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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
c.LINKってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「c.LINK」。同軸ケーブルで250Mbpsを実現、ブロードバンドがまた一歩使いやすくなりました!

c.LINKとは

c.LINKとは、エントロピック・コミュニケーションズ(Entropic Communications)社が開発したホームネットワーク用の超高速同軸ケーブル通信方式のこと。ここで同軸ケーブルとはテレビとアンテナを接続するときやCATVなどで使われているケーブルのことで、白いプラスチックの中心に銅線があり、外側は金属シールドで覆われている。c.LINKを採用したケーブルモデムを導入すると、同軸ケーブルを使ってFTTHを越える最高250Mbpsの高速伝送が可能になる(ちなみにc.LINKは同社の登録商標)。あなたがCATVユーザーなら、この説明だけでもc.LINKのすばらしさをすぐに分かってもらえると思うが、CATVユーザー以外の方々にも分かってもらうために、ここではブロードバンドの話から始めよう。

CATVは「c.LINK」で巻き返し

現在、ブロードバンドの方式としてはADSL、FTTH、CATV、ISDNなどを挙げることができるが、本格的なブロードバンド時代への先陣を切ったのはCATVだった。しかし、CATVの最高速度は20〜30Mbpsでしばらく足踏みしていたことから、その間にADSLが急速に普及してしまい、最新のADSLサービスでは50Mbpsも登場するまでに至っている。また、FTTHも最初から100Mbpsという衝撃的なデビューを飾り、法人向けでは1Gbpsの話題が先行するなど、実に輝かしい発展を続けていて、まもなくその利用率ではADSLを抜き去り、ブロードバンドの世界でトップの座に躍り出るのではないかと言われている。
 こうした状況がしばらく続く中、多くのCATVユーザーは、インターネット接続に関しては他のブロードバンドサービスに切り替えることを真剣に検討しなければならないと切実に思いつめていたところではないだろうか。
 ところが、2005年に入り、CATVユーザーの元に吉報が届けられたのである。それがエントロピック・コミュニケーションズ社の通信チップセットc.LINK-270の量産開始である。このチップセットに搭載されているc.LINK通信方式は、各家庭内に配線済みのテレビ用アンテナ線やCATVケーブル(つまり、同軸ケーブル)をそのまま利用することができるので、新規に配線工事を行うことなく次世代の高速ホームネットワーク環境を簡単に構築できるようになるのだ。
そして、2005年9月には松下電器産業からこの通信チップセットを採用したアクセスネットワーク用c.LINK超高速ケーブルモデム「TZ-CLM110/TZ-CLM100」が発売され、さらにCATV大手ケーブル局からはc.LINKを使った100Mbps接続サービスの提供が発表されている。

c.LINKとFTTHは競合するのか?

ここまでの説明で、c.LINKはFTTHと競合すると感じてしまったかも知れないが、実はc.LINKはFTTHと共存しながら普及していく可能性のほうが高い。例えば図1のように、局側から集合住宅までは既存の光ファイバーを使用し、その先の棟内(オフィスや家庭)では放送信号の分配に利用されている既設の共聴同軸ケーブル上にc.LINK信号を多重して使うというスタイルだ。そして、c.LINKモデムとPCとのインターフェースに1000BASE-Tを使うことで最高130Mbpsの実効速度を実現できる。また、流合雑音(基幹回線にノイズが集中する現象)の影響でインターネット接続サービスを提供できなかった集合住宅に対しても、c.LINKは流合雑音のない周波数を使っていることから安定したインターネット通信環境を提供できる。

図1 c.LINKを集合住宅で導入した場合

資料提供:松下電器産業

c.LINKはなぜ速い?

現在のケーブルモデム規格は30Mbpsまで

CATVで現在使われているケーブルモデムには、従来からDOCSIS(ドクシス:Data Over Cable Service Interface Specifications)という標準の通信規格が採用されてきたが、現在主流のDOCSIS 2.0のは30Mbpsまで。また、100Mbps以上の高速通信を提供できるDOCSIS 3.0も話題にはなっているが、現在、標準化作業の途中であり、残念ながら実用化されていない。こうした規格化の遅れがCATVの通信速度を足踏みさせる原因となっている。

c.LINKは「50MHz」という広帯域でスピードアップ

これに対し、c.LINKはDOCSISよりも一足先に実測でも100Mbpsを超えることができる通信規格として登場した。c.LINKは770MHzから1032MHzの間(日本国内の場合)で50MHzという広帯域を利用することで高速化を実現している(図2)。現在のDOCSISの帯域は6MHzなので、8倍以上も広帯域を確保している。さらに、少し専門的な話になるが、c.LINKでは1回の変調で128値(7ビット)をマッピングできることでも高速化を図っている(脚注1参照)。

脚注1: c.LINKは同軸ケーブル上で770MHzから1032MHzの間の50MHz帯域を使用して128QAM(Quadrature Amplitude Modulation)という直交振幅変調(デジタル変調方式の1つ)を行うことで超高速を実現。一方、従来のDOCSISは64QAM。ここで64QAMとは1回の変調で64値(6ビット)をマッピングする方式で、6MHzをフルに使用しても30Mbps程度までしか実現できない。

図2 c.LINKの使用周波数

資料提供:松下電器産業

表1 c.LINKモデムの仕様概要
通信周波数範囲 825 〜975MHz
占有帯域幅 50MHz
物理層速度 250Mbps
ネットワーク層実効速度 約130Mbps
モデム間データリンク層 暗号化通信
Ether IF 1000BASE-T

(資料提供:松下電器産業)

高速化だけでなく管理システムも完備

c.LINKは高速化だけではない。例えば、松下電器産業のc.LINKモデムでは「c.LINKモデム管理システム」が提供されていて、海賊版ケーブルモデムを排除したり、不正アクセス追跡用にログ記録を取ったりすることが可能だ。つまり、運用・セキュリティ面でも安心してc.LINKを採用できる環境が整っている(図3)。

図3 c.LINK管理システム画面

資料提供:松下電器産業

将来的な利用イメージ

c.LINKの具体的な利用イメージとしては、病院、学校、ホテルなどを挙げることができる。例えば、病室にはテレビが配置されているケースが多く、この場合にはすでに同軸ケーブルが使える環境が揃っているので、病室でインターネットゲームやVOD(Video On Demand)を楽しんだり、電子カルテの配信にも利用したりできる。学校でも教室のテレビにネットワーク経由でデジタル画像を流すのにc.LINKが使えるし、ホテルでもこれまでVDSLで構築していたIPネットワークによるVODをc.LINKに切り替えることで、距離と速度低下の問題を解決できる。
 さらには、c.LINKなら既設のテレビ端子を使えるのでデジタルAV機器なども超高速インターネットに接続できるようになり、インターネット+AV機器のアプリケーション普及も期待されている。なお、すでにc.LINKでのホームネットワークの規格化を推進する団体としてMultimedia over Coax Alliance(MoCA)が米国で設立されている。

取材協力 :松下電器産業株式会社

掲載日:2009年4月15日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2007年12月19日掲載分

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