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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
リバーシブルLCDってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「リバーシブルLCD」。1枚の液晶ガラスパネルの、表と裏の両面ともに画像表示が可能な液晶ディスプレイのことです。液晶パネル1枚で2画面分の画面表示が可能なため、2画面ケータイやPDA、ノートPCなどへの応用が期待されています。

リバーシブルLCDとは?

リバーシブルLCDの試作機。見えづらいが、前面には動物のキャラクタの顔が映り、後ろの鏡には裏面の後頭部が映っている。

リバーシブルLCDの試作機。
見えづらいが、前面には動物のキャラクタの顔が映り、後ろの鏡には裏面の後頭部が映っている。

1枚の液晶パネル、表裏それぞれの両面に、画像を映し出すことができる液晶ディスプレイのこと。表面あるいは裏面の単独表示はもちろん、両面同時に同じ画像を映し出したり、それぞれの液晶画面に同時に異なる画像を表示することも可能だ。現在、主流となる折りたたみ式の携帯電話には、メインディスプレイと、背面のサブディスプレイを有しているが、現状の技術では、表裏それぞれのディスプレイ用に2枚の液晶パネルが必要であった。リバーシブルLCDでは、1枚の液晶パネルで2画面の表示が可能なため、携帯電話の本体を「薄く」「軽く」できるだけでなく、メイン画面とサブ画面を同じ大きさにするのも容易になる。

■「透過型液晶」と「反射型液晶」
 リバーシブルLCDのメカニズムを紹介する前に、そもそもLCD(Liquid Crystal Display : 液晶ディスプレイ)にはどのようなタイプがあるのかを説明しよう。LCDは自ら発光するわけではないため外部光源を必要とするが、この外部光源の種類により、大きく分けて「透過型」と「反射型」の2種類に分類される。透過型は、画面背面のバックライトを光源にして表示を行うタイプの液晶だ。これに対し反射型は、外光の反射によって表示を行うタイプで、太陽光などの自然光を利用する製品のほか、画面前面に光源を配置する「フロントライト型」などの製品がある。
 一般的に、透過型は反射型に比べ彩度が高く、暗い室内で見やすいという特徴があるが、消費電力が大きく明るい屋外では表示が暗くなるという欠点がある。現在、流通している多くは透過型だが、最近では透過型と反射型を融合して、暗い場所ではバックライトを、明るい場所では外光を利用する「半透過型液晶」なるものも登場している。

リバーシブルLCDの構造

リバーシブルLCD実現の鍵を握るのはその構造とバックライトだ。まず、下記に示す図で構造の違いをご覧いただきたい。従来型は、液晶パネル1枚に対してそれぞれ1枚ずつのバックライトを配置してあるが、リバーシブルLCDでは1枚の液晶ガラスパネルを2枚のバックライトで両側から挟み込む形を取る。
 バックライトは「LED光源」「ライトガイド」「導光板」からなっており、この点は従来と同じ。ちなみに挟み込まれる液晶ガラスパネル自体も従来のものとほとんど同様である。ライトガイドは端にLED光源を配した棒状の透明部材で、LED光源から出た光を均一に「導光板」の側面に照射する役割を持つ。導光板により、LED光源という「1点から出た光(点光源)」が「面の光(面光源)」に変わり、液晶パネル全体を明るく照らすことができる。

リバーシブルLCDの構造

リバーシブルLCDではこの「導光板」に独自の工夫を凝らしている。これまでの「導光板」は面光源となるため表面をすりガラス状に曇らせなければいけなかったが、リバーシブルLCDでは透明のままで面光源になれるという特性を持っている。だから、バックライトで挟み込む構造をとっていても液晶ガラスパネルの表示がクリアに見えるのだ。
 透明のまま、面光源に変える仕掛け。それは導光板に眼に見えない細い線状の反射プリズムを全面に敷くことで実現する。ライトガイドを経由した光が光学的に設計されたノコギリ状の反射プリズムを用いた導光板によって液晶ガラスパネルの方向に反射され、面状の光源になる。つまり、バックライトは非点灯時には後ろの液晶ガラスパネルの画像を乱すことなく透過する透明な板となり、点灯時には、LED光源の光を液晶ガラスパネル全体に均一に広げ、照明する発光板となるのだ。
 また、2枚のバックライトを点灯することにより、表側と裏側で画像を表示することができる。この時、真中に挟まれた液晶パネルが、表裏の画像を交互にそれぞれ1秒間に60画面、合わせて1秒間に120画面を表示させ、それと同期をとって裏表それぞれのバックライトを交互に点灯させる。このように高速に画面を切り替えて表示することで、表側と裏側で異なる画像のスムーズな同時表示も可能としているのだ。
 このように、画像が表示される画面とは反対側に点灯した光源があり、点灯していないバックライト越しに画像を見るというリバーシブルLCDの構造を発想する上で、この透明なバックライトは、重要な役割を担っている。

将来的な利用イメージ

現状では、携帯電話の他、PDA、ノートPCなどでの利用が検討されており、液晶ディスプレイの中でも「エッジライト方式」と呼ばれる、液晶ディスプレイの片側1ヵ所を光源とするバックライトを用いる機器への搭載が可能となっている。
 現在は開発が完了した段階で実機としては試作品のみで、製品化されているものはまだない。しかし、開発した三菱電機によればすでにいくつかの会社から打診を受けており、製品化へ向けて協議されているという。
 これまで、携帯電話など表裏にディスプレイを搭載するときは、それぞれ表面用の液晶パネルとバックライト、裏面用の液晶パネルとバックライト、2組ずつ用意する必要があった。リバーシブルLCDでは、両面にメイン画面サイズのディスプレイを搭載すると想定した場合で、厚みにして液晶パネル1枚分(1.5ミリ程度)、重量にしておおよそ30%程度(液晶パネルとバックライトの重量比を3対2と想定)削減できる計算になる。モバイル機器のように、大きさや重量にシビアな製品を開発する際、こうしたメリットは大きいだろう。

取材協力 :三菱電機株式会社

掲載日:2009年3月 4日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2004年9月8日掲載分

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