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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「MAID(メイド)」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「MAID(メイド)」。業務に必要なデータは日々増え続け、それに比例してストレージのコストも増えていくばかり。そんな中で、省エネによるコスト減を可能にするのがMAIDです!

MAID(メイド)とは

MAID(メイド)とはMassive Array of Idle(もしくはInactive)Disksの略。コロラド大学のDirk Grunwald氏によって提唱された考え方に基づき、消費電力を抑えながら大容量を実現するディスクアレイ(複数のハードディスクドライブを束ねて1台のハードディスクのように利用する装置)のことだ。ディスクアレイの中で、データアクセスが発生していないハードディスクドライブ(HDD)についてはその回転または電源を止めることによって、消費電力を削減するという技術である。MAIDを採用したディスクアレイでは、データアクセスに必要なHDDだけが稼働するようにディスクアレイ全体が制御されており、ディスクアレイの高速性・信頼性を犠牲にすることなく、省電力を実現できる。

●MAIDが登場した背景

今日の企業では、ITシステムの普及・拡大によるストレージシステムのコスト増に頭を悩ませている。その解決策の1つとして情報ライフサイクル管理(Information Lifecycle Management:ILM)、またはデータライフサイクル管理(DLM)が提唱されている。これは、生成から保護、活用、移行、保管、破棄に至る、データがたどる一連のライフサイクルの各段階における情報価値の変化に合わせて、適切なストレージ環境と管理方法を適用していくというアプローチだ。こうした考え方が登場してきた背景には、データのアクセス頻度という視点からストレージシステムの中身を調べてみた場合、アクセスの50%〜80%は10%未満のストレージ領域に集中しており、容量単価の高いストレージシステムがアクセス頻度の低いデータで埋め尽くされているという現状がある。
 そこで、効率的なストレージ運用のためには、まず頻繁にアクセスが生じる「オンライン」領域、アクセス頻度は低いがデータの長期保存のために必要な「オフライン」領域、その中間に位置する「ニアライン」領域の3つに分けて考えるのが一般的だ。オンライン領域には高速アクセスが可能なHDD、オフライン領域にはアクセス性は低いが省電力によりコストが抑えられるテープライブラリ、ニアライン領域には廉価なHDDや光ディスクライブラリというように、データの情報価値に応じて、ストレージ環境は使い分けがされている。
 しかし、アクセス頻度は高くないものの、常に使用される可能性があり、使用時には高速アクセスが要求されるデータ(受信後の電子メールやビデオデータ、医療分野での画像データなど)が、近年急増している。こうしたデータは、オンラインとニアラインの中間に位置づけられ、ある程度のアクセス性を確保しながら、コストもできる限り抑えたいというニーズを満たすストレージが求められる。そこで、HDDとテープライブラリとの間のギャップを埋める新しい技術、つまりHDDの高速性とテープライブラリの省コスト性を兼ね備えたMAIDが考案されたのである。

MAIDの仕組み

それでは、MAIDが採用されているストレージシステムの仕組みを紹介しよう。ここでは、アサカの「DMライブラリ」を例に取り上げる。なお、MAIDは標準規格ではないため、ストレージベンダ各社で実際の仕様や動作原理には多少の違いがあることをお断りしておく。
 同社では、MAIDの実現方法として、アクセスのないHDDの電源を完全にOFFにする方式をMassive Array of Inactive Disks、アクセスのないHDDの回転だけを停止する(つまりHDDの制御基板などの電源はONのままでスタンバイモードにする)方式をMassive Array of Idle Disksとして、この2方式を使い分けている。前者のほうが省電力になるが、後者のほうがHDDを立ち上げる時間が短くなる。ここでは前者の動作について説明する。
 まず、図1を見ていただきたい。DMライブラリではHDD電源のON/OFF制御を、テープライブラリや光ディスクライブラリなどのメディアチェンジャの汎用コマンドである「Move Mediumコマンド」を使って操作できるようになっている。

図1 MAIDテクノロジ

資料提供:アサカ

実際の使用イメージは図2の通りだ。この製品の場合、1台のストレージシステムの筺体内には500GB HDD×6台から構成されるRAID-5システムが全部で8グループ、つまりHDDが48台搭載されている。そして、実際に同時に電源が入っている最大HDD数はこのうち仮想ライブラリ1で6台、仮想ライブラリ2で6台、合計12台ということになり、この場合の消費電力は全HDDに電源を入れた状態と比べて4分の1になる。また、RAID-5システムを全部で32グループ、つまりHDDを192台搭載した4つの仮想ライブラリが使える製品(96TB)では、同時に電源が入っている最大HDD数は24台で、消費電力は8分の1以下に抑えられる。  このように、MAIDは消費電力を大幅に削減できるため、ストレージシステムのための電源設備にかかるコスト(たとえばUPSや配線工事など)も抑えることが可能となり、さらにコンピュータルームの空調設備にかかるコストも大幅に削減できる。

図2 使用イメージ

資料提供:アサカ

では、RAIDシステムのスイッチングにはどれくらい時間がかかるのだろうか(図3)。この製品ではドライブスピンアップ時間(電源を入れた後、アクセス可能になるまでの時間)として14秒かかっている。この値は、各社で多少のばらつきはあるもののそう大きな違いはなく、いずれにしてもアーカイブやバックアップとしてのニアラインストレージが主な使用目的であれば問題のない範囲内といえる。

図3 MAIDのスイッチング時間の一例

資料提供:アサカ

MAIDを採用したストレージ製品の動向

現在、MAIDを採用したストレージシステムは複数のベンダから提供されている。ここで紹介したアサカでは、NTTアイティのNFS ファイルサーバソフトウェア「ZFS」と組み合わせることで、DMライブラリをオンラインストレージとしても扱えるようにしている。図4に示すようにNASサーバとMAID装置(DMライブラリ)、そしてZFSのI/Oブロック単位による階層型ストレージ管理機能を使うことで、NASサーバのキャッシュディスクとMAID装置の仮想ドライブ(HDD)を一体化し、オンラインのハードディスクと同じように扱うことができる大容量の仮想ボリュームを構成できる。

図4 MAIDをオンラインストレージとして使う

資料提供:アサカ

また、住商情報システムからは米COPAN SystemsのMAIDタイプのディスクストレージ製品「Revolution 200シリーズ」が販売されている。富士通からもMAID技術を応用したエコモードを使用できるETERNUSディスクアレイが販売されている。さらに、日本電気ではSANストレージ「iStorage Dシリーズ」で使えるMAID機能対応ソフト「iStorage StoragePowerConserver」の販売を2007年5月から開始している。
 このように、ストレージベンダ各社はMAID技術に注目しており、これからもMAIDを応用したストレージ製品が増えてくることが考えられる。MAIDが採用されているかどうかが、今後ストレージ製品を選定する際のチェックポイントのひとつとなってくるかもしれない。

取材協力 : 株式会社アサカ

掲載日:2009年3月18日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2007年07月04日掲載分

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