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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
HSDPAってなんだ?

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)」。第3世代の5倍以上の通信速度を実現するデータ通信規格です。従来規格からの改良点を中心に、本格的な高速・大容量のデータ通信サービスの扉を開く、注目の携帯電話技術をご紹介します。

HSDPAとは?

HSDPAは「High Speed Downlink Packet Access」の略称で、NTTドコモの第3世代(3G)携帯電話「FOMA」が採用する「W-CDMA」のデータ通信を高速化した規格だ。
 現在、W-CDMAでは、最大2Mbps(FOMAでは最大384Kbps)の通信速度が実現されているが、W-CDMAを改良したHSDPAを使用することで、従来の5倍以上の最大約14Mbpsの通信速度が実現可能となる。HSDPAは3GであるW-CDMAの改良版であることから「3.5G」とも呼ばれている。
 HSDPAが3.5Gと呼ばれるのは、2010年をメドに開発が進められている第4世代(4G)が控えていることがあるが、単に4Gまでの中間というだけではなく、技術的に、W-CDMAを大幅に変更することなく、パケット通信部分を高速、かつ高効率にする点に由来している。実際のシステム改修作業も、現行のFOMAシステムで使われているモジュールを数枚入れ替える程度だという。
 「デコメール」や「着うた」、「iアプリ」など、携帯電話で利用できるコンテンツのサイズは増大傾向にある。今後も、動画配信のような大容量コンテンツが拡充されることは必至で、必然的にデータ通信速度も高速化が期待されている。
 では、HSDPAは具体的にどのように高速化を実現しているのか。次に紹介することにしよう。

■第3世代携帯の通信規格
 俗に第3世代と呼ばれている携帯電話は、日本ではNTTドコモやVodafoneが採用するW-CDMAとAUが採用するcdma2000がある。日本ではないが、この他に3つの方式が存在している。今回はNTTドコモが採用しているW-CDMA、及びその進化系であるHSDPAについて紹介している。

W-CDMAを使いスピード、効率をUP!

HSDPAの高速化は、基本的に電波の状況に応じて高速な変調方式や、符号化方式を自動的に選択することにより行われる。
 現在のW-CDMAでは、基地局と携帯電話の通信を行う際に、基地局からの電波が届きづらいときには強い電波を、電波が届きやすいときには弱い電波を送り出すといった、基地局から発信される電波の送信電力をコントロールしている。これにより、携帯電話に届く電波の強さを一定に保つことができ、通信品質を安定させ最大384Kbpsの通信速度を実現している。これに対し、HSDPAでは、基地局から送出される電波の出力を一定に保ち、電波状況が良い携帯電話には高速な伝送を、電波状況が悪い場合は速度を落とし継続して通信が行えるように自動的に調整される。この通信速度のコントロールは0.002秒ごとに行われ、常に最適な通信品質を維持することができる。

個々の携帯電話ごとに通信するスピードの変化に対応するため、HSDPAでは、「適応変調・符号化」「Node-B Scheduling」「Hybrid-ARQ」の3つの要素技術が用いられている。

1.適応変調・符号化

適応変調とは、通信の状況により、電波状況が良いときは一度に4ビットの情報を送る「16QAM」(*1)と、電波状況が悪い時は2ビットを送る「QPSK」(*2)との、2つの変調方式を切り替えてパケットの変調を行うこと。また、適応符号化では、一度に送る“ひとかたまりの情報”において、「実データ」と「誤り訂正用データ」のビットの割合を電波状況に応じて可変させている。


(*1)16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)位相と振幅のそれぞれが4つの状態を持ち、それらを組み合わせて16種類の状態を作ることで1度に4ビットデータを送ることができる偏重方式。

(*2)QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)4つの位相の状態を持つことで1度に2ビットのデータを送受信することができる変調方式。

2.Node-B Scheduling

これまでもパケット通信を行うためには、どの端末へどこまでデータを送ったかということを、基地局側の機能として行う必要があった。HSDPAでは携帯端末ごとに通信速度が刻々と変化するため、こうした基地局側の機能に加え、「Node-B Scheduling」というスケジューラ機能を高度化しており、電波状況に応じて転送できるデータ量が変化しても、これに合わせて送る情報量を調整できる。

3.Hybrid-ARQ

パケット通信では、受信した情報に誤りがあったとき、誤り補正を行っても修復できない場合には、届いたデータを破棄し、再度、同じ情報を端末側に送信してもらう。「Hybrid-ARQ」では、破棄された情報を一時的に保存し、再送された情報と合成する機能で、通信品質が悪い環境でも、利用者が端末を効率よく利用できる。

これらの技術を組み合わせて、現状の5MHz帯域を最大限に利用し、最大14Mbpsの高速通信を可能としているのだ。

HSDPAとは?

ハイスピードシェアチャネルでさらに効率化

W-CDMAは、5MHzの帯域を16分割し、音声通話やパケット通信に割り当てている。つまり、言い換えれば最大16人しか同時に利用できない。HSDPAは、16分割の最大で15回線分(うち1回線分は制御用)をまとめて確保し、多くの利用者が共有して使うことのできる「ハイスピードシェアチャネル(HS-DSCH)」という方式を採用している。
 私たちが利用している携帯電話の電波は、利用者が同じ場所にいたとしても、常に電波の強度が変動していて、ほんの数十センチ、位置がずれただけでも電波の強度が数百倍というレベルで強弱している。これは「フェージング」と呼ばれる現象で、無線の送信者(基地局)と受信者の距離や時間の変化、建物などの遮へい物の有無、位置関係、天候など、さまざまな条件で変化する。ハイスピードシェアチャネルは、電波レベルが安定しづらい携帯電話だからこそ、電波の良好な時に最大限のパフォーマンスを発揮できるようにすることで、利用者の使いやすさとシステム全体の効率が高められる。
 ちなみにHSDPAは最大15回線分の帯域を利用できるが、キャリアの設定によっては、音声通話を3分の1、HSDPAを3分の2といった割り当ても可能で、通信のベース部分は変更せずに、ネットワークの効率を良くすることができる点も特徴的だ。

ハイスピードシェアチャネルとは?

将来的な利用イメージ

HSDPAは、2002年3月に3G方式の標準化団体「3GPP」の発行した「Release 5」規格で標準化されている。前述した通り、現在、W-CDMAが導入されている基地局であれば、HSDPA対応に切り替えることへのハードルは低く、HSDPAに対応した新型携帯電話の登場で、通信方式はスムーズに移行することが予想される。HSDPAの開発状況としては、既に2004年3月にはデモが実施されており、2005年末を目処に開発が完了する予定で進められており、商品として登場するのは2006年以降となりそうだ。また、動画配信などを軸に、HSDPA対応機で利用可能な新たなサービスの登場が期待されるところだが、現段階ではまだ詳細は明らかにされていない。
 今後の通信インフラとしては、最大100Mbpsが可能といわれている4Gの開発も進められているが、3Gから4Gへの移行をスムーズに行なうべく、HSDPAを超える、いわゆる「スーパー3G」と呼ばれるサービスの導入も報じられている。今後は、携帯電話でも現在のパソコン並みのスピードでデータ通信が行えるようになることで、よりパーソナルな情報メディアとしての機能やサービスが、ますます充実していくことだろう。

取材協力 :株式会社NTTドコモ(R&D)

掲載日:2009年3月 4日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2004年8月4日掲載分

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