本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > デジ・ステーション

デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「ケータイ実務検定(ケータイソムリエ)」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマ「ケータイ実務検定」は、総務省の後援のもと計画されている検定試験。より便利な端末を目指して多機能になり続けるケータイをわかりやすくする新しい販売員資格です!

1.年々複雑になる携帯電話サービス

ここ10年あまりの間に、ほぼゼロ%から100%へと一気に普及率(※世帯普及率)を伸ばしてきた携帯電話。当初、通話と電話帳だけで構成されていた端末は、ショートメッセージからEメール、写メール、i-modeなどのネットワークサービス、フルブラウザ、着うた、ワンセグまで、年々機能の追加を重ね、もはや電話というよりもネットワーク端末と呼んだほうがよいほどに進化してきた。

図1 通話&電話帳のシンプルケータイから、機能が追加され、複雑な現在の携帯へ


おサイフケータイなどの決済機能まで備えた現在の携帯電話だが、自分の持っている機種の機能をすべて知っていて、必要な機能を使いこなしているという方のほうが少ないのではないだろうか。実際問題、どの端末を購入するべきか、どのようなサービスが自分には必要なのか、といったことを店頭で自分自身で判断することは、一般のユーザには不可能に近いレベルにまでサービスは複雑化してきている。こうした複雑な携帯電話サービスをわかりやすくするために、総務省の後援のもとに新設されるのが「ケータイ実務検定(仮)」である。
 ちなみに、本資格については総務省が創設するケータイソムリエという名称で報道されたのを記憶されている方も多いかと思われる。しかし、ケータイソムリエという呼称は総務省の公式な制度の名称ではなく、検定試験の名称は原則的に主催する団体が任意に決定することができる。本記事で使用する「ケータイ実務検定(仮)」という名称は、総務省への申請一番手となったモバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が用いている試験の名称である。

2.キャリア横断の新しいケータイ検定

携帯電話の各キャリアも、サービスの複雑化に対応する努力は行ってきた。各種サービスから各端末の機能、料金プランまでを熟知した販売員を育成すべく、キャリア独自の販売員資格制度を設けて、スキルの向上を図り、顧客サービスの向上に取り組んできたのだ。しかし、キャリアに依存する資格制度だけに、キャリアを横断してサービスを説明できる販売員を認定するものではなかったのも事実である。
 この問題に対する解決策として総務省は、2007年秋、「携帯電話サービス等の販売員等に係る検定試験に対する総務省後援の運用方針」を公表した。これは同省が主催するモバイルビジネス研究会の最終報告書を受けて策定された、「モバイルビジネス活性化プラン」に基づき発案されたもので、キャリアに対して中立的な民間団体が携帯電話の販売員に関する資格試験制度を主催することを、総務省として後援していこうという趣旨のものである。

図2 検定試験に係る総務省後援のイメージ


意外なようだが、この総務省後援の検定試験にはキャリア固有の料金プランなどの知識は含まれていない。前述したように、各キャリアにはそれぞれの販売員資格制度が存在しているため、これら既存の試験との重複を避ける必要もあるためだ。ちなみに料金の複雑さについては、さきのモバイルビジネス研究会の報告書では「料金比較手法に係る認定制度の認定」という別アプローチでの検討も提言している。
 本検定試験が求める知識としては次のような項目が検討されている。
※以下は、申請第一号となるモバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)の検討している出題範囲

 1. モバイルの概念と市場背景
 2.モバイルで提供されるサービス
 3.通信・通話の仕組み
 4.モバイル端末の特徴とユーザ環境
 5.モバイルコンテンツの特徴
 6.モバイルにおけるセキュリティ
 7.移動体通信契約における個人情報保護
 8.消費者保護等(フィルタリングの利用、迷惑メール対策、携帯電話機のリサイクル等を含む)

3.背景となるのは、ケータイを取り巻く様々な問題

携帯電話にまつわるニュースを聞かない日がないほど、携帯電話には様々な問題が発生、提起されている。主なものとしては、次のようなものがあげられるだろう。

■販売モデルを巡る問題

日本独自の携帯販売モデルとして、販売奨励金を背景とした端末の低価格販売がある。しかし、このモデル下では、端末コストがユーザにとって不透明なため、高機能端末ばかりが市場に流通することになり、低価格化という面でのメーカーの国際競争力を奪う結果になったとの見方も存在している。いまでは端末の代金を割賦の形で通話料とは別に請求する販売モデルへと移行する方向に進んでいるが、こうした新しい販売モデルでは、これまでの契約との違いの説明不足から、解約時のトラブルにつながるケースも少なくないという。

■有害コンテンツの問題

出会い系をはじめとする有害なコンテンツは、とくに未成年の利用と併せて大きな社会問題となってきている。迷惑メールなども大きな問題である。こうした問題について、コンテンツに対する規制も検討されているが、端末サイドでのフィルタリングも対策のひとつである。携帯電話自体は、緊急時の通報や安否の確認、位置情報の把握など、安全上のメリットも大きいだけに「特に子供にとって、携帯電話は有害である」というイメージが先行してしまうのはモバイルビジネス事業者とユーザの両方にとって、大きなマイナスであろう。

■サービス利用の混乱

着うた、動画、テレビ電話などの利用にともなう予期せぬ高額なパケット代の請求に戸惑ったり、割引条件として契約時に加入したサービスを利用しないまま放置して不要な料金を払い続けてしまったり、自分の利用状況にあわない料金プランを選択していて余計な通話料を支払っていたことに気づいたり、自分の加入するサービス内容の理解不足や、購入時の説明不足から生じるこうした不都合は、経験したことのないひとのほうが少ないのではないだろうか。多岐にわたるサービスが提供され利便性が向上してきた一方で、サービス内容や端末の機能についての説明ニーズも高まる一方だといえるだろう。

複雑化の一途をたどる携帯電話サービスにおいて、単一のキャリアに依ることなくサービスを横断的に説明し、ユーザの目的に適ったサービスを適切な料金で提供できる環境を整え、トラブルを未然に防ぎ、トラブルの相談窓口の役割も果たす存在が必要なのは間違いない。「ケータイ実務検定」の目指すのはそうした人材に行政のお墨付きの資格を与えることで、職業的な誇りを持ったケータイのプロフェッショナルを育成し、消費者保護策の充実を図ることなのだ。

4.よりオープンな携帯電話ビジネスに向けて

携帯電話には、SIMカードというICカードが入っており、携帯キャリアが発行する利用者を識別するデータが入っている。欧米では、このカードを差し替えることで、好きな携帯端末やスマートフォンを、キャリアとの携帯電話契約はそのままに利用することが可能となっている。日本の携帯電話にもこのSIMカードが入っているのだが、このカードの差し替えを制限し、端末機器を各キャリア専用のものとして、それ以外の利用はできないようになっている。これがSIMロックである。
 SIMロックは、端末の購入代金を通話料に上乗せすることで店頭での端末価格を低く抑えてきた日本の販売奨励金モデルにとって、ある意味必要不可欠な措置。SIMロックがなければ、端末購入後すぐにキャリアとの契約を解約し、別のキャリアとの契約に端末を利用することが可能になってしまい、通話料を通じた端末コスト回収モデルが崩れてしまうからだ。
 しかし、このSIMロックについて、モバイルビジネス研究会の最終報告書を受けて、2007年に総務省が公表した「モバイルビジネス活性化プラン」では、「原則解除する方向で検討を進める」との方針が打ち出されている。つまり、販売奨励金モデルが必然的に生み出したキャリアと端末の一対一の関係を解消し、端末選びとキャリア選びを別々に行えるようにしていこうという動きである。
 これまでドコモならi-mode、ソフトバンクならYahooという風に、キャリアと密着してきたコンテンツサービスも自由に選べる時代へ、というのが「モバイルビジネス活性化プラン」の方向性。つまり、コンピュータにおいて、OS、回線プロバイダ、メールアカウント等のプロバイダ、ポータルサイト、ブラウザなどを自由に選択できるのと同様に、端末と回線キャリア、サービス、コンテンツなどを自由に組み合わせられるケータイ環境を、近い将来に実現しようとしているのだ。そうしたオープンな携帯電話の世界を想定すれば、キャリアに依存しない販売員資格は、時代の必然であるともいえるのではないだろうか。

参考URL:総務省報道資料
「携帯電話サービス等の販売員等に係る検定試験に対する総務省後援の運用方針」の公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/080225_2.html
「モバイルビジネス活性化プラン」の公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2007/070921_1.html

取材協力 :鳥取大学大学院 工学研究科 機械宇宙工学専攻 計測制御工学研究室

掲載日:2009年3月18日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2008年6月18日掲載分

検索

このページの先頭へ