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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「Thunderbolt(サンダーボルト)」って何だ?

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「Thunderbolt(サンダーボルト)」。10GbpsのスピードでPCと周辺機器を結ぶ、新しいインターフェース規格です。この規格は、まだ普及途上のUSB 3.0を駆逐するのでしょうか、それとも共存して棲み分けていくのでしょうか。いったいどのようなものなのか、まずは技術のあらましをご覧あれ!

1.「Thunderbolt」とは?

この2月に登場したアップル社のMacBook Proに搭載されてにわかに注目を浴びた、新しい高速インターフェースが「Thunderbolt」。その特徴は次のとおりだ。

Thunderboltの特徴
●1ポートあたりデュアルチャネルで10Gbpsの転送速度
● 双方向通信が可能(デュアルチャネル全二重なので総スループットは最大40Gbps)
● PCI ExpressとDisplayPortのデュアルプロトコル
●既存のDisplayPort機器と互換性がある
● デイジーチェーン接続(最大7台)が可能
●メタルケーブルで3mまで、光ケーブルなら数十mの範囲で伝送可能
● 高精度な時間同期と低レイテンシ
●既存プロトコル用のソフトウェアドライバが利用可能
●接続機器へのバスパワー供給が可能(メタルケーブルの場合。10Wまで可能)

1-1 USB 3.0の2倍! 10Gbpsの転送スピード

特に注目したいのがチャネルあたり10Gbps(1.25GB/秒)という転送スピードだ。これは現在、普及しつつあるUSB 3.0(5Gbps)の2倍にあたる。外部機器の接続用として広く普及しているUSB 2.0(最大転送速度480Mbps)の約20倍、一部で利用されているIEEE 1384(別名FireWire、製品化されているものの最大転送速度は800Mbps)の約12倍だ。

1-2 1本のケーブルで映像/音声とデータ転送を兼任

図1 Thunderboltケーブルとコネクタ
図1 Thunderboltケーブルとコネクタ

資料提供:インテル

もう1つの注目ポイントは、1本のケーブル(図1)でPCI ExpressとDisplayPortの2つのプロトコルを同時に双方向で通信できることだ(図2)。
 PCI ExpressはPCの内部で拡張カードを利用するときに使われてきたプロトコル。Thunderboltは、拡張カードが実現しているような高速処理を外部の周辺機器でも行えるように、内部から外部へバスを引き延ばすようなイメージで捉えるとよいだろう。
 一方のDisplayPortプロトコルは、デジタル・ディスプレイ装置に映像を出力するために、DVIやHDMIに並んで利用されている映像用のプロトコルだ。マルチディスプレイの利用を念頭に作られており、フルHD(1080p)を超える高解像度ディスプレイに対応する。音声については規格としてはオプション扱いだが、実際には最大8チャネルの音声(192kHz/24bitまで)を同時に使用することができる。

図2 1本のThunderboltケーブルでPCI ExpressとDisplayPortの2つのプロトコルでの高速通信が可能
図2 1本のThunderboltケーブルでPCI ExpressとDisplayPortの2つのプロトコルでの高速通信が可能

資料提供:インテル

つまりThunderboltなら、ケーブル1本だけで、周辺機器との高速データ通信ができ、同時に高解像度ディスプレイ(マルチディスプレイも可能)への映像や音声の出力が行えるというわけだ。コネクタ部分は、従来からのMini DisplayPortコネクタと見かけは変わらない。PCや周辺機器への実装にあたって、コントローラチップの搭載こそ必要だが、コネクタ部分について新たにスペースはとらない。
 なお、Thunderboltは、転送プロトコル部分を必ずしも限定しておらず、もっと下の層の仕組みを規定したものだ(図3)。この部分はUSBよりも柔軟にできている。ホスト側の実装例を図4に示す。ここに示されているThunderboltコントローラは実際には1つのチップだ。

図3 Thunderboltテクノロジのアーキテクチャ
図3 Thunderboltテクノロジのアーキテクチャ

資料提供:インテル

図4 PCシステムのブロックダイアグラム例
図4 PCシステムのブロックダイアグラム例

資料提供:インテル

1-3 デイジーチェーンで周辺機器を最大6台接続可能

さらにもう1つの注目ポイントは、対応機器をデイジーチェーンで接続できることだ。複数の周辺機器を利用するときに、ケーブルのとり回しが簡単・シンプルになるメリットがある。複数の周辺機器を、専用ケーブルで数珠つなぎにしていけばよいのがデイジーチェーンのよさだ。例えばPCにディスプレイとストレージを接続したいときは、PCからディスプレイまでケーブルを引き、ストレージにはディスプレイからケーブルを引くようにすればよい。PC本体含めて7台まで、つまり周辺機器を最大6台接続することができる。

1-4 3mの範囲で10Wのバスパワー供給も可能

Thunderboltはもともとインテルが2009年9月に開発中であることを発表し、「Light Peak」と呼んだ技術の後身だ。もともとは光ケーブルを利用した高速データ転送インターフェースの規格として計画されていたものなので、Thunderboltも光ケーブルを利用できるようになっている。しかし、アップル社から製品化されたものはメタル(銅線)仕様だ。メタル仕様であることにより、ケーブルの延長距離が3m以内になってしまうが、一方で周辺機器に10Wまでのバスパワー供給が可能になっている。光ケーブルを利用する実装がいつ、どのような形で具体化するのかはまだ見えないが、光ケーブルなら数十mまでの延長が可能になるということだ。もっともPCへの周辺機器接続だけを考えるなら、現状のメタルのままでも十分かもしれない。

2.利用用途や分野、そして今後は?

2-1 どのような周辺機器に使えるのか?

PCI Express用のドライバはほとんどのOSでサポートされている。またDisplayPortは従来から変換アダプタを用いてDVI機器やHDMI機器への接続が行われてきた。そのため、変換アダプタさえ適切なものを選べば、映像ならDVI、HDMI、VGAの各機器での利用ができるし、データ転送ならFireWire、eSATA、Gigabit Ethernet対応機器にもアダプタをつけるだけで、既存のPCI Expressドライバで利用することができる。
 今後はThunderboltのコントローラチップを搭載した新しい周辺機器が増えていくはずだ。現在Aja、Apogee、Avid、Blackmagic、LaCie、Promise、Western Digitalなどのベンダ各社が対応製品を発表または開発しており、インテルは今後、ディスプレイ、ストレージ、オーディオ・ビデオ機器、カメラ、ドッキングステーションなどの機器を開発する企業との協力を進めるとしている。高速な外部SSD装置を利用する場合などにはよい選択になりそうだ。

2-2 今後どのように発展するのか?

 Thunderboltの搭載で得られる最大のメリットは、映像再生や編集での待ち時間の削減や、HD映像などの大サイズなデータの転送時間の短縮、データのバックアップや復元時間の短縮といった、主にその高速な転送速度を利用しての作業効率化にある。今後はそのメリットが十分に生きるような映像関連の業務などで利用ケースが増えていくものと思われる。
 Thunderboltの登場にはアップルの意向が強く影響していることが想像に難くないが、これはインテル独自の技術であり、遠からずWindows PCにも搭載されることが予想できる。その動向や今後増えていく周辺機器の動向に注目しておこう。
 なお、USB 3.0との競合についても取りざたされることがあるが、USB対応製品との普及率の違いはあまりにも大きく、ThunderboltがUSBに取って代わるようなことは想像しにくい。来年にはおそらくインテルやAMDがUSB 3.0用のチップセットを提供するものと見られており、PCや周辺機器ベンダも対応しやすくなるだろう。一方、プロトコルの柔軟性をはじめとするThunderbolt独自のメリットはUSBにはないものだ。その他のインターフェースも含めて、今後は並立して利用されていくものと思われる。

掲載日:2011年5月25日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2011年4月20日掲載分

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