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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「ブログ創作ロボット」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「ブログ創作ロボット」。かわいいロボットに向かっておしゃべりするだけで、パソコンをいじらなくてもマルチメディアブログが自動生成されるシステムです。これで三日坊主のブロガーはもういなくなるかも?!

ブログ創作ロボットとは

現在、ブログを作るには、自分でブログツールを導入する方法と、ブログサービスを利用する方法の2通りがあるが、いずれの方法を利用するにしても、自分の力でテキスト文をキー入力したり画像を用意したりしなければならないことには変わりはない。つまり、手軽にブログをはじめることはできても、継続するにはそれなりの情熱やモチベーションが必要で、実際に大半のブログは三日坊主で終わってしまうのが現状のようだ。そこで「始めるは易し、続けるは難し」という現状を少しでも改善するための第3の方法として「ブログ創作ロボット」を利用する方法が考え出された。
 「ブログ創作ロボット」とは、ロボットとの対話によるマルチメディアブログ創作システムのことで、NECが開発したシステムである。ロボットと対話するだけで、ロボットがその対話内容をベースにブログを自動作成し、Webサーバにアップロードしてくれるのである。
 このようなブログ創作ロボットがあれば、ブログをやってみたい気持ちはあるものの、パソコンなどが使いこなせないので無理だと考えている人でも、簡単にブロガーになることができ、インターネットで情報発信ができてしまうのだ。その実際の使い方は以下の通りだ。

写真1 パーソナルロボット「PaPeRo」

資料提供:日本電気株式会社

(1) まず、NECが研究用に開発したパーソナルロボット「PaPeRo(パペロ)」に向かって「ブログを作って!」と話しかける(写真1)。

     

(2) すると、PaPeRoはブログを作成することを理解し、ブログにしたい内容を話すよう返答してくる。このとき、PaPeRoの頭に付いているボタンを押すとビデオ撮影が開始され、再度ボタンを押すと撮影終了になることも教えてくれる。

     

(3) そこで、頭のボタンを押して、ブログにしたい内容をPaPeRoに向かって話せばよい。ここでは、次のような内容を話してみる。
「冬休みにラスベガスにいきました。はじめてルーレットをしました。たくさんもうかりました。とても幸せです。」
話し終わったところでボタンを押してビデオ撮影を終了する。

     

(4) すると、「よし、バッチリ撮影できましたよ!」とPaPeRoが返答してくれる。そして「ブログページを作成するので、少々お待ちください」「できるまでの間、踊らせていただきます!」といったユーモラスなメッセージが流れ、しばらくPaPeRoが踊った後、「ブログページができました!パソコンや携帯でご覧ください。」というアナウンスが返ってくる。実は、PaPeRoには無線LAN機能も搭載されていて、ブログの生成が完了すると、インターネットにアクセスしてWebサーバ上にそのブログをアップロードできるようになっている。


図1 作成されたブログ例

資料提供:日本電気株式会社

上記手順で作成されたブログの様子を図1に示す。このブログの場合、例えば『ラスベガス』や『ルーレット』がキーワード検索されていくつかのイラストが設定され、『幸せ』がキーワード検索されて、『幸せなら手をたたこう』という曲のメロディが音楽として設定される。


ブログ創作ロボットの仕組み

今回、NECが開発したブログ創作ロボット(マルチメディアブログ創作システム)では、人がロボットに話しかけることで入力されたビデオメッセージの音声部分が分析され、その内容に応じてイラスト、映像、音楽、BGMなどのマルチメディア素材が検索され、その結果が入力メッセージに追加されてブログを出力する仕組みになっている。実際の処理の流れは図2のようになっている。

図2 マルチメディアブログ創作処理の概要

資料提供:日本電気株式会社

●映像発話音声認識

まず、撮影されたビデオメッセージから発話音声が抽出され、音声認識によって発話テキストに変換された後、キーワードが抽出される。つまり、ブログ中のさまざまな単語や表現を含む話し言葉に対する大語彙連続音声認識が実行される。このシステムではロボットが使われていることから、ロボットの基本処理にも計算リソースが必要になるので、音声認識で必要になる計算リソースの負荷を極力抑えるために、同社独自のコンパクトスケーラブルエンジンが活用されている。そのため、音声認識処理に必要となる作業エリアは約1MB程度に抑えられている。また、今回のプロトタイプシステムでは、旅行会話10万文を参考に約5万語の語彙を辞書に登録して用いている。

●自然言語文検索

次に、自然言語文検索が実行される。ここでは発話テキストと関連するマルチメディアコンテンツを、あらかじめ指定されたWebサイトやディレクトリから検索する。今回のシステムではユーザによるインタラクションを少なくするために検索対象の網羅性よりも検索精度が重要視されていて、単語間の係り受け関係を文書の重みに反映している。たとえば、「レストランで魚を食べました」に対して、「魚」→「食べる」の係り受けがある文書を優先したり、肯定・否定表現を区別して重みを計算したり、検索処理の前に同義語を統一(たとえば、「レコード屋」や「CD屋」を「CDショップ」に統一)したりしている。なお、今回のシステムは、検索コンテンツとしてイラスト1500、音楽550を含むWEBページを検索対象として試作されている。

●ブログコーディネート

最後に、ブログコーディネートにより、発話テキストからユーザの心的状態を推定してユーザに共感するコメントを「PaPeRoのひとこと」として選択し、入力映像・キーワード・検索結果とともにブログを自動生成する。今回のシステムでは、喜び、怒り、悲しみ、願望などの状態として10種類を定義し、各状態に発話表現100種類ほどを対応づけている(図3)。

図3 ブログコーディネート

資料提供:日本電気株式会社

ブログ創作ロボットに対する評価と期待

では、ブログ作成経験者5名、未経験者5名による試用実験を実施した。発話文として旅行文10文、旅行以外の文10文を使ってブログを作成し、ブログ経験の有無と音声認識精度の観点からブログ創作ロボットを評価してもらったのである。その結果を表1に紹介する。





この評価結果から、ブログ経験のないユーザでも、手早く、簡単に、コメントつきブログを作成できること、ブログ作成経験の有無に関わらずユーザの満足度はかなり高いことがわかった。また、音声認識精度が高い場合にはコンテンツ拡充への期待が高く、検索可能なマルチメディアコンテンツを拡充していくことが今後の課題の1つになっている。
 一方、音声認識精度が低い場合でも、誤認識に対しては寛容性があり、PaPeRoという親しみのあるパートナーロボットがブログを作ることから、誤りも面白さの1つになり得ることがわかった。ただし、見出しキーワードの修正を行うための編集インターフェースは必要である。このほか、PaPeRoとの対話への期待として、対話バリエーションなどのパートナーロボットとしての機能の充実が求められている。

 同社では、こうしたユーザ評価だけでなく、176名のブログ閲覧者による評価分析も進めており、ブログを創る楽しみをより多くの人に与える画期的なシステムとして、またロボットの新しい活用手段の1つとして、ブログ創作ロボットの更なる改良に取り組んでいく予定だという。

 なお、詳細は、9月7日に中京大学(愛知県・豊田市)で開催される「FIT2007 第6回情報科学技術フォーラム」にて「ロボットとの対話によるマルチメディアブログ創作と評価」として発表される。

取材協力 : 日本電気株式会社

掲載日:2009年3月25日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2007年08月01日掲載分

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