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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
ゼロスピンドルってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「ゼロスピンドル」。フラッシュメモリの大容量化が進む中、ハードディスクをフラッシュメモリで置き換えたPCが登場しています。コンピュータから回転部品をすべて取り去ると、軽量化、省電力化など、様々なメリットが生まれてきます。

ゼロスピンドルとは

「ゼロスピンドル」とは、ハードディスクを搭載していないパソコンのことを指す。スピンドル(spindle)を直訳すると「軸」「心棒」といった意味になるが、コンピュータの世界ではハードディスクドライブやDVDドライブ、フロッピーディスクドライブなどの回転構造を持った記憶装置のことを指す。例えば、ノートPCにハードディスクやDVDドライブがいくつ内蔵されているかによって、1台なら1スピンドル、2台なら2スピンドルといったように表現することがある。実際には、1スピンドルといえばハードディスクだけを内蔵したノートPCのこと、2スピンドルといえば、ハードディスクとDVDドライブなどの光学系ドライブを内蔵したノートPCのこと、3スピンドルといえば上記の2スピンドルに加えてフロッピーディスクドライブを内蔵したノートPCのことを指すのが一般的だ。従って、ゼロスピンドルといえば1台も回転構造をもったドライブを内蔵していない、ハードディスクドライブの代わりにシリコンディスク(半導体メモリをディスクとして使用したもの)を搭載したノートPCのことをいう。

●ゼロスピンドルPCが注目される理由

モバイル向けのノートPCでは、デスクトップPCと違って軽量化とバッテリの長寿命化、そして移動時の衝撃・振動に対する耐久性の向上が大きな課題になっているが、ゼロスピンドルはこれらの課題を一気に解決してくれる画期的なソリューションなのだ。
 まず、軽量化についてみてみると、最近はハードディスクドライブの小型化がかなり進んできてはいる。それでも、ゼロスピンドルPCで使われているフラッシュメモリは半導体だけで作られていることから、ハードディスクよりもさらに小型・軽量化しやすい部品であることには間違いない。また、バッテリ寿命についても、ディスクを回転させたり磁気ヘッドを移動させたりしなければならないハードディスクドライブと違い、フラッシュメモリには駆動部分がないことから、消費電力の面で有利であり、それだけバッテリ寿命を長くすることができる。さらに、振動や衝撃でディスクが破損するなどしてデータが失われるという心配が一切ないのである。

実際のゼロスピンドル

ゼロスピンドルを概念だけで説明してもなかなかその魅力は伝わらない。そこで、ここではソニーのモバイルPC「VAIO type U」を例に挙げながら、実際のゼロスピンドルの魅力を紹介することにしよう。VAIO type Uにはゼロスピンドルモデルとハードディスクモデルがあるので、両者を比較してみると表1のようになる。



まず、ディスク容量をみると、2006年7月に最初にリリースされたゼロスピンドルモデルでは16GBのフラッシュメモリが搭載されていたが、本稿執筆時点のWindows Vistaモデルでは32GBに変更されている(図1)。32GBの場合、Windows Vistaとシステムリカバリで使用する領域を差し引くと、ユーザーが使える空き容量は約10GB前後になる。これだけあれば、標準搭載のワンセグチューナーを使って約40.5時間の録画が可能だ。


マイコンピュータの表示はハードディスクモデル
の場合とまったく変わらない

参考までにゼロスピンドルでローカルディスクを表示したときの画面を図2に示す。この画面のローカルディスク(C:)がフラッシュメモリを表すが、表示は「ハードディスクドライブ」となっており、その使い勝手はハードディスクモデルの場合とまったく変わらない。


図3 起動速度の比較

資料提供:ソニー

重量に関しては、1.8インチのハードディスクドライブの小型・軽量化の技術進歩にも目覚しいものがあり、あまり劇的な差とはいえないが、それでもハードディスクモデルより34グラム軽く、500グラムを切っている。
 アプリケーションの起動速度については、フラッシュメモリはハードディスクドライブのように磁気ヘッドを目的の位置に移動させるシーク動作の時間がかからないことから、図3に示すように約3〜6倍ほど高速化されている。例えば、Outlookは約1.5秒で起動できる。


バッテリ寿命については、ゼロスピンドルではディスクを常時回転させたり、磁気ヘッドを頻繁に移動させたりするための電力が不要になることから、標準バッテリ装着時で約3.5時間(ハードディスクモデルよりもプラス30分)、大容量バッテリ装着時で約7.5時間(ハードディスクモデルよりもプラス1時間)を実現している。この結果については、もう少しバッテリ寿命が伸びてもよさそうなものだと感じる読者もいるかも知れない。しかし、現在のモバイルノートPCで電力を最も多く消費する部品は、ハードディスクドライブではなく液晶ディスプレイである。従って、ゼロスピンドルがバッテリ寿命に貢献できる相対比率は限られている。


今後のゼロスピンドルPCはフラッシュメモリ次第


ここまでの説明でお分かりのとおり、ゼロスピンドルPC実現の背景にはフラッシュメモリの技術革新がある。そこで、最後にフラッシュメモリの市場動向にも触れておこう。フラッシュメモリはパソコンのメインメモリに使われているRAMとは異なり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリで、NAND型フラッシュメモリ(大容量化しやすく書込み速度が速い)とNOR型フラッシュメモリ(大容量化は難しいがアクセス速度が速い)に大別できる。ゼロスピンドルで使われているのはNAND型フラッシュメモリのほうで、デジタルカメラや携帯電話にも採用されている。

 従来、フラッシュメモリはハードディスクと比較すると、データの書き換え可能回数が10万回以下で少ないことが欠点の1つとして挙げられていたが、これについてはフラッシュメモリ内の各ブロックに対する書き換え回数を平均化するウェアレベリングという手法を採用することで実用上問題にならないよう改善されている。

 一方、アクセス速度とメモリ容量については2006年から2007年にかけて急速に高速化と大容量化が進んでいて、2007年1月に米サンディスク社が発表した32GBのフラッシュメモリSSD(Solid State Disk)では標準ハードディスクの100倍のアクセス速度を実現している。また、台湾のベンダからは既に1.8インチサイズで64GB、2.5インチサイズで128GBのフラッシュメモリSSDが発表されている。これらの各製品のインタフェースにはUltra ATAやシリアルATAが採用されていて、既存のハードディスクとの交換も容易だ。こうした状況から、フラッシュメモリを採用したゼロスピンドルPCの有用性は今後さらに高まっていくものと予測されている。

取材協力 : ソニー株式会社

掲載日:2009年4月15日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2007年02月21日掲載分

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