの部分に細いカラービットを貼付して利用できる。例えば鍵の束を持っていって、扉の前でスマートフォンでどの鍵が対応するのかを確認するといった使い方ができる(図5)。

図5 鍵につけたカラービットをスマートフォンで確認
図5 鍵につけたカラービットをスマートフォンで確認

資料提供:ビーコア


2-2.人間の行動の管理

動いているものでも識別できるところから、社員の名札や社員証にカラービットを使い、管理対象の扉の内外でカメラ撮影(監視)することで入退室情報の記録や、扉の制御が行える。

2-3.容易に視認できない場所の物品、施行状態の検査や管理

例えば大型建築施設の天井部にある空中配管が正しい部品を使っているかどうかの検査では、配管部品にカラービットタグをつけておけば、下から見上げて撮影すればよく、手間も危険もなく現物確認ができる。タグに道路標識に使われている再帰性反射板材を利用することで、遠くからの投光でも乱反射が防げるので、10m以上の距離でも簡単に認識できる。大規模なプラントや生産施設などの安全管理に使われている。

2-4.AR(拡張現実)マーカーとしての利用

大手ゲーム機メーカーのカードゲームでARマーカーとして利用されている。カードの左下隅のデザイン化されたカラービット(図6)がマーカーになり、ゲーム機のカメラでカードを撮ると、カードに対応するキャラクタが画面上に表れる。2枚のカードを撮ると、キャラクタがバトルを始めるという仕掛けだ。工夫次第でエンターティンメント用途にも可能性が無限にある。

図6 カラーコードをARマーカーに利用したカードゲームの例
図6 カラーコードをARマーカーに利用したカードゲームの例

資料提供:ビーコア


3.カラービットの現状と課題

3-1.更に進化したカラービットが登場

ビーコアではカラービットを3本重ねた形状でラフなマーキングでも認識できる「マルチラインカラービット(Multiline CB)」や、光の色の変遷で時系列にコードを表示する「CBクロノ(光クロノコード)」といった姉妹商品も開発しており、ますます用途が広がりそうだ。
 なお、色を使ったコードは他にも存在する。例えば株式会社カラーコードラボラトリーズでは四角形に色のセルを配置する「スマートアイコン」(旧ColorZip)を発売している。情報通信機構(NICT)が開発した「零次元コード」はアイコン映像の色などのパターン変化を利用する。どれも異なる技術で目的も違うが、調べて比較するとおもしろいだろう。

3-2.カラービットの課題

カラービットの弱点は現時点では独自仕様のコードであることだ。バーコードやQRコードはJIS規格、その他の主な2次元コードも標準規格化されている。カラービットは利用が始まったばかりで、まだまだ普及・浸透が必要な段階と言える。
 なお、色を扱うので当然カラー印刷が前提になる。タグ作りにモノクロよりも若干コスト高になるのは止むを得ない。更に面積当たりの情報量ではバーコードと同等程度にとどまるところも課題かもしれない。ただしこれはデザインでカバーできそうだ。
 カラービットの応用領域は今後もアイデア次第で増えていく。例えばクーポン券などへの適用では、エンターテイメント要素を加えて、より満足度向上や集客に役立てることもできるだろう。まだまだ発展途上のコードと言え、今後も応用例の更なる登場に期待したい。

取材協力 :ビーコア株式会社

掲載日:2012年10月10日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2012年9月5日掲載分

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