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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「サイマルラジオ」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「サイマルラジオ」。限られた地域でしか聴くことができなかったコミュニティFM局を世界のどこからでも自由に聴くことができます!!

サイマルラジオとは?

図1 サイマルラジオのホームページ

資料提供:CSRA

サイマルラジオ(SimulRadio)とは、地域密着型のFMラジオ局である「コミュニティFM」放送をインターネットで配信しているWebサイトのこと。もう少し広い意味で定義すると、1つの放送局が2つ以上の異なる媒体を使って全く同じ内容の番組を同時に放送することだ。サイマルラジオでは、電波を使ったコミュニティFMの放送をインターネットでも同時配信することから、英語の同時という意味のSimultaneousを略してSimul(サイマル)という名前が付けられた。
 サイマルラジオを運営しているのはCommunity SimulRadio Alliance(CSRA)で、木村太郎氏(湘南ビーチFM)が代表を務めている。2008年6月2日に発足し、2008年12月1日現在、22局のコミュニティFM局が参加している。
 それでは、早速サイマルラジオを聴いてみよう。まずhttp://www.simulradio.jp/にアクセスする。すると、サイマルラジオのホームページが表示される(図1)。
 たとえば、埼玉の鴻巣市付近の地域情報を知りたければ「埼玉」の「フラワーラジオ」を選択し、「放送を聞く」ボタンをクリックすればいい(図2)。すると、自動的にWindows Media Playerが起動され、フラワーラジオの放送時間内なら現在放送中の番組を聴くことができる(図3)。


図2 聴きたいコミュニティFM局を選択 図3 放送はWindows Media Playerで聴く

資料提供:CSRA

資料提供:CSRA


図4 地元の中学生も番組作りに参加

資料提供:フラワーラジオ

ここで、コミュニティFM局についても簡単に説明しておこう。コミュニティFM局とは市区町村内の地域に密着した情報を、その地域の人たちにタイムリーに届けるためのFM局のことで、平成4年に制度化された。つまり、コミュニティFM局は、地域の特色を生かした番組、地域の人たちが参加する番組(図4)、災害情報など緊急を要する地域情報を提供することにより、豊かで安全な町作りに貢献できる放送局といえる。放送周波数帯として76.0MHz〜90.0MHzを使用しているので、通常のFMラジオで聴くことができる。本稿執筆時点、全国で233局が開局している。
 当初の規定では市区町村単位で1局しか認められず、送信出力も最大1Wまでしか許可されなかったが、阪神・淡路大震災を経験した後、非常時における地域の情報伝達手段の確保という観点から制度が見直された。その結果、同じ市区町村単位でも複数の開局が認められるようになり、また送信出力も最大20Wまで許可されるようになった。ただし、コミュニティFM局を開局するには放送事業者として電波法による無線局免許が必要で、第2級陸上無線技術士以上の資格保持者が従事しなければならない。もちろんだが、すでに開局しているFM局と混信する場合には、申請しても開局は認められないことから、FM周波数帯がすでに過密状態にある大都市圏では新規に開局するのはなかなか大変だ。


サイマルラジオが誕生した背景

図5 コミュニティFM局の送信アンテナ

コミュニティFM局の送信アンテナ

自動車で受信しやすいように垂直偏波で送信(資料提供:フラワーラジオ)

コミュニティFM局では、その送信出力が小さい(たとえば、東京都を放送対象地域とする東京FMは10kw、アンテナは東京タワーを使い204m高なのに対し、鴻巣市を放送対象地域とするフラワーラジオは10w、アンテナは32m高(図5)しかない)ことから、たとえその市区町村内であっても地形や障害物などの影響を受けやすく、どうしても受信できない不感地帯を抱えている。また、平成の大合併(市町村合併)により放送対象地域が拡大して不感地帯がさらに広がってしまったところも少なくない。そこで、こうした問題を解消するためにインターネットを「電波放送の補完手段」として活用できないかという動きが出てきたのである。
 インターネットを利用して番組を配信することに関して技術的な問題はほとんどなかったが、1つクリアすべき大きな課題があった。音楽著作物の使用料に関して、JASRACなどの主要権利者団体と、従来の電波による放送とは異なる取り決めを行う必要があったのである。
 この音楽著作物の使用料に関しては、2003年からCSRAがコミュニティFMの利用者代表として交渉にあたり、その結果2008年にようやくルールが決まった。そして、その決定をうけてサイマルラジオのスタートとなったのである。

今後の展開

最近は、部屋にパソコンはあってもラジオは持っていないという中学生や高校生が多いという。インターネットを使って番組配信を行うことで、そういったラジオを持たないリスナーを獲得できる可能性がある。また、WILLCOM 03やBlackBerry Boldなどの情報携帯端末(PDAやスマートフォン)が話題を集めているが、これらの端末が普及することでサイマルラジオのリスナーが増える可能性もある。
 一方、サイマルラジオは出演者や広告クライアントにとっても便利なシステムだ。たとえば、コミュニティFMから出演依頼がきたとき、その地元に行かないと番組を聴けないとなると、事前に番組をチェックすることができないが、サイマルラジオがあれば、どこからでも番組の様子を確認できる。広告クライアントや広告代理店にとっても、どのコミュニティFMのどの番組枠にどんなCMを出すべきか、離れたところから自分の耳でじかに確認できるようになる。
 なお、コミュニティFM局がサイマルラジオに参加したい場合には、CSRAに問い合わせすれば、著作権に関する各権利団体との契約窓口になってくれる。また、ネット配信を実現するための設備については自前でストリーミング配信のシステム構築をしてサイマルラジオのホームページにリンクを貼るという形でもまったく構わないが、インターネット配信に精通した技術スタッフを確保できない場合には、フリービット株式会社が提供する「デジタル放送パッケージfor SimulRadio」を利用することも可能だ。このパッケージはCSRAにて正式推奨環境に選定されている。
 ともあれ、日本全国のローカル色豊かなコミュニティFMを、あれこれチャンネル(?)を変えながら自宅で聞くことは結構楽しい。自分の故郷や旅行先で聞いたコミュニティFMを自宅で聞く人も増えているらしいので、まずはサイマルラジオにアクセスして気になる市区町村のラジオ放送を聞いてみてほしい。

取材協力 : Community SimulRadio Alliance(サイマルラジオ)、株式会社フラワーコミュニティ放送

掲載日:2009年4月 8日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2008年12月03日掲載分

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