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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「ダウンロード違法化」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「ダウンロード違法化」。その内容を詳しくご存知ですか?今まで音楽はタダでダウンロードしていたというアナタ。それはご法度ですよ!

1.「違法配信からのダウンロード違法化」とは?

「違法配信からのダウンロード違法化」(以下、一般的な「ダウンロード違法化」という呼び名を使用する。)とは、権利者に無断でアップロードされた音楽や映画などの映像を自分の手元にダウンロードすることが違法になるというもの。これまではアップロードした人だけが違法で、ダウンロードした人は違法にはならなかったが、これからはダウンロードした人も違法(権利侵害)になるというように、著作権法が改正されたのだ。

もう少し詳しく説明すると、著作権(著作隣接権を含む。以下同じ。)を侵害した違法の配信サイトであることを知りながら、権利者に無断で音楽や映像をダウンロードすることは、たとえ個人的に楽しむ目的だとしても、違法(権利侵害)になる。これまでの著作権法(第30条)では、私的使用目的のダウンロードは権利者への許諾が不要で、違法配信からのダウンロードを禁止する規定がなかったことから、今回の著作権法改正の中にダウンロード違法化に関する規定が盛り込まれ、今年1月1日から施行された。つまり、違法な著作物などの流通抑止のための措置として、私的使用目的の複製にかかわる権利制限規定の範囲の見直しが行われた結果、これからはアップロードだけでなく、場合によってはダウンロードも違法になる。

どのような場合に違法となるのか 〜逮捕されることもある?〜

違法(権利侵害)となるのは、違法配信と知って行う場合などに限定され、罰則はなく、逮捕されることもない。しかし、罰則がないといっても、違法なダウンロード行為を繰り返していたり、それを誇示していたりするような悪質な場合は、著作権をもつ人が権利侵害として民事訴訟を起こすことができるようになる。

コラム:「ダウンロード違法化」の対象は音楽だけ?
 今回の改正著作権法のダウンロード違法化を規定しているのは第30条の条文だが、これを見ると、「デジタル方式の録音または録画を〜」と表現されている。したがって、ダウンロード違法化の対象になる著作物などは、音楽や映画、TVドラマなどで、文書や写真(静止画)、ソフトウェアプログラムなどは含まれないということになる。

2.「ダウンロード違法化」の必要性

ダウンロード違法化に関する具体的な議論は、文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会において、平成18年4月から開始され、エンドユーザを代表した委員からの意見や一般へのパブリックコメント(平成19年10月)の結果も尊重しながら慎重に進められてきた。こうした動きの背景には、違法なインターネット配信からの音楽・映像の複製行為(ダウンロード)の深刻な現状がある(図1)。

図1 違法なインターネット配信からの音楽・映像のダウンロードの現状
図1 違法なインターネット配信からの音楽・映像のダウンロードの現状

文化庁長官官房著作権課 資料参照

日本レコード協会が平成20年12月にまとめた「違法な携帯電話向け音楽配信に関するユーザ利用実態調査」によれば、平成20年の違法サイトからの総ダウンロード数は4億曲以上と推計されており、著作権を侵害して配信する違法サイトからのダウンロード数が、合法的に配信しているサイトからのダウンロード数を超えてしまっている。

一方、WinnyやShareなどのファイル交換ソフトを用いて、著作権で保護されている音楽や映像のファイルを、権利者に無断で他人がアクセスできるような状態にした場合も著作権侵害となるが、こうした違法ファイル共有による違法音楽ファイルの推定ダウンロード数(2007年)は約5億曲以上で、この場合も正規のパソコン向け音楽配信ダウンロード数をはるかに超えてしまっている。この結果、音楽や映像をつくる人たちが本来得るべき収益が断ち切られ、正規のコンテンツビジネスが阻害されているのである。

こうした現状に対し、これまで権利者団体を中心に違法配信への対策(違法な音楽ファイルの削除要請、悪質行為者に対する法的措置、啓発・教育活動など)が精力的に行われてきたが、インターネットではアップロードを行う者を特定することが技術的に困難な場合が多く、これほど違法流通の規模が大きくなってきた今、配信側への対処だけでは限界が出てきたため、著作権法の改正に至ったというわけだ。

なお、海外では、すでに同様の法改正や司法判断が行われており、例えばドイツ(2003年)、フランス(2006年)、スペイン(2006年)、フィンランド(2005年)、スウェーデン(2005年)では法改正でダウンロード行為も違法とされている。また、イギリスではそもそも私的使用目的の複製一般を認めておらず、従来から違法だ。アメリカでも私的使用のためにファイル交換ソフトを利用して著作物などをダウンロードすることは違法であるとの判例が出されており、日本もこうした諸外国の動きに追従する形となっている。

世界の音楽ソフト市場の中でアメリカに次いで2番目に高い売上金額を占める日本の立場(図2参照)を考えると、ダウンロード違法化の持つ意義は深く、その影響も大きい。

図2 世界の音楽ソフト市場
図2 世界の音楽ソフト市場

資料提供:日本レコード協会

3.「ダウンロード違法化」で気をつけるべきこと

今回の著作権法第30条の改正による「ダウンロード違法化」は、一般のインターネット利用者にも大きく関わる内容であり、この法改正に便乗した不正請求(違法ダウンロードを理由とした損害賠償などの名目で、支払い請求がいきなり送りつけられる場合などの架空請求や振り込め詐欺など)が発生する懸念もあることから、ダウンロード違法化に関する広報・啓発活動を積極的に展開していく必要がある。

そこで、文化庁と関係権利者団体では、合同で連絡協議会を立ち上げ、政府広報と民間でのキャンペーンなどを連携した周知・広報活動を実施している。

連絡協議会構成団体(2009年7月時点)
(社)日本レコード協会(RIAJ)
(社)日本音楽著作権協会(JASRAC)
(社)音楽出版社協会(MPA)
(社)日本映画製作者連盟
(社)日本国際映画著作権協会(JIMCA)
(社)日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権センター(CPRA)
(協)日本脚本家連盟文化庁著作権課
広報活動の例
政府広報オンライン「違法?合法?ダウンロードにご注意〜著作権法改正」
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2824.html
図3 エルマーク
図3 エルマーク

資料提供:日本レコード協会

正規の配信サイトを安心して利用できるようにするため、音楽業界の自主的な取組みとして、正規の配信サイトを示す「エルマーク」の普及にも力を入れている。「エルマーク」は、レコード会社・映像製作会社との契約によって、コンテンツを配信しているパソコン向けサイトや携帯電話向けサイトなど、音楽配信サイトの97%以上に表示されている。

このほか、電気通信事業者協会と日本レコード協会では、深刻化する違法な携帯電話向け音楽配信(いわゆる「着うた」「着うたフル」の違法配信)に対する実効性のある対策を検討するため、携帯電話事業者、音楽権利者等関係者の参加を得て、2009年9月に「違法音楽配信対策協議会」を設立している。協議会では、携帯端末における違法ファイルの利用を制限する技術などを検討している。

今後もインターネットを通じて多くの人たちが、音楽や映像を気軽に楽しめるようにしていくには、健全なコンテンツビジネス市場の形成が欠かせないが、そのためには一般ユーザも著作権に対する意識を高めていくことが大切であり、その重要キーワードの1つが「ダウンロード違法化」なのである。企業によっては情報漏洩防止の観点で、すでに私物のPCに関してもWinny・ShareなどのP2Pファイル交換ソフトのインストールを禁止している場合もあるかもしれない。しかしこれからは、社員が違法行為を行わないようにするため、といった観点でも注意を呼び掛ける必要があるのだろう。

取材協力 :社団法人日本レコード協会

掲載日:2010年2月10日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2010年01月06日掲載分

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