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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「ブレードPC」ってなんだ!?

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「ブレードPC」。CPU、メモリやHDDも含めたPC本体をブレード状のボードに搭載し、マシンルームにて集中管理を可能にしたものです。社内からの情報漏えいの防止といったセキュリティ効果や、マシンルームへのクライアント集中による運用管理コストの低減などが期待されています。

ブレードPCとは

PCを構成するために欠かせない「CPU」「メモリー」「ハードディスク」などの主要な部品を、1枚のブレード(基盤)に集積し、マシンルームにまとめて設置することで、安全な情報管理と運用のトータルコスト削減を実現するクライアントPC一元管理システム。パソコン利用者側から見ると、これまでディスプレイのそばに置いていたPC本体が机の上から消えてしまうイメージになる。

クライアントPCの一元管理という点での類似技術としては、「シンクライアントシステム」があるが、これはサーバー側でクライアント側の処理をしてしまおうという発想で作られたもの。「シンクライアント」の難点はサーバーにクライアント側からのアクセスが集中した場合、操作性や画面表示などを通常のPCと同様に保つことが難しいとされていた点。今回、ブレードPCとして取り上げた「ClearCube」では、利用者ごとに「1枚のブレードPC」を用意することで、これまでのPC同様のスムーズな画面表示と操作性を確保しつつ、情報の一元管理を実現している。

ラックとブレードPC C/PORTの画像 ブレードPC
サーバーラックにブレードPCを取り付けたところ
ブレード本体とディスプレイやマウスなどをつなぐ接続端末「C/Port」(ビデオテープぐらいのサイズ)。これはPC利用者側に置かれ、この「C/Port」から電源ON/OFFもできる。
CPUやメモリー、ハードディスクが1枚のブレードに収められている。タバコと比較してみたが、見てのとおり、それほど大きくない。

情報提供:日立システムアンドサービス

では、「ClearCube」を例に、ブレードPCの実装形態を解説しよう。各利用者に「1枚のブレードPC」と「C/Port」と呼ばれるクライアント用の接続端末を用意し、ディスプレイやキーボード、マウスを接続する。マシンルームに設置されたブレードPCと、利用者のデスクトップ上に設置されたC/Portとの間を、独自のアナログ通信方式を用いて1対1で接続している。利用者側では、C/Portにつないだディスプレイやキーボード、マウスなどを使用するのだが、CPUやメモリー、ハードディスクといった部品は、機能的には従来のPCとなんら変わりなく、OSも通常のWindowsを使用しているため、普通のPCを操作するのと同じように利用できるのがポイントだ。また、OSのアップデートはもちろん、市販されているソフトウエアも問題なく利用できる。マルチディスプレイにも対応しているため、例えば、証券会社の株式トレーディングシステムなどでも対応が可能だ。

ブレードPCのキモは、ブレードに搭載される約30の特許を持つ「通信制御部」にある。通信制御部は「カテゴリ5e」のLANケーブルを使い、C/Portと接続するが、その間の距離は最大200メートルとなっている。

ブレードPCのメリット

ブレード化による集中管理のメリットは「運用管理コストの低減」のほか、情報漏えい防止といったセキュリティ効果もある。もちろんブレードそのものを外に持ち出されてしまっては意味がないが、入退出管理を施したマシンルームでの一括集中管理によって、パソコン持ち出しによる内部からの情報漏えいや、盗難といった危険性を回避できるようになる。

ブレードPCの構成イメージ

情報提供:NTT PC コミュニケーションズ


また、個人が簡単に重要データを持ち出せないように、PCから情報を持ち出すことを防止できる「ストレージロック機能」を持っている。これはC/PortにあるUSBコネクタに接続できる機器を制御するもので、キーボードやマウスはUSBで接続しつつ、情報漏えいの可能性があるUSBメモリーのような外部記憶媒体の利用を、管理者側でコントロールできるというものだ。このように、ブレードPCは、情報を一元管理するとともに、情報の取り出しを制限することで、情報漏えいの発生を未然に防ぐことを実現している。

また、管理ソフトウエアの機能により、管理者がマシンルームにいながらにして利用者の画面を確認することや、そのクライアント端末の操作自体をリモートで行うことも可能だ。このリモート操作は、OSが実行中の画面はもちろん、再起動を伴うBIOSの設定変更のような、機器を直接見ないと対処できなかったトラブルにも対応できる。また、ブレードPC自体に障害があった場合は、予備のブレードに切り替えることで、利用者は即座に業務を再開することができる。

■ブレードPCの課題
  いいことずくめのブレードPCだが、唯一の制約は、マシンルームからC/Portまでが最大200メートルという距離制限だろう。またブレードとC/Port間は1対1で接続する独自のアナログ通信を行っているため、形状はLANケーブルだが、ネットワークプリンタ等で使用するTCP/IPでのLAN配線は別途設ける必要がある。このため、いわゆる島HUB方式で社内ネットワークを配線している企業のなかには、物理的にブレードPCの導入が難しいケースもある。

  実際に企業全体のシステム管理を行う際は、前述したマシンルームとC/Portとの最大200メートルという距離制限に対して、WAN経由で画面操作を行うために「KVMスイッチ」を導入することで、リモートで管理を行う環境を構築することが可能だ。C/Portを使う場合に比べてスムーズな画面表示はできないが、各クライアント端末のバックアップや、OSの更新なども市販のパッケージを使うことで、遠隔地からでも同様に対応することができる。

将来的な利用イメージ

ブレードPCは今回取材した「ClearCube」はじめ、既に製品化されており、テレビ朝日など一部の企業では導入が始まっている状況だ。

増え続けるクライアントPCの管理、また付随する形で膨れ上がるサポート業務や保守にかかる運用コストは、今や企業の重要課題である。「ブレードPC」という新たなパソコン形態の登場は、こういった状況を打破する策として大きな注目を集めている。

また目前に迫った個人情報保護法完全施行。企業における情報活用のあり方が問われる時代に入ったわけだが、個人情報を含むさまざまな情報を有効活用すると同時に、安易に情報を持ち出すことができないように、システムとしての情報セキュリティを確保が不可欠だ。こうした状況下、機器や情報の一元管理は重要度を増しており、現状のPCと同様のパフォーマンスを維持しつつ、集中管理ができる「ブレードPC」の需要は高まっていくことだろう。

取材協力 :株式会社日立システムアンドサービス、株式会社エヌ・ティ・ティ ピー・シー コミュニケーションズ

掲載日:2009年3月25日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2005年3月16日掲載分

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