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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「ホワイトボード補正技術」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマ「ホワイトボード補正技術」は、携帯電話などに搭載する画像処理技術。蛍光灯などの写りこみを除去して、消えた文字を復活!会議の記録などをより手軽に読みやすく保存できるようになります。

1.消えた文字を復活!?「ホワイトボード補正技術」とは

ホワイトボード補正技術とは、文字通り、デジタルカメラなどで撮影したホワイトボードの画像を、読みやすく補正する技術である。携帯電話などに搭載されるカメラの高性能化にともなって、ホワイトボードに書いた図や文章をレイアウトそのままに記録するのに、デジタルカメラで撮影しておく、という方も増えているのではないだろうか。こうしたホワイトボード画像の欠点のひとつが、照明の写りこみによる文字や線の消失である。また、読むこと自体に支障はなくとも、写りこみのある画像は見にくく、資料として残すには少々難があるという場合も多かった。しかし今回開発された補正技術によって、蛍光灯などの写りこみを除去して、読みやすい画像に変換することが可能になったのである。

図1 ホワイトボード補正の前後

今回開発されたホワイトボード補正技術。写りこみだけをインテリジェントに除去している。

資料提供:富士通研究所

今回、富士通研究所と富士通研究開発中心有限公司が開発したホワイトボード補正技術は、通常の画像処理が画面全体のコントラスト調整などによるのに対して、文字や図の線を検出し、ホワイトボードの地の部分についてはフラットに補正しつつ、文字は読みやすく太く残すというインテリジェントな処理を行っている。

2.従来技術との違い

ホワイトボード画像の補正技術そのものは、それほど珍しいものではない。しかし、従来の技術ではどうしても文字が細くなり、見にくくなってしまうという課題があった。  なかにはAdobe Photoshopを初めとする画像処理アプリケーションを用いて、自分で修正した経験のある方もいらっしゃるだろう。だが、実際に作業してみると、ホワイトボードを「白」に補正しようとすると、照明の当たっている文字の部分までもが白く飛んでしまって、下の例のように全く可読性のない画像になってしまうこともしばしばである。

図2 典型的な画像補正の例

ホワイトボードの地の部分を完全な白に補正すると、文字が消えてしまう。

これは、撮影したホワイトボード全体が一様に照明されているわけではなく緩やかな明暗のグラデーションを持っているため、写りこみが文字とかぶっている部分のマーカー線よりも周辺のホワイトボード背景のほうが暗くなってしまう、などの現象が原因となっている。この現象をグラフで表現すると次の図のようになる。

図3 文字線が消えてしまう現象

背景色を白にする過程で細線化・消失が発生。

資料提供:富士通研究所

そこで、背景を白に変換するのではなく、文字領域を検出して、文字と背景はほぼそのままに、写りこみだけを除去するのが今回開発された新技術なのだ。

図4 文字線を利用した反射除去

資料提供:富士通研究所

また、反射の除去と同時に、検出した文字線情報を使って文字や図の強調処理も行うことで、より読みやすく見やすい画像出力を実現しているという。

3.デジカメ・ケータイ向けに処理を軽減、高速化

単なるコントラストや明暗の調整と異なり、富士通のホワイトボード補正は、画像内の文字線を全てインテリジェントに検出し、さらにマーカーの太さまでも検出して画像の補正を行う、見た目以上に複雑で高度な処理である。
  10メガピクセル(1000万画素)を超える画素数を備えるようになった今日のデジカメ画像に対して、こうした複雑な処理を実行するのは、PCほど演算リソースが潤沢でないデジカメや携帯電話などのデバイスには荷が重いといえる。そこで、富士通ではこの処理を品質を維持したまま高速化するための工夫も行っている。
 具体的には、画像処理の前段階となる文字線抽出処理を、文字の抽出が可能なかぎり縮小した画像を用いて実行し、マーカー太さの検出と実際の補正処理を高解像度画像で行う工夫がなされている。これにより、デジカメなどの限られたメモリとCPUパワーでも、十分高い処理速度(約200万画素/秒)を得ることが可能であるという。

4.ビジネスにおける活用シーン

ホワイトボードをデジタルカメラで撮影するというアイデア自体は、携帯電話の高画素化が進んできた5年ほど前から広まっており、ビジネスの現場でもしばしば見かける光景だろう。また、ホワイトボード撮影画像の鮮明化というだけであれば、サーバ経由の画像処理サービスや、専用機能を備えたアプリケーションも存在しないわけではない。
 富士通の技術の優れているポイントは、携帯電話やデジカメという記録デバイスの段階で補正処理を完了してしまう点にある。サーバを利用するものは機密保持の観点からはあまり望ましくないし、いちいちPC上で処理を行うのも、決して利便性に優れたものではない。撮影してすぐその場で補正してしまう本技術は、最もセキュアかつ手軽なソリューションだといえるだろう。
 また、一見シンプルなようでいて、文字線とその太さの検出をインテリジェントに行う本技術の出力品質は、上に挙げた画像を見ても明らかだが、極めて良好なものとなっている。デジカメのインテリジェント機能として一番に挙げられるのは顔認識機能だが、今回ご紹介したような「一見地味ながら、実用性の高い」テクノロジーは、ビジネス環境をより便利にするものとして、今後ますます注目を集める分野だといえるのではないだろうか。

取材協力 : 株式会社富士通研究所

掲載日:2010年1月27日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2009年12月16日掲載分

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