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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「可視光通信」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「可視光通信」。照明器具、信号機、ネオンサインなど、身近なところにあるあらゆる光源が、元の機能はそのままに、なんと通信装置に変身。赤外線や電波と違い、人体にも無害な通信手段として注目を集めています!

可視光通信とは

図1 可視光の波長領域
図1 可視光の波長領域

Bフレッツなどの光ファイバを使ったブロードバンド回線の普及で、光を使った通信技術は身近な存在になりつつあるが、これらFTTHで使われている光通信は有線通信である。一方、今回紹介する可視光通信とは、人の目に見える光を使って無線通信を行う技術のことだ。ここで、可視光を具体的な波長で表すと380nm(ナノメートル)〜780nmとなり、この波長よりも短くなると紫外線、反対に長くなると赤外線、さらに長くなると携帯電話やテレビ、ラジオなどで使われている電波となる(図1)。

可視光通信では、自宅やオフィスの中にある照明、屋外施設や道路上にある照明、交通信号機、広告用の電光掲示板やネオンサイン、PCや携帯電話のディスプレイなどを送信源として利用することができる。最近、これらの装置にはLED(Light Emitting Diode)という可視光素子が使われるようになってきているが、このLEDには「高速に点滅できる」という特性がある。この特性を使って、人の目には分からないほどの高速でLEDを点滅させることでデータ通信を実現しようというのが可視光通信だ。可視光を受け取る側のシステムとしても、既に広く普及しているデジタルカメラなどを利用できる。


可視光通信の研究が本格的に立ち上がってきたのは2003年ごろからで、慶應義塾大学理工学部情報工学科の中川正雄教授が中心となって結成した「可視光通信コンソーシアム」において、世界トップクラスの研究が進められている。


【可視光通信のメリット】

可視光通信では、以下のようなメリットを挙げることができる。

可視光は人間にとって安全な波長領域なので、電波や赤外線と違って高い電力のまま送信できる
病院の医療機器や心臓ペースメーカー、精密機器などに悪影響を与えることがない
照明は至るところに設置されていることから、これらの機器に通信機能を付加するだけで簡単に無線通信環境を構築できる
無線通信を実現する上で、電波法の制約を受けない

以上のようなことから、ユビキタスで超高速、そして人体や電子機器にも影響しない、新しい通信手段として、可視光通信は期待され始めている。

可視光通信の仕組み

可視光を使ってデータ通信を行う方法は、基本的には電波を使う場合と同じである。可視光という搬送波(キャリア)に、通信したい情報(ベースバンド信号)を載せて送信し、受信側は変調波から情報を取り出すという仕組みだ。搬送波に情報を載せることを「変調」、変調波から情報を取り出すことを「復調」という。電波の場合には、振幅、周波数、位相のいずれかを使っての変調が可能だ。ところが、光の場合には、その周波数が電波よりもはるかに高いことから、周波数と位相に変調をかけることは技術的に困難であるため、光通信では振幅変調が使われている。光の振幅を変えるということは、光の強さを変化させることになるので「強度変調」とも呼ばれている。

具体的には、可視光通信では、ベースバンド信号よりも高い周波数のサブキャリア信号で光を振幅変調してから、そのサブキャリア信号をさらに変調するという方式が採用されている。また、照明器具を可視光通信の光源として利用する場合、変調方式には照明としての明るさを常に一定に保つことが求められる。もし一定に保つことができなければ、いわゆるチラツキが発生して照明器具としては使えなくなるからである。従って、実際には単純な振幅変調ではなく、パルスの位置で振幅を表現するパルス位置変調(PPM)という変調方式が使われている。

また、可視光通信におけるデータの最大転送速度は、光の強さを変化させるLEDなどの発光デバイスと、受け取った光を電気信号に戻すフォトダイオードなどの受光デバイスの最大動作速度で決まってくる。LEDの場合、白熱電球の100万倍以上の応答速度(LEDに電流を流し始めてから発光するまでの時間と、電流を遮断してから消光するまでの時間)があること、そして半導体であることから点滅による劣化がほとんどないことから、可視光通信に最適なデバイスとして期待されていて、100Mbpsの高速通信も可能だといわれている。

利用イメージ

図2 可視光通信技術を用いた位置認識システム概要
図2 可視光通信技術を用いた位置認識システム概要

資料提供:村田機械、日本電気

可視光通信システムは、無線LANや精密機器が発する電波や金属の影響を受けないことから、倉庫や配送センターの既存通信環境や天井の高さ(通信距離)を考慮せずに簡単に導入することができる。今回の位置認識システムでは、誤差わずか数cmという高い精度で位置情報を得ることに成功し、広い作業空間の中で作業者や対象品の位置をピンポイントに特定しながら、効率的なピッキングルートを導くことができた。

このほか、店舗内に設置されているベース照明と各商品を照射するスポット照明を使って来客者に店舗情報や商品情報を提供するサービスを行ったり、店舗内の買い物客に探し求めている商品位置を提供したりするシステムが検討されている。

さらにITS(高度道路交通システム)に応用すれば、例えば赤信号で停車したとき「赤」の時間があと何秒続くか、信号機のLEDから可視光通信で情報を入手してアイドリングストップするかどうかを判断したり、自動車のブレーキLEDランプを使って、後方車両に道路渋滞情報をリレーしたり、ブレーキ情報を提供したりすることも可能になる。

このように、可視光通信は、日本発の高速、安全、ユビキタスな通信システムとして実用化への道を着実に歩み始めている。

取材協力 :日本電気株式会社

掲載日:2009年4月 8日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2006年11月15日掲載分

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