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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「メガネ不要の3Dディスプレイ」徹底解説

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「メガネ不要の3Dディスプレイ」。お店の看板もレストランのメニューもすべて3D映像になる時代がやってくるかも?!

1.「メガネ不要の3Dディスプレイ」とは?

ジェームズ・キャメロン監督の3D映画「アバター」の大ヒットの影響を受けて、3D映像システムを完備した映画館や劇場が急増するようになり、新しい3D映画作品も次々と登場し始めている。また、家電メーカー各社からも3Dテレビの発売が相次いでおり、2010年は3Dテレビ元年と言われている。

これらの3D映像システムの多くは、専用メガネの着用が必要なものがほとんどである。専用メガネをかけないでディスプレイやスクリーンを見ると、立体的に見えずに映像が2重にダブって見えるだけだ。専用メガネをかけることで、はじめて立体映像として見えるようになる。

こうした中、専用メガネをかけることなく、裸眼のままディスプレイを見ても立体映像が見える技術の開発が長年続けられてきたが、ようやく最近になって、これらの裸眼での立体映像技術が向上し、コスト面でも実用レベルに近づいてきたことから、メガネ不要の3Dディスプレイや3Dテレビが市場に投入されるようになってきた。

図1 メガネ不要の3Dディスプレイの例
「MV70-AD」(画面はイメージ)

「MV70-AD」(画面はイメージ)

資料提供:ニューサイトジャパン

例えば、図1は面倒な専用メガネなどの補助なしで3D立体映像を見ることができる世界最大級の70インチの3Dディスプレイだ。120度以上の視野角を持ち、広範囲のエリアから同時に複数の人たちが立体映像を楽しむことができる。3Dディスプレイの場合、最も立体的に見える推奨視聴距離が決まっていて、このディスプレイの場合は7m(5~15m)だ。

裸眼立体映像の原理 ~パララックスバリア方式~

それでは、メガネ不要の3Dディスプレイはどのような原理で3D映像を実現しているのだろうか。簡単に言ってしまえば、視聴者が専用メガネをかける代わりに、3Dディスプレイに専用メガネをかけることで、視聴者がメガネをかけなくても済むようにしているのである。この実現方法としては複数の方式が開発されているが、ここでは図1の製品で採用されている8視差の「パララックスバリア方式」について説明しよう。

まず、視差(パララックス)とは、人間の左右の目が約60~65ミリ離れていることで、同じ場所を見ていても2箇所の別の場所から視点を変えて見ていることを指す。人間は視差のある2つの映像を脳の中で合成することで、立体映像として認識している。現在の3Dテレビで使用されている2視差の専用メガネ方式(シャッターグラス方式)の場合、右目用と左目用の映像を1つの画面に交互に入れ替えながら表示しており、右目用の映像が映っているときは左目側を、左目用の映像が映っているときは右目側を閉じる仕掛けになっている。このとき、画面とメガネは赤外線通信などを利用して同期を取るようになっている。

一方、パララックスバリア方式では、通常の液晶パネルの手前(およそ十数ミリの間隔)にパララックスバリア(非常に細かい網目状のフィルタ)を配置している(図2)。このバリアにより、左目からしか見えない映像と、右目からしか見えない映像に分離することで、映像が立体的に見えるようにしているのだ。

図2 パララックスバリア方式
図2 パララックスバリア方式

資料提供:ニューサイトジャパン

図1に紹介したメガネ不要の3Dディスプレイの場合、8視差のパララックスバリア方式が採用されているので、画面には8枚の映像が同時に重なって映し出されており、これをパララックスバリアというフィルタで、右目用映像と左目用映像により分けて見ているのである。

液晶パネルとパララックスバリアの位置関係が崩れると、正しく映像をより分けることができなくなることから、10ミクロン単位という高精度でパララックスバリアが取り付けられている。

2.「メガネ方式」と「裸眼方式」の比較

現在のところ、3D映像システムの世界は、メガネ式の3D市場と、メガネ不要の裸眼式の3D市場という2つに大別することができる。そこで、両者の違いを比較してみると図3のようになる。例えば、メガネをかける必要がある場合の欠点として、次のようなポイントを挙げることができる。

画面とメガネの間で同期を取り続ける必要があるので、下を向いたり、よそ見をしたりして、顔を画面方向から背けると、赤外線通信が途絶えて同期が外れてしまうことになる。従って、再び画面を見始めるときに正しく立体映像を認識できるまでに時間がかかる場合がある。

専用メガネにはバッテリが必要で、重量もあり、長時間の連用が難しい。

専用メガネはまだ高価であり、不特定多数の人たちに見てもらいたいデジタルサイネージ(電子看板)などの3D化には向いていない。

一方、裸眼方式の1つであるパララックスバリア方式には、多視差にすることで、2視差のメガネ方式よりも「自然な立体映像が可能」「視野角が広い」といった長所があり、さらに「耐久性が高い」「コストが安い」「大型への対応可能」という特長も備えている。

ただし、多視差にするためにはそれだけより多くの映像を準備しなければならず、例えば8視差の場合には、8回レンダリングする必要があり、2視差の場合の4倍ものデータ処理が必要になる。また、パララックスバリア方式の場合、液晶パネルの手前にフィルタを設置しなければならないことから、当然ながら輝度が低下してしまう。さらに、1つの液晶パネルに左右の映像を同時表示しなければならないことから、実際の解像度は液晶パネルの解像度よりも低下することになる。

従って、メガネ方式と裸眼方式のどちらが優れているかといった議論ではなく、それぞれの利点を活かした利用方法を模索しながら、それぞれが独自の3D市場を形成していくものと予測される。

図3 メガネ方式と裸眼方式の比較
図3 メガネ方式と裸眼方式の比較

資料提供:ニューサイトジャパン

3.「メガネ不要の3Dディスプレイ」の適用分野

好きな3D映画タイトルを自宅で楽しむ以外に、メガネ不要の3Dディスプレイにはどのような活用法があるのだろうか。
 まず、デジタルサイネージにこの技術を導入し、顧客への付加価値を提供するという活用方法がある。不特定多数を対象に映像を見てもらいたいデジタルサイネージでは、高価な専用メガネを配布しないで済む裸眼方式は大変重宝する。また、スポーツバーなどで裸眼3D中継をすることによって集客アップを期待できる。さらに、レストランなどで使われているメニューを裸眼方式の3Dデジタルフォトフレーム(3Dディスプレイ)で提供すれば、客に料理の中身をより的確に伝えることができるようになる。この3Dデジタルフォトフレームをコンビニの商品棚などに配置すれば、それだけで立派な小型3Dデジタルサイネージに変身する。

このほかにも、医学教育への活用(臓器や手術の様子を3Dでリアルタイム表示するなど)、アミューズメント分野への活用(カラオケ映像を3D化して自分の好きなアーティストとデュエットしている気分にさせるなど)といった具合に、メガネ不要の3Dディスプレイはアイデア次第で大きな可能性を秘めている。

3Dコンテンツの制作環境

最後に、3Dコンテンツの制作環境についても触れておこう。なぜなら、3Dビジネスは3Dディスプレイ(ハードウェア)だけでなく、アプリケーションとコンテンツ(ソフトウェア)も同時に市場が立ち上がっていかないと発展しないからだ。

例えば、図1の製品を提供しているニューサイトジャパンでは、新しい3Dコンテンツを制作しやすくなるように、3D映像制作の全ての機能をもつオーサリングソフト「PPTK2.0」を提供している。また、3Dの各CGソフトからのデータの取り込みと多視差用のレンダリングを可能にするプラグインソフトも用意している。さらに、汎用ソフトウェアを使っての裸眼3Dコンテンツの制作も可能にする予定だ。

一方、従来のメガネ式2視差3Dコンテンツをそのまま8視差裸眼3Dディスプレイで立体表示させる仕組みも提供することで、方式の異なる3Dディスプレイ間でも3Dコンテンツの再使用が可能になる。

取材協力 :株式会社ニューサイトジャパン

掲載日:2010年8月11日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2010年7月7日掲載分

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