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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
GE-PONってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「GE-PON」。FTTHサービスをさらに高速化させることができるGE-PONの魅力について紹介します。この先ブロードバンドはどこまで速くなるのでしょうか?

「GE-PON」とは

GE-PON(ジーイーポン:Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)を簡単に説明すると、ギガビットのFTTHサービスを実現する技術のことだ。もう少し技術的に説明すれば、PON技術にギガビットイーサネット技術を取り込み、1Gbpsという超高速で光ファイバのアクセス区間通信を実現する技術となる。ここではGE-PONの基本を理解してもらうために、まずFTTHとPONの説明から始めよう。


【高価な光ファイバを普及させるにはPON技術が必要】

FTTHサービスは、光ファイバを使ってインターネット接続を実現するサービスだが、たとえ光ファイバで高速化できたとしても、その導入コストが銅線と比べてあまりにも高ければ経済的理由で普及するのが難しくなる。そこで、少しでもFTTHサービスの利用料金を下げるために、1本の光ファイバを複数のユーザーで共有するPON(Passive Optical Network)が考え出された。PONは光ファイバの途中に光カプラを設けて伝送路を2〜32本に分岐させるスター型ネットワークのことを指す。

ここで、光カプラとは1つの光信号を2つ以上の出力に分岐したり、2つ以上の光入力信号を1つの出力に結合したりすることができる装置のこと。光カプラは電源が不要でしかもメンテナンスフリーなので、伝送路の複数個所に設置しながら柔軟なネットワークを設計できる。

ちなみに、光カプラで分岐せずにセンター局と加入者宅を1対1で接続する方式をシングルスター方式、分岐して1対Nで接続する方式をダブルスター方式と呼ぶ。


【GE-PONシステムの特徴】

それでは、実際の装置を例に、GE-PONシステムの特徴を紹介しよう。ここでは業界初のGE-PONシステムである沖電気のMileStarを例に説明する。GE-PONシステムは光カプラのほか、センター局に設置するOLT(Optical Line Terminal)と加入者宅に設置するONU(Optical Network Unit)から構成されている。両者の間は下り(センターから加入者方向)に1490nm、上り(加入者からセンター方向)に1310nmの波長を割り当てたWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長多重)方式を使って、1本を複数の光ファイバのように扱いながら通信を行う。伝送距離は最大20kmだ。また、帯域制御と優先制御も可能なので、VoIPや放送などのサービス多重時の通信品質も確保できる。

図1 GE-PONとは
図1 GE-PONとは

(資料提供:沖電気工業)

ギガビットクラスのPON事情

GE-PONはソフトバンクBBの「Yahoo! BB 光」で採用されたことから一躍脚光を浴びるようになったが、ここでGE-PONについて誤解しやすい2つの点について説明しておこう。


【GE-PONは皆で1Gbpsを共有する】

まず、GE-PONになったからといって、加入者宅のPCが直接1Gbpsで結ばれるというわけではないという点だ。つまり、現在のPONによるFTTHサービスはADSLサービスと同じベストエフォート型サービスで、ISDNのような帯域保証型サービスではない。ただ、GE-PON以前のPONを使用したFTTHの1人あたり使用可能な平均帯域が数Mbps〜20Mbps程度と言われてきたことから、GE-PONになれば少なくとも理論上は1Gbps÷32≒30Mbps以上を確保できるので、FTTHサービスが高速化されることには間違いない。


【GE-PONとG-PON、どっちが有利?】

もう1つ、実はギガビットを実現するPONはこれだけではないのだ。GE-PONはIEEE802.3委員会で標準化されているIEEE802.3ahに対応した方式だが、FSAN/ITU-Tで規格化されている「G-PON(ジーポン:Eがつかない)」もある。ここで、FSAN(Full Services Access Networks)とは、NTTが光アクセスシステムの早期導入に関心のある世界の主要通信会社に呼びかけて設立した標準化組織のこと。

G-PON(Gigabit PON)はGE-PONと混同されやすいが、似て非なるものである。まず、GE-PONがイーサネットベースなのに対し、G-PONはイーサネットだけでなくATM(非同期転送モード)なども混在できる。また、GE-PONが1.25Gbpsなのに対し、G-PONの最大通信速度は2.5Gbps。

これだけ聞けば、GE-PONよりもG-PONのほうが有利に思えるが、GE-PONはG-PONと異なりイーサネットフレームのまま処理し、転送するのでIPパケットとの親和性が高く取り扱いが容易である。一方、G-PONは機能的に優れている分だけ機器構成が複雑になり開発期間と開発コストも高くつく。これにより、通信事業者の間ではGE-PONのほうが好まれていて、GE-PON導入に踏み切る通信事業者が相次いでいるというのが現状だ。


現在、ソフトバンクBBの「Yahoo! BB 光」に続いて、NTT東日本の「Bフレッツ ハイパーファミリータイプ」、KDDIの「KDDI光プラスホーム」といったところが1Gbpsのサービス提供を始めている。

GE-PONの利用イメージ

今後、ブロードバンドとして大きく成長すると期待されているのはADSLではなくFTTHであるが、FTTHにGE-PONが採用されることで、次のようなサービスの充実が期待されている。


【付加価値の高いブロードバンドサービス】

光アクセス区間1Gbpsの双方向高速通信と、帯域制御機能、優先制御機能により、リアルタイム性が要求されるVoIPやTV会議なども高い通信品質で提供できる。


【波長多重技術による放送配信サービス】

光アクセス区間の下り波長は1490nmを使用しているので、これに1550nmの映像配信信号の波長を多重することで、1本の光ファイバでインターネットと放送配信サービスを同時に提供できる。具体的には、WDMカプラをセンター側と加入者側の両方に設置することで、PCとテレビを同時に接続可能だ。


【低価格で高速なVPNサービス】

GE-PONシステムには加入者をグループ化するVLAN機能や、帯域保証機能も搭載されているので、これにより低価格で効率的なVPNの構築が可能になる。


【ONUのマルチベンダー対応と家電化】

GE-PONは当初、各社の独自仕様としてスタートしたが、現在はIEEE802.3ahとして標準化され相互接続性の問題から開放されるようになってきたことから、ONUのマルチベンダー対応も実現できる。そうなれば、ブロードバンドルーターやISDN TAのように、製品の多様化と低価格化が進み、情報家電製品へのONU搭載なども考えられる。

取材協力 :沖電気工業株式会社

掲載日:2009年3月18日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2005年2月2日掲載分

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