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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「Gizmoプロジェクト」ってなんだ!?

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「Gizmoプロジェクト」。国際標準のSIPプロトコルを採用した通話料無料のインターネット電話は、ライバルのSkypeより拡張性に優れ、ビジネスとの親和性も抜群です!

Gizmoプロジェクトとは

Gizmo(ギズモ)プロジェクト(以下「Gizmo」と表記)は、もともと米国SIPphone社が2003年にスタートしたインターネット電話サービス。2005年にベンチャーキャピタルからの投資を得てから「Gizmoプロジェクト」の名称でサービスを拡大し、インターネット電話同士のみならず、固定電話や携帯電話との無料通話(Gizmoからの発信のみ、通話時間制限あり)の60ヵ国以上での提供、Yahoo! MessengerおよびAIM(AOLが提供するIM)、Windows Live Messenger、Google TalkやJabberなどのIMとの音声接続など、多彩なサービスを提供してシェアを伸ばしている。  Gizmoは、公式サイトよりダウンロードしてインストールすれば、誰でもすぐに利用することができる。

■ Skypeとの違いは?

先行する無料のインターネット電話サービスとして、専用のハードウェアまで発売され、日本でも知名度が高く利用者の多いSkypeがあるが、同じ無料インターネット電話のGizmoにはどういった違いがあるのだろうか。

センター型だから、セキュリティの心配なし

原則的にP2P(ピア・ツー・ピア)のネットワークで動作するSkypeの場合、通話を行っていないときにも、他のSkypeノード間の通話の中継等の処理を常に行っているため、CPUパワーを消費してしまう。また、ファイアウォールを越えて無関係なパケットの出入りを許してしまうため、セキュリティ上問題があると考える向きもある。Skypeの通信は暗号化されているので盗聴されるリスクは高いとはいえないが、実際にはセキュリティ面での懸念のためにSkypeの使用を禁止する企業も少なくない。
 一方、Gizmoはセンター型で、他のGizmoユーザの通話を中継することはないため、企業での導入においても上記のような心配はない。

国際標準のSIPプロトコルを採用

Gizmoの通話は、セッション制御プロトコルとして、インターネットの標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)が標準化を進めているSIP(Session Initialization Protocol)を用いている。SIPはセッションの開始、変更、終了のみを行うテキストベースのメッセージフォーマットであるため、音声通話以外のさまざまなデータ通信を、特別な仕様拡張なしで行うことができる。さらに、SIPを用いた無料インターネット電話サービスはGizmoの他にも存在するが、そうした別のプロバイダのSIP電話とも、シームレスに通話することが可能なのだ。

Asteriskとも相互接続

図1 Gizmoのログイン画面

他のVoIPサービスにもここからログインできる

他のVoIPサービスにもここからログインできる(資料提供:Gizmoプロジェクト)

本連載でも取り上げたオープンソースのAsteriskはPBX(Private Branch eXchange:構内電話交換機)用ソフトウェアだが、AsteriskもSIPを通信プロトコルに採用しているので、当然のことながらGizmoクライアントはこのAsteriskとも標準で接続することができる(図1)。
 もちろんAsteriskに限らず、SIPを採用するIP-PBXのほとんどに接続できる。つまり、インターネット電話サービスと社内のIP-PBXとの違いは、Gizmoクライアントから見た場合、ローカルのサーバにログインするか、グローバルネットワークのサーバにログインするか、という違いしかない。これが、SIPという標準プロトコルを採用したことの最大の強みである。Gizmoクライアントは、バージョン3から主要なIMとの通話も可能となり、音声コミュニケーションのクライアントがこれ1つで済んでしまうほどに多くの機能を備えたといえる。

■ 一般回線へのCall OutとCall In

Gizmoから固定電話や携帯電話などの一般回線に電話を掛けることをCall Outと呼び、逆に一般回線からGizmoへと電話する場合はCall Inと呼ぶ。これは、SkypeにおけるSkypeOut、SkypeInとほぼ同様のサービスである。

Call Inサービス
図2 日本のCall Inナンバーの購入画面

資料提供:Gizmoプロジェクト

日本におけるGizmoのCall Inサービスは、世界各国の通常の電話番号を購入し、その番号からGizmoアカウントへの転送を受ける形で提供される。日本では、2007年9月現在は東京都の03ナンバーのみが対応している(図2)。
 料金は国および番号によって異なるが、東京03の場合は、3ヵ月で31ドル、12ヵ月で80ドル(2007年9月現在)である。この料金を支払えば、世界中どこにいても、インターネットにさえ繋がれば、日本の一般電話回線からの電話を相手方の国内通話料だけで受けることができるのだから、使い方次第では決して高いものではないだろう。ちなみに欧米諸国のCall Inナンバーはこれよりはるかに安く、3ヵ月で12ドル、12ヵ月で35ドル程度で提供されている。

Call Outサービス

Call Outサービスは、Call Inよりもはるかに単純な仕組みだ。カード決済等でCall Out用のクレジットを事前に購入し、その残高がある間は自由に世界各国の番号へ電話を掛けることができる。



2007年9月現在の料金は、アメリカ、イギリスで1分あたり1.5セントと、国際電話を掛けることを考えれば格安だ(表1)。日本国内への通話も、若干高くなるものの1分あたり2.7セントだから、3分間で10円弱と比較的リーズナブルに利用できる。

60以上の国へ、無料通話キャンペーン

また、現在Gizmoプロジェクトでは、会員拡大のキャンペーンとして、表2に挙げた国々との無料通話を提供している。ただし、無料通話サービスの対象となるには、新規会員を勧誘したり、GizmoからGizmoへの通話を積極的に利用したりするなど、アクティブな会員であることが確認される必要がある。アクティブであると認定されれば、週に60分まで以下の地域に無料で電話することができる。
 2007年9月現在、日本も固定電話のみではあるが無料通話の対象地域に入っているので、しばらくはこの恩恵にあずかることができるだろう。



Gizmoのインターフェイス

図3 Gizmoのインターフェース

インターフェースはIMとよく似ている

インターフェースはIMとよく似ている(資料提供:Gizmoプロジェクト)

Gizmoのインターフェースは、IM(インスタントメッセンジャー)によく似ている(図3)。IMがそれぞれ独自のプロトコルで通話制御を行っているのに対して、GizmoはSIPという標準プロトコルを使っている点だけが違いだといっても過言ではないだろう。そこにアドオンのウェブサービスを介して、他のIMサービスとの通話も実現している。
 通話の相手先がGizmoプロジェクト内であれば、ユーザ名だけで通話できる点も、IMに近い。他のSIPサービスへ通話する場合には、「ユーザ名@ドメイン名」というメールアドレスと同形式のSIPアドレスを用いる。もちろん、GizmoもSIPプロトコルに準拠したインターネット電話なので、Gizmoユーザは「ユーザ名@proxy01.sipphone.com」というSIPアドレスを持つことになり、他のSIPサービスからGizmoアカウントに通話する際には、これを用いる。また、通話中の相手の所在地をGoogle MapのAPIを利用して表示する「Map It」機能や、通話の要件についてひとことメッセージを付けられる機能、相手との通話履歴、プロフィールの表示など、多くの機能が搭載されている。

■ IP電話とインターネット電話の違い

無料のインターネット電話は、ISPや回線キャリアが提供するIP電話とは、明確に区別されるものだ。その違いは既存の電話網であるPSTN(Public Switched Telephone Network)とそれに連なるIP電話網が、公共性の高いユニバーサル・サービスとして信頼性と品質保証が要求されるのに対して、インターネット電話は、あくまでベストエフォート型のサービスであり、必ず通話ができるという保障があるわけではない点にある。インターネットを通過する以上、いつどのような通信の障害や遅延が起こるかわからないため、インフラとしての確実性を保障することは難しい。しかし、音声の品質について言うならば、既存の固定電話網が1通話あたりの通信速度において、規格上128kbpsの天井があるのに対して、インターネット電話は最新の音声圧縮技術を用いて、数Mbpsの回線速度で通信することができるため、インターネット電話のほうがはるかに高音質な通話ができるという皮肉な状況が生まれてきている。

Gizmoの将来性

SkypeやIMが独自規格であるのに対して、VoIPの通話制御において主流となりつつあるSIPを用いるGizmoは、ウェブサイトやウェブアプリケーションとの親和性が高い。もちろんSIPサービスを提供しているのはGizmoだけではないのだが、今後SIPを採用するサービスが増えれば増えるほど、スケールメリットを持つそれらのサービスおよびアプリケーションの優位性は高くなるだろう。ちょうど電子メールがインターネットのベストエフォート型サービスであるにも関わらず、ビジネスからコンシューマまでを支える重要なインフラに成長したのと同様に、SIPアドレスを用いた電話サービスがインフラの地位を確立する日も遠くないかもしれない。

取材協力 : アイ・ピー・ビジョン株式会社

掲載日:2009年4月 1日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2007年09月19日掲載分

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