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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「emo」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマ「emo(エモ)」は、ユーザの文章から感情や性格を分析してキャラクター化するブログパーツ。その向こう側に見えるのはウェブ時代の新しいマーケティング手法です!

ブログを書くと自分がわかる!?

図1 emo[エモ] のサイトトップ

株式会社クロスワープが企画・開発したemo(エモ)は、ブログの文章をもとに書き手の性格判断を提供するブログパーツである。ブログパーツとは、ブログに貼り付ける小さなアプリケーションで、天気予報やニュース、株価を表示するものから、時計やカレンダー、ゲームまで多様なパーツが、数多くのサイトで提供されている。
 emoはブログに書かれた言葉を分析して、その結果をキャラクター化してさまざまな顔・キャッチコピー・性格で表現する。何気なくブログに書いた言葉から、性格や自分では気づかなかった口ぐせを知ることができ、ブログの更新にともなってemoも変化してゆく、ユーザの分身的なブログパーツなのだ。
 2007年12月17日のサービススタート以来、emoは順調に利用者数を増やし、2008年10月現在でユーザ数1万5000人、のべ1億PVを達成している。昨年話題となったUNIQLOのキャンペーンで配布されたブログパーツ「ユニクロック」がスタートから3ヵ月で3000万PVだったそうだから、大規模キャンペーンではなく、クチコミで広まったブログパーツとして、emoは大成功しているといってよいだろう。

emoが目指したこと

emoの開発のきっかけは「とにかく面白いブログパーツを作ろう」というクロスワープ社長の言葉。そこでブログユーザが長くブログに貼り続け、楽しんでくれるパーツとするために開発チームが掲げたのが次の4つのコンセプトである。

  • ユニークである
  • 日々変化する
  • 自然に成長
  • ユーザの分身

図2 ブログに貼られたemo

ユニークで変化があり、自然に成長する、というところまでは、古くはポストペットに遡ることのできるペット系のアプリ、ゲームと同じであり、いまでもブログペットという形で幅広く普及しているが、そこにユーザの分身という概念をプラスした点が、emoの特色だといえるだろう。
 「自分の分身だったら、ユーザもブログからはがし難いはず、という読みもありました(emo運営スタッフ)」との言葉にも納得だが、性格分析や占い、検定などのウェブサービスが人気である背景として、自分はどんな人間なのかを客観的に分析してもらいたいという誰もが持つ欲求がある。ブログに書く内容にともなってemoのキャラクターは日々変化してゆくので、自分の最近の傾向を判断する材料にもなる。


emoの機能

ブログにアップされた文章を形態素解析などを用いて分析し、結果をさまざまな顔・キャッチコピー・性格タイプで表すというのが、emoの基本機能。ブログに貼られたemoの顔をクリックすると、感情、性格の分析レポート「ココロ分析」のページにジャンプする。
 この分析レポートは、いわゆる性格判断にあたる「ココロレポート」、ブログの文章によく出てくる言葉のランキング「口ぐせランキング」、形態素解析の結果から愛情度や冒険度を測る「ココロの成分」、更新頻度や内容から内向性や思考性などを4つの指標で表す「ココロの傾向」、の4つのフィールドで構成され、分析結果を元に「カレーが好きなワクワクコメディアン」などのキャッチコピーが表示される。
 また、「ココロ分析」のほかにブログの持ち主だけが見ることのできる「みられ分析」のページもあり、ここではフリーのツールにしては詳細なアクセス解析が用意されている。
 「みられ分析」では、ブログパーツであるemoの表示回数やユニークユーザ数、emoユーザの中でのアクセスランキングなどの基本情報のほかに、自分のブログを経由して新たにemoに登録したブログを「コドモ」、さらにコドモのブログから登録したブログを「マゴ」とする一種の家系図のようなツリーを見ることができる。
 実は、この親、子、孫という概念で、ブログパーツの広がりをあらわすツリー構造を可視化するというのが、emoの大きなポイントの1つ。もともとウェブマーケティングの効果測定が本来の事業であるクロスワープが、なぜemoを運営しているのか、という疑問を解く鍵になる部分なのである。

図3 ココロ分析                       図4 みられ分析

ココロ分析 みられ分析


ウェブのクチコミを可視化する

図5 バイラル効果を狙ったブログパーツ

株式会社ゲームポットが提供するオンラインゲームのブログパーツ

総務省の調査によれば、現在日本のインターネットには1700万のブログがあり、そのうちで更新が続いている「生きた」ブログが300万サイト存在するという。こうしたブログの話題は多岐に渡るが、ブログユーザが日々購入するさまざまな商品についての感想や詳細なレビューといった生の声がリアルタイムでインターネットに公開されている。こうしたブログは、利害関係のない個人の感想だけに、広告を収入源の1つとするマスメディア以上の信頼をネットユーザから得ているといえるだろう。
 こうしたインターネットのクチコミが、消費者の購買行動に大きな影響を与えるようになってきた現在、マーケティングにおいてもユーザの参加やクチコミをターゲットとした手法が現れてきている。動画やブログパーツなどの話題になりやすくクチコミで伝播しやすいコンテンツを媒体として、ローコストかつ効果的に情報を広めるこうした手法を、「ウイルス性」「感染的な」という意味のviralという単語を用いて「バイラルマーケティング(Viral Marketing)」と呼ぶのだが、その効果測定の方法の1つが、まさにemoに実装された情報の伝播を親子関係のつながりとして可視化するサービスなのである。
 emoユーザにとっては、自分のブログからemoが伝播する様子を見る楽しみであるこの機能だが、emoというキャンペーンを運営する立場から見ると、emoがどのように広まっていったのか、そのキーとなったのはどのブログなのか、などを総合的に明らかにできる機能となっているのだ。

emo自体が、バイラルマーケティングの仕組みを利用してネットに広まり、かつバイラルな伝播の様子を見せる機能自体が組み込まれている点で、emoは二重に興味深いコンテンツだと言えるだろう。

わたしたちの購買行動もウェブ以前と現在では大きく変化し、受動的に広告や雑誌のレビューを受け取るのではなく、積極的に調査、比較して製品選びを行う時代となった。それでは広告宣伝が意味を失ったかといえば、そうではない。むしろクチコミのなかで大きな影響力を持つ人物や場所を見つけ出し、製品の良さを正確に知ってもらって、その良さを広く伝えてもらうことがより一層重要になってきている。
 emoというブログパーツの向こう側に見えてくるのは、多様化するウェブマーケティングの世界で、ユーザの主体的な行動をいかに促すかを目的に、進化を続けるバイラルマーケティング情報技術の姿なのだ。

取材協力 : 株式会社クロスワープ

掲載日:2009年4月 8日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2008年11月19日掲載分

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