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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「東京スカイツリー」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「東京スカイツリー」。デジタル放送開始のおかげで、東京に世界一高いタワーが出現する?!

1.東京スカイツリーとは?

東京スカイツリーとは、完成すると約610mもの高さになる現在建設中の電波塔のこと。建設場所は東京都墨田区押上一丁目。東武伊勢崎線の押上駅と業平橋駅の間にある東武鉄道の本社隣接地(同社の所有地:約3万6900平方メートル)で、これまで貨物ヤード、業平橋駅の地上ホーム、東京メトロ半蔵門線直通工事のときの資材置き場などに利用されてきたところだ。この付近は東武伊勢崎線、京成押上線、東京メトロ半蔵門線、都営浅草線の鉄道4線が交わる交通結節点に位置し、成田空港と羽田空港を結ぶ路線上でもある。東京スカイツリーの事業主体は東武鉄道が出資する東武タワースカイツリー株式会社で、東京タワー同様、民間企業によるプロジェクトであり、公共事業ではない。施工は大林組で、2008年7月に着工し、2011年12月に竣工、開業は2012年春の予定だ。本稿執筆時点(2008年12月)で、東京スカイツリーから送信されるテレビ局で決まっているところは、NHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ、TOKYO MXの各局である。

図1 東京スカイツリー

タワー最上部のデジタル放送用アンテナはタワーの構造体がほぼ完成した後、シャープペンシルの芯を後ろから入れる要領で、下から上に持ち上げていく。

(資料提供:東武タワースカイツリー)

図2 連続地中壁杭

(資料提供:東武タワースカイツリー)

東京スカイツリーは図1に示すように展望施設(第1展望台の高さ350m、第2展望台の高さ450m)と放送施設(第2展望台の上にデジタル放送用アンテナなどが取り付けられる)から構成されている。東京スカイツリーは空に向かって伸びる大きな木をイメージしながら設計されており、タワーの足元は三角形だが、頂部に向かうに従って円形へと変化していく。
 610mという圧倒的な高さを耳にすると、どうしてもその耐震性が気になってしまうが、東京スカイツリー建設地の地中130mまでボーリング調査した結果、約73万年前から堆積したとされる地中65mの深さまでは地層のずれがなかったことがわかり、建設地の直下では断層活動がないことが確認されている。
 また、タワーの3本の足元には図2に示すような厚さ約1.2mの連続地中壁杭が深さ約50mのところまで配置されている。これは節付鉄骨鉄筋コンクリートの巨大な壁であり、杭基礎全体で堅固な地盤よりも浅い部分の表層地盤による地震の増幅を抑えることができる。さらにこの杭基礎は、大地震や暴風時に受ける力を堅固な地盤に伝えるという重要な役目も果たしている。

コラム:世界一高いタワーはどこ?
 本稿執筆時点(2008年12月)で現存する世界一高い自立式電波塔はカナダのCNタワーで553mであることから、東京スカイツリーはこれを抜いて世界一になる。ただし、現在建設中または計画中の高層建築物を確認すると、たとえば、米国シカゴの「シカゴ・スパイア」(アンテナまでの高さ609.6m)、同じく米国ニューヨークの「フリーダムタワー」(541m、当初計画は610mだった)、UAEドバイの「ブルジュ・ドバイ」(818m)、ロシア・モスクワのロシアタワー(612m)、中国・広州の広州テレビ観光タワー(610m)などがある。また、サウジアラビア、UAE、クウェートには1000mを超える超高層ビルの建設計画もあるので、世界一の座は当分変わり続けていく気配である。

2.東京スカイツリー建設がスタートした背景

実は、東武鉄道では、最初からこのような世界トップクラスの電波塔建設を計画していたわけではなかった。1993年3月に業平橋駅の貨物扱いが廃止になり、その跡地利用についてはいろいろな検討を行っていた。
 一方、在京テレビ放送事業者6社(NHK・民放キー局)は2003年12月、600m級の新タワーを求めて「在京6社新タワー推進プロジェクト」を発足させた。これは、現在電波の送信に利用している東京タワー(東京都港区、333m)に代わる600m級の新タワー構想を推進するプロジェクトである。発足の大きな理由としては、現在、関東地域の地上デジタル放送は、東京タワーに新設したデジタル放送用アンテナを使って送信されているが、東京タワーのデジタル放送用アンテナは地上250mにある特別展望台のちょうど上の部分に設置されていて(東京タワー最上部はアナログ放送用アンテナが設置されている)、従来のアナログ放送と同じ放送区域(視聴地域)はカバーできるものの、将来普及が見込まれる携帯テレビなどのモバイル端末では都心部に林立する200m級の超高層ビルの影響を受けやすいことが挙げられる。
 デジタル放送の場合の放送区域とは、地上10mの高さでの電界強度が60dB以上を維持できる区域のことで、標準の受信設備で放送を良好に受信できる強・中電界地域のことを指す。従って、デジタル放送でもこのような良好な受信環境を確保するには、さらに高い600m級の送信施設が必要になってきたのである。
 「在京6社新タワー推進プロジェクト」の発足後、およそ15の自治体などから新タワー建設の立候補および誘致の声が挙がり、墨田区でも2004年10月、「押上・業平橋駅周辺地区まちづくり協議会」が設立され、2004年12月、墨田区などの地元関係者が東武鉄道に対し、新タワー誘致の協力要請を行ったのである。これに対し、東武鉄道では新タワー事業に取組むことを決定し、放送事業者および墨田区にその旨表明した結果、2006年3月、 新タワー建設地として最終決定された。ただし、在京テレビ放送事業者6社側は、これまでの東京タワーと同じように、東京スカイツリーの建設や経営には直接関わることなく、その放送施設(電波塔)に対して使用料を支払う形態を取る。
 東京スカイツリーに移行すると、地上デジタル放送の送信高は現在の約2倍となるので、年々増加する超高層ビルの影響が低減できるとともに、2006年4月に開始された携帯端末向けのデジタル放送サービス「ワンセグ」のエリア拡大も期待できる。なお、東京タワーから東京スカイツリーに送信場所が移動することで、厳密にいえば、デジタル放送を受信するのに必要なUHF帯のアンテナの向きを再調整しなければならなくなるが、実際には東京タワーと東京スカイツリーとは約7kmしか離れていないことから、関東の放送区域全体からすると、再調整が必要になる地域はそれほど広範囲にはならないと予測されている。

3.東京スカイツリーのある街

東京スカイツリーは、デジタル放送のための送信施設という役割を担うだけではない。たとえば、この建設場所である押上は、浅草や錦糸町、両国などの広域集客拠点に隣接しており、交通利便性にも恵まれていることから、世界一の観光タワーを中核とした大規模複合開発を目指している。また、このエリアは関東大震災と東京大空襲を経験していることから防災意識が強く、東京スカイツリーが万全の耐震、耐風、耐火性能を備えることにより、平常時はもちろん、災害時にも東京スカイツリーの持つ情報インフラとしての社会的意義を発揮することが期待されている。
 具体的には、東京スカイツリーの足元になる押上駅と業平橋駅をつなぐ東西長さ400mの部分に「タワーのある街」を誕生させる計画になっている。この施設の4階レベルは押上駅前から東京スカイツリーのロビーへと続く交流広場になる。「タワーのある街」は、商業、エンターテイメント、文化、オフィス施設、そして防災機能を備えることになっていて、地元とも密接に連携した街づくりが図られていくという。

取材協力 :東武タワースカイツリー株式会社

掲載日:2009年4月 8日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2009年1月7日掲載分

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