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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
デュアルビュー液晶ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を早めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「デュアルビュー液晶」。ディスプレイを右側から見た場合と左側から見た場合で、全く別の画面を映し出す液晶ディスプレイ。1台で2台分の働きをする新たなディスプレイの登場によって、省スペース化と同時に見える位置を調整することでの用途拡大が期待できます。

デュアルビュー液晶とは

ディスプレイを見る位置により、内容の異なる2種類の画面を同時に表示できる液晶ディスプレイ。現在、普及しているテレビの中には、1台のディスプレイの表現領域を分割し2つの映像を並べて表示できるものがある。それに対し、デュアルビュー液晶は見る位置により、2種類の映像をフルサイズで同時に表示できる。

またデュアルビュー液晶では、2種類の全く違った画面を表示しても、お互いに相手の内容を見ることはできない。以下の写真では、右側から見るとテレビ映像が表示され、左側から見るとパソコンのディスプレイとして表示がされ、リビングに1台しかないディスプレイを2人で共有することをイメージしている。こういった新たなディスプレイの登場により、省スペース化や新たな利用シーンの拡大など、従来の製品との差別化を図っている。

▼ 右方向にはテレビ動画を、左方向にはインターネット画面を同時表示(鏡に反射)
 

液晶ディスプレイが正面からでないと鮮明な画像が見られなかったのは過去の話。現在のものは広視野角化が一段と進み、複数の利用者があらゆる方向からディスプレイを見ても表示品質を損なうことなく、クリアな表示が可能となっている。あらゆる角度から画像が見られるようになると同時に、液晶ディスプレイの映像が見える範囲をコントロールする視野角の制御を行うことができる製品のひとつとしてデュアルビュー液晶が開発された。

■「デュアルディスプレイ」は似て非なる言葉
 1台のPCに2台のディスプレイを接続し、ディスプレイを縦横に並べて表示領域を広くしたり、2台のディスプレイに同じ画面を表示させたりするデュアルディスプレイという言葉がある。しかし今回紹介しているデュアルビュー液晶はこれとは全く異なる。
 デュアルディスプレイは、1台のPCに従来のディスプレイを複数台接続して使用するが、デュアルビュー液晶は、PCやAV機器などの2種類の映像を、1台のディスプレイでそれぞれフルサイズで表示する。

視野角制御の原理

右目と左目の見える映像を変えて立体的に映像を見せる「3D液晶」が実用化されている。3D液晶の開発期間は約10年かかっているが、その技術の蓄積から開発されたデュアルビュー液晶は、約2年半で開発され、2005年7月から量産が開始されている。

デュアルビュー液晶で使われる液晶ディスプレイは、特別なものでなく一般的なTFT液晶を利用する。そのディスプレイに、内容の異なる2種類の映像を横に交互に表示し、縦縞模様のように2種類の画像を表示している。ここに「視差バリア」と呼ばれる光の進む方向を制御するスリットを配置し、映像の見える位置、見せたくない位置を制御している。これにより左側、右側それぞれの斜め方向から見ると、左右違う1種類の映像が映し出される。

実際の視差バリアは1ピクセルごとに交互に光を制御しているが、隣合うピクセル同士が全く別の画像を表示しているため、映像の光の漏れをいかに抑えるかが技術的に困難であった。デュアルビュー液晶が見える角度については、製品の用途によって製品ごとにチューニングされるため、明確に制限はされていない。また真正面から見ると両方の画像が見えてくるため、デュアルビュー液晶に左右同じ映像を流し、通常のディスプレイの様に写し出すこともできる。

デュアルビュー液晶での実現レベル

デュアルビュー液晶の利用を検討する際、実際の品質や画質が気になってくる。また表示される画質(解像度)については、解像度が半分になるため、画質が下がることが懸念されるが、現在の液晶開発技術では28インチでQSXGA(2560×2048)を可能とする200ppi(pixel per inch)以上の解像度を持つ、超高精細ディスプレイを開発することが可能だ。

通常使われているPCモニターは100ppi程度の解像度であるため、例えば688×768のディスプレイの解像度を保つためには、1376×768の理論的には200ppiの解像度を持つデュアルビュー液晶を製造すれば、十分品質は確保できると言えるだろう。

デュアルビュー液晶の利用シーン

1つの液晶ディスプレイを、シチュエーションに応じて2つの用途で利用できるデュアルビュー液晶は、必要な人に適切な情報を与える表示が行えるため、省スペース化とともに特定の用途での利用が想定できる。

プライベートシーン ・リビングテレビ
・車載用ディスプレイ
車載用のディスプレイでは、ディスプレイの設置場所が限られるため、1台のディスプレイで2画面を同時に表示することで省スペース化が活かせる。例えば運転席からはナビゲーション、助手席からはテレビが見られるようになる。またリビングにおいても2画面表示を大画面で行うことができるようになる。
商談・接客シーン ・対面接客ディスプレイ 対面接客ディスプレイでは、お客様に見せる内容と接客担当者が見る内容を別け、個人情報や社内資料をお客様に見せることなく、担当営業がスムーズに商談を進められるようになる。
公共スペースシーン ・エスカレータ壁面ディスプレイ
・広告用ディスプレイ
利用者に一律の情報を提供するだけでなく、エスカレータの上りと下りで違う情報を提供するなど、進行方向に応じた情報提供が可能となる。このためより的確なインフォメーションや広告を行うことが可能となる。
アミューズメントシーン ・アーケードゲーム レーシングゲームのように、目の前のディスプレイだけが自分の画面ではなく、複数の画面を使い、より臨場感あふれる表現が可能となる。また、隣あったプレイヤの表示内容を見せなくすることで、相手の手のうちを探りあうようなゲームも可能となる。

将来的な利用イメージ

ディスプレイ技術の進歩により高画質化も進み、単純な表示装置だけでない新たな機能を持つディスプレイとしてデュアルビュー液晶は登場してきた。本来の性能をそのままに、その表示を必要としている人にのみ、視野角を調整することで情報を提供することができる技術は、まさに実用化が始まったばかりだ。こうした技術は、現在利用が想定されている用途以外にも広がる可能性がある。例えば今後はニーズによって3画像、4画像と多画面化や左右だけでなく上下方向に表示内容を変えることも想像できる。

こうした画像の見える範囲を調整できる視野角を応用した技術は、カーナビや公共スペースでの広告など、徐々に目にするようになり、当たり前にそういった配慮がなされている世の中になっていくかもしれない。

取材協力 :シャープ株式会社

掲載日:2009年3月 4日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2005年12月21日掲載分

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