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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「Second Life(セカンドライフ)」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を早めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「Second Life(セカンドライフ)」。インターネットを通じて、物理的に離れた人々とコミュニケーションができる、画期的な3次元の仮想世界。ビジネスチャンスとしても注目を集めている、きわめてユニークなコンテンツの魅力に迫ります!

Second Life(セカンドライフ)とは

Second Life(セカンドライフ)とは、アメリカ・サンフランシスコのリンデンラボ社が運営する仮想世界のこと。ユーザーは、専用のクライアントソフトウェアをインストールしたPCから、インターネット経由でこの世界にアクセスし、自らの分身であるアバターを操作してその中で活動することができる。Second Lifeという名前は、現実の世界とは別の、仮想世界における「第二の人生」という意味でつけられた。
 Second Lifeは、2003年にサービスが開始されていたが、脚光を浴びるようになったのは2006年に入ってからである。リンデンラボでは一切プロモーションを行なっておらず、口コミでユーザー数を伸ばしてきた。2006年6月にクレジットカードの登録なしで会員登録ができるようになったことをきっかけに、急速に会員数が伸び始めた。2006年の後半には、大手の企業がこの中に支社を開設したり、大手メディアが特派員を駐在させたりするなどのニュースが相次ぎ、ますます注目を集めるようになった。
 2007年2月28日現在で、世界で412万人のユーザーがいるといわれており、そのうち日本のユーザーは2万人程度という。

Second Lifeの魅力

なぜSecond Lifeがこれほど注目されるのか。まずはその魅力を探っていこう。

魅力1:ユーザーが作り上げるコミュニティ

Second Lifeが従来のオンラインゲームと大きく違うのは、その機能やオブジェクトなどすべてが、どれもユーザーが作っていくものであることだ。これまでも、MMOといわれる数百〜数千のユーザーが1つの空間を共有するような形態のオンラインゲームは存在した。こうしたゲームは、メーカー側がストーリーを用意し、キャラクターやルール作りをし、ユーザーはそれに従って遊ぶのが一般的である。ところがSecond Lifeでは、いかなるストーリーも用意されておらず、ユーザーが操作するアバターの動きによってコミュニケーション活動が展開される。キャラクターやその衣服、建物、車、小道具など、簡単な操作で、無料で作ることができる。

魅力2:クリエイター主体の仮想空間

Second Lifeは、当初から多くのクリエイターの意見を取り入れて開発されたという経緯があり、クリエイターが活動しやすい環境が整っている。オリジナルの3次元オブジェクトを作成するために用意されている制作ツールは、簡単なインタフェースで構成され、特殊な知識や技術がなくとも操作が可能だ。また、Second Life用に作成したコンテンツの著作権は、すべて作成者に帰属する。その価格や、コピーや改変の可否などは、作成者が自分で決め、オブジェクトのプロパティとして設定しておくことができる。自作のオブジェクトを売買する際にも、他のEコマースサイトを利用する必要はなく、Second Lifeの中で行うことができる。こうした条件は、クリエイターにとっては、自分を売り込むためのまたとないチャンスだ。よって、ここに多くのクリエイターが集まり、さらに優れたコンテンツが生み出されることにつながる。コンテンツの著作権が完全にメーカーに帰属する従来のゲームとまったく異なるが、この思想こそがSecond Life成長の原動力といえる。

好きな服やアクセサリを身につけさせることもできる かなりリアルな風景を作り込むことが可能

(左)好きな服やアクセサリを身につけさせることもできる (右)かなりリアルな風景を作り込むことが可能

魅力3:画期的な3次元コミュニケーションツール

仮想空間の中で人が集まるイベントが開催できる

仮想空間の中で人が集まるイベントが開催できる

Second Lifeで特に画期的なのは、インターネットを通じて誰もが3次元の環境を無料で共有できるということだ。3次元の画像を用いて、物理的に離れたところにいる人物同士が空間を共有することができる、これまでにない新しいコミュニケーションツールといえる。テキスト情報や2次元のイメージで構成されている従来のWebサイトでは不可能だった表現も可能になる。例えば、商品の試作品などを3次元画像でSecond Life内に展示すれば、従来とは違ったマーケティングリサーチが可能だ。
 また、アバター同士の言葉でのやり取りは、テキストを使ったチャットを通じて行うが、普通の声で話すだけでなく、多くの人に向けて叫んだり、近くの人にだけささやきかけたりなど、話し声の大きさを変えることもできる。道端の人々が交わしている会話が「耳に入ってくる」こともあるなど、きわめて現実に近いコミュニケーションが可能だ。
 さらに、アバターは仮想空間ならではのユニークな動きが可能だ。人間と同じく歩いたり走ったり踊ったりできるほかに、下界を眺めながら空を飛んだり、離れた場所に瞬時に移動(トランスポーテーション)したりすることもできる。

■3次元データはプリムの組み合わせ
 通常、3次元コンピュータグラフィックの世界では、立体を表現するためにポリゴンと呼ばれる多角形が用いられる。しかし、精緻な表現のためには多数のポリゴンが必要になり、データが大きくなってしまう。Second Lifeでは、3次元画像のデータを絶えずインターネットでやり取りしなければならないため、ポリゴンのような複雑で大容量のデータは適切ではない。
 そこでSecond Lifeでは、「プリム」という基本的な図形を数タイプ用意し、それにパラメータをつけて変化させることで、3次元オブジェクトの型を作っている。ポリゴンに比べればやや表現力に劣るものの、1つのオブジェクトが1KBにも満たない容量のデータで作ることができるので、サーバへの負荷が小さく、リアルタイムな動きに対応できる。
3次元データはこれらのプリムで構成される

3次元データはこれらのプリムで構成される

魅力4:経済活動ができる

Second Life内では、リンデンドルという架空の貨幣が流通している。変動制の為替レートが存在し、リンデンドルから米ドルへの現金化が認められているのも大きな特徴だ。自作のオブジェクトやコンテンツの貸出や売買によって得た収入を現金化できるほか、Second Life内でセミナーや自作動画の上映会などを主催すれば、サービスによっても収入を得ることができる。
 Second Life内部での市場の成長は著しく、現在Second Lifeの中で1日にやり取りされている金額は、日本円に換算して1億3千万円以上にものぼるといわれている。
 アメリカでは、独創的なアイデアでSecond Lifeを利用したビジネスを行い、実際に利益を上げている成功例などがいくつか報告されている。また、個人ユーザーのみならず、企業もSecond Lifeの可能性に注目し始め、2006年にはIBMなどいくつかの有名企業が参入した。まだ日本でのSecond Lifeの認知度はそれほど高くはないものの、日本の企業もバーチャルなオフィスや店舗を構えたり、口コミ広告サービスを展開したり、内部で人材採用活動を行うなど、新たなるビジネスチャンスを求めてSecond Lifeに進出するという動きが始まっている。
 なお、インターネットを通じた賭博や換金行為は、日本の法律に抵触する恐れがあるので、日本のユーザーが利用する際には注意が必要だ。

■Second Lifeで島のオーナーに?
 誰でも無料でユーザー登録し、アバターを作って内部で活動することができるなど、多くのサービスを無料で利用できるSecond Lifeだが、運営するリンデンラボ社はいったい何で利益を得ているのかという疑問が出てくる。実は、数々の無料サービスのほかに、有料サービスとしてSecond Life内に「島」と呼ばれる土地の所有権が提供されている。  この土地は広さ256メートル×256メートルで6万5536平方メートル、東京ドーム約1.4個分に相当し、価格は約20万円だ。実は、1つの島につき1台のサーバが割り当てられるようになっており、リンデンラボ社はSecond Lifeで使えるサーバのホスティングサービスによって収益を上げているわけだ。土地の値段のほかに「固定資産税」として月々3万円ほど支払わなくてはならないが、これはつまりサーバの保守費用である。
 島ではオーナーがほとんどすべての権限を持っている。島の中の時間や、地形、天候など、すべてを決めることができる。さらには、島の中で戦闘行為を許可してもかまわないし、入場資格を決めたり、入場料を徴収したりして会員制にすることもできる。島を持つほどではないが自分のスペースを持ちたいというほかのユーザーに、一部を有料でレンタルしても構わない。
数少ない規制としては、サーバの過負荷を防ぐため、1つの島にオブジェクトを1万5000個までしか置くことができず、同時利用できる人数にも制限がある(40人〜100人程度)。それでも、複数の島が隣接する場所なら、多数の人が集中する施設を建設することができる。
 島の数がいわばSecond Life内で展開されている世界の広さということになるわけだが、2007年2月現在、約5000個の島があると言われており、これは山手線内の広さの約5.2倍に相当する。有名企業の進出や認知度の向上にともない、ますます拡大していくことが予想される。

日本でSecond Lifeは定着するか?

図5 日本市場における問題点

Second Lifeが成功したのは、話題のYouTubeやmixi同様に、運営企業がユーザー主体のコミュニティを地道に育てていった結果であり、まさにWeb2.0という時代の潮流にマッチしたサービスだったからといえる。アメリカでは、現在のWebに取って代わるコミュニケーションツールになるのではないかという声も出ているという。しかし日本では、まだそれほどのインパクトを持つに至っていないというのが現状だ。それは、日本のユーザーのニーズと、Second Lifeの提供する価値にややずれがあるからではないかと考えられる。
 Second Lifeのようなサービスに早くから注目するのは、やはり従来のオンラインゲームのユーザーが多いだろう。しかしSecond Lifeは、ゲームとはまったく目的を異にしており、満たすことのできるニーズが大きく食い違っている。例えば、従来のゲームでは、「キャラクター」がヒーロー・ヒロイン的な役割を担い、用意された世界観を体現していた。一方のSecond Lifeでは、「アバター」はあくまでもユーザーの分身であり、その行動はユーザーの意思を反映する。また、Second Life内にどのような環境を作っていくかも、ユーザー次第だ。創造性に富み、センスのあるユーザーならば、クリエイターとして活躍したり、ビジネスチャンスを得たりすることもできる。こうしたSecond Lifeならではの特質が、どれくらい日本のユーザーに浸透していくのか、これからも注目していきたいところである。

取材協力 : デジタルハリウッド大学院:Second Life研究室

掲載日:2009年3月 4日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2007年03月07日掲載分

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