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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「触覚フィードバック技術」って何だ?

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「触覚フィードバック技術」。スマートフォンで触感を楽しみながら買い物ができる時代がもうすぐやってくる!?

1.「触覚フィードバック技術」とは?

触覚フィードバック技術とは、タッチパネルなどのディスプレイを指で触ったときに、ガラスやプラスチックでできているパネル表面のつるつるした触覚ではなく、そのパネルに映し出されている物体の表面を触っているような触覚を提供する技術のこと。

ここでは、最新の触覚フィードバック技術の1つである、東芝情報システムがSenseg社と提携して取り扱いを開始した「新感覚UIソリューション」のデモを使って、触覚フィードバック技術の実際の様子を紹介しよう。このデモは、触覚フィードバック技術を処理するソフトウェアが搭載されているPCと、特殊な帯電フィルムとコントロールモジュールが搭載されているタッチパネル端末から構成されている(図1、図2)。

PC画面には、ブラシのケバケバした表面を映した画像(左上)、金属棒が等間隔に並んだ画像(右上)、ざらざらした表面の画像(左下)、つるつるした表面の画像(右下)が表示されている。タッチパネル端末に指を触れて動かすと、PC画面上のカーソルが連動して動く仕組みになっている。そこで、例えば、左上の画像上でカーソルを動かしてみると、まるでブラシの表面を指で触っているのと同じ触覚がタッチパネルを介して伝わってくる。同様に、ほかの画像にカーソルを移動すれば、それぞれの画像の表面の触覚が指に伝わってくるのである。

図1 「新感覚UIソリューション」のデモ
図1 「新感覚UIソリューション」のデモ

資料提供:東芝情報システム

図2 触覚フィードバックのタッチパネル端末
図2 触覚フィードバックのタッチパネル端末

東芝情報システムでは、組込み総合技術展(2010年12月1日~3日)にこれを「新感覚UIソリューション」として参考出展し、来場者にその触覚を体験してもらったところ、多少の個人差(触覚の強弱)はあるものの、ほとんどの人が指先で触覚の違いを認識できたという。

2.「触覚フィードバック技術」の原理

図3 Senseg E-Sense技術
図3 Senseg E-Sense技術

資料提供:東芝情報システム

今回、東芝情報システムが紹介した「新感覚UIソリューション」では、触覚フィードバック技術の心臓部として、前述のとおりフィンランドのSenseg 社が開発した「E-Sense」という技術が採用されている。Senseg E-Sense(センセグ イーセンス)は、味気ないタッチスクリーン入力をダイナミックな手ざわり入力に変えることができる画期的な技術で、タッチパネル上に貼ったフィルムの電荷を制御することで機械的な振動を使わずに利用者に触感を与えることができる(図3)。


具体的には、電荷の強さ(電圧)と幅(周波数)をいろいろなパターンで組み合わせることで、表現したい触覚を再現し、それをコントロールモジュールに送り込んで、フィルム上に帯電させる仕組みになっている。この状態で帯電フィルムに触ると、指先に微弱な静電気の力が働いて、それが凹凸となって指先に伝わるのである。

なお、タッチパネル端末においては、帯電フィルムを保護するために、プロテクションパネルを帯電フィルム上面にかぶせた構造となっている。さらに、このシステムでは、ごくわずかな電荷を制御するだけで済むので、消費電力は非常に少なく、例えばスマートフォンで1日使ってもバッテリの消費にはほとんど影響しないという。

従来の触覚フィードバック技術との違い

実は、触覚フィードバック技術は、ここで紹介した「新感覚UIソリューション」だけではない。従来から「ハプティック」と呼ばれるモーターや圧電(ピエゾ)素子を使った技術が開発されてきた。これらの技術では、デバイス自身が表面に物理的な振動を起こすことにより、触覚を実現させている。これらの技術と今回の技術を比較すると、表1のようになる。この表を見てわかるように、今回の触覚フィードバック技術は、従来技術よりもはるかに簡単に実現できる仕様になっており、期待される応用分野が一段と広がっている。

ただし、今回のSenseg E-Senseを使った触覚フィードバック技術にも、まだ課題は残されている。その1つは「触感をもっと強くすること」である。人間の触覚には個人差があり、今回のデモでは、触感を感じない人もいた。そこで、帯電フィルムやコントロールモジュール、プロテクションパネルなどをさらに改善して、誰でも触感を楽しめる技術を目指していくという。

表1 Senseg E-Senseと従来のハプティック(Vibration Output)との比較表
表1 Senseg E-Senseと従来のハプティック(Vibration Output)との比較表

資料提供:東芝情報システム

3.「触覚フィードバック技術」の適用分野

触覚フィードバック技術の基本的な使い方としては、スマートフォンやタッチスクリーン上でボタンやキークリック、スライドバーなどを、触感を確かめながら操作することが挙げられるが、今回のSenseg E-Senseを使った触覚フィードバック技術の場合には、さらにいろいろな分野でユニークな使い方が期待されている。例えば、オンラインショッピングを利用するとき、商品の肌触りなどの質感をタッチパネルで確認できるようになれば、商品選びも今以上に楽しくなる。ショップ側にしても、どんなに肌触りを確認してもらっても商品自体が手あかで汚れる心配がなくなる。

また、目の不自由な人向けのソリューションとしても有効だ。例えば、この技術がさらに向上すれば、点字の電子ブックを作ることも可能になるかも知れない。さらに、カーナビでの応用も期待されている。カーナビの場合、車を運転しているときに、前方を見ながら手探りでボタン操作したくなるケースが多いからだ。そこで、カーナビのタッチパネルに触覚フィードバック技術を採用できれば、よそ見をすることなく、カーナビを操作できるようになる。

取材協力 : 東芝情報システム株式会社

掲載日:2011年5月11日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2011年4月6日掲載分

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