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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「1セグ放送」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「1セグ放送」。携帯端末向けの地上デジタル放送のことです。いつでもどこでもデジタル放送を視聴できるこのサービスは、放送と通信を融合させたサービスやコンテンツが期待されており、2005年度中の放送開始を目標に、端末機器の開発や放送形態の策定などが進められています。

1セグ放送とは?

日本の地上デジタル放送の仕組み

地上デジタル放送の電波を利用して、携帯端末向けに番組(簡易動画)を放送する仕組みを指す。日本の地上デジタル放送は、「ISDB-T」(Integrated Services Digital Broadcasting Terrestrial)という規格のもと、2003年12月より関東・中京・近畿の三大都市圏からスタートし、順次、全国の主要都市に放送エリアを拡大している。このISDB-Tには階層伝送という特長があり、携帯受信向けのノイズやマルチパスに強い変調方式と家庭テレビ向けの比較的弱い変調方式を「階層」に分けた上で多重化して放送することが可能となっている。ノイズやマルチパスへの耐性は伝送するビットレートとのトレードオフになっている。そこで放送される内容は、画質により「強階層」=携帯受信向け(簡易動画放送)、「弱階層」=固定受信向け(HDTV放送)に分類されているが、現在は、弱階層、つまり、家庭用テレビ向けの高画質の番組しか放送されていない。

1セグ放送は、この強階層を使った簡易動画放送のことを指している。「1セグ」とは、文字通り「1つのセグメント」のことだが、地上デジタル放送はUHF帯域(※)の電波を使用しており、6MHzを1つのチャンネルとして割り当てられている。これを13のセグメントに分割して放送を行うのだが、このうちの携帯向けの強階層に割り当てられている「1つのセグメント」を使用して放送を行うことから「1セグ放送」と呼ばれている。


現在でも、一部の携帯電話では従来のアナログテレビ放送を視聴できるものもあるが、字幕のような文字を読むことは困難だ。1セグ放送では、携帯の画面サイズに最適化された放送が実現される予定だ。各メーカーも1セグ放送対応端末の試作機をぞくぞくと発表しており、いよいよ本格的なテレビケータイ時代の幕開けとなりそうだ。

※UHF帯域:極超短波(Ultra High Frequency)である300MHz〜3GHzの周波数帯域を指す。主にテレビ放送に用いられる。ちなみにMF(中波)はAMラジオ放送に用いられている。

■各国の地上デジタル放送の仕組み
 地上デジタル放送の規格は、日本方式のISDB-T以外にも、北米方式である「ATSC」(Advanced Television Systems Committee)、欧州方式の「DVB-T」(Digital Video Broadcasting Terrestrial)が既にサービスを開始しており、中国はこれとは別の独自方式で研究開発を進めている。このうち、移動体での利用を想定しているのは欧州方式のDVB-Tと、日本方式のISDB-T、中国の新方式だが、各方式の互換性がないため、日本のISDB-T仕様で作られた携帯端末を海外に持っていったとしても、海外のデジタル放送を視聴することはできない。

1セグ放送を実現するための技術

1セグ放送は、固定受信(家庭用テレビ)向け放送と比べると「電源事情」や「受信できるデータ量」などが大きく異なる。携帯でも映像や音声の品質を担保するため1セグ放送では以下のような技術が組み込まれている。

  固定受信向け 携帯受信向け
動画圧縮方式 MPEG2 H.264
動画フレーム数 30フレーム 15フレーム
音声コーディック AAC(192Kbps) AAC(48Kbps)+SBR
NECが発表した1セグ放送受信機搭載携帯電話(試作機)。写真の試作機にあるアンテナは1セグ放送受信用アンテナ。携帯電話受信用のアンテナは端末本体の中に内蔵されている。

▲NECが発表した1セグ放送受信機搭載携帯電話(試作機)。写真の試作機にあるアンテナは1セグ放送受信用アンテナ。携帯電話受信用のアンテナは端末本体の中に内蔵されている。

映像面では、従来の圧縮方式「MPEG2」と比べ2倍の圧縮性能がある「H.264」を採用しており、放送される動画の画質向上がなされている。また音声面では、従来の「AAC」(Advanced Audio Coding)に加えてより低ビットレートの際に効果のある「SBR」(Spectral Band Replication)を採用し、音質を確保している。いずれも、消費電力を抑えつつ低ビットレートで高クオリティな映像・音声を実現するために、携帯受信向けに特化した仕様となっている。

もっとも大きな課題としては、端末機器の消費電力とバッテリーの持続時間だ。現在の試作段階では連続受信で2時間程度を実現しているが、本来的な「電話」としての通話時間も十分な持続時間を確保すべく、消費電力の低減対策アンテナの形状や内蔵するチップ、ノイズ対策など、さまざまな角度からの研究開発が進行中だ。

1セグ放送での放送イメージ

固定受信向け放送と1セグ放送では、受信端末側の画面サイズが著しく異なるため、映像はもちろん、映像中に表示される文字などを、まったく同じレイアウトで表示することは困難だ。そこで、1セグ放送向けには、小さい画面に必要な情報が表示されるよう、画面構成をカスタマイズする対応がなされそうだ。また、テレビ映像と、通信ネットワークを経由して受信する情報とを連動するような画面構成も想定されている。例えば、テレビで紹介された洋服を、同じ端末からインターネット経由で通販サイトに接続し、購入できるといったサービスにつながるイメージだ。一方で、テレビを受信している画面上に、まったく趣旨の異なるインターネットの情報が表示されることがないように、テレビ放送とインターネットが「画面争い」をしないような表示のあり方を探るべく、様々な調整が続けられている。

実際に1セグ放送を実施するかどうかは、放送事業者の判断にゆだねられてはいるが、地上デジタル放送を行っているテレビ局では、全局で1セグ放送を行うことができる。ただし、放送免許の関係から、放送が許可されているのは「音声サイマル放送」のみとなっている。これは、固定受信向けの放送とまったく同じ音声で放送せよ、ということを意味している。つまり、1セグ放送向けのコンテンツ(番組)は、固定受信向けの番組から、映像のみ携帯用に手を加えた形になる。携帯電話向けの独自番組が放送されることを期待していた方にはちょっと残念だが、放送免許は5年更新のため、固定受信向けと異なったモバイル専用の番組が放送される時期は、早くとも2008年以降となるようだ。

将来的な利用イメージ

1セグ放送の開始や、それに伴う端末の発売予定は、現時点では2005年度中を目標として諸作業が進められている。機器の形態としては、携帯電話に搭載されるタイプと、PDAのような形の1セグ放送専用の受信端末が想定されている。どちらの場合も、放送の受信料はかからない見込みだ。また、1セグ放送を録画するためには、1時間当たり約200MBのディスク容量が必要となるが、現在広く普及している4GBの小型ハードディスクで換算すると、20時間相当の番組が記録できるため、現時点の技術で考えても、十分実用性を備えた端末が登場してくる可能性が高い。

取材協力 :日本電気株式会社

掲載日:2009年3月11日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2004年12月15日掲載分

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