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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
“シェアードPC”ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「シェアードPC」。サーバー上に保存された自分用のPC利用環境を、ネットワーク経由で別の端末に再現するためのシステムおよびソフトウエアです。レンタルオフィスや学校など、遠隔地にある共同利用のPCを、自分専用として使いたいというシチュエーションに威力を発揮しそうです。

シェアードPCとは?

シェアードPCは、ネットワーク経由でPC利用環境を再現、バックアップするためのシステムである。ここでいう「PC利用環境」とは、自分で作った文書ファイルなど、意識してPCに保存するデータファイルはもちろん、OSやアプリケーションなど、機種ごとに固有の情報や利用者が無意識のうちにPCに保存される各種ファイル、あるいはシステムの設定情報などを指している。つまり、不特定多数の人が共同で利用するパソコンを使う場合でも、いつでもそこに、自分のパソコンのデータファイルをはじめ、メール設定や辞書登録などといった自分用に設定した環境を再現し、利用後には最新の状態をサーバー側にバックアップができる。もちろん、自分でインストールしたアプリケーションソフトの再現も可能だ。

シェアードPCとは?

サーバー側との通信には、ICカードをキーとして利用する。ICカード内には利用者固有の秘密鍵が格納されており、シェアードPCの利用開始時には、カードを読み取り機に挿入することでユーザー認証を行う。すると、サーバーに暗号化され保存されている利用者のPC利用環境が、暗号を復号化して端末側に再現される。一方、利用終了時には、読み取り機からカードを引き抜くと、その時点でのPC利用環境が再び暗号化され、サーバー側に保存されるという仕組みだ。
 サーバーと端末との間はIPネットワークを経由して接続される。ファイアウオールやNATなどが存在している環境でも、利用することが可能だ。また、サーバー側には暗号化されたデータが保存されるため、たとえサーバー管理者でも、個々の利用者の情報を確認することはできない。また、作業終了時には端末側のハードディスク内のデータを自動的に消去するため、利用者のデータや設定環境が端末側に残ることもない。このように、シェアードPCは、共同利用PCを利用する場合にネックとなる、セキュリティ上の課題を克服している点も、特徴の1つである。
 シェアードPCでは、Windows2000およびXPを搭載しているパソコンであれば、メーカーや機種に関わらず対応が可能だ。常にノートパソコンを持ち歩くのではなく、外出時に必要なときだけ自分のパソコンを使いたいというニーズを持つ一般利用者が対象になるという。

共有パソコンにおけるシェアードPCの優位性

では次に、シェアードPCと従来技術との相違点について触れてみたい。

まず、私たちが普段よく使うWindowsには、利用者ごとに用意されているユーザープロファイルにより利用環境の保存復元が可能な「移動ユーザープロファイル」の機能がある。ユーザープロファイルのディレクトリをサーバーに置くことで、どのクライアントPCから接続しても同じ環境を再現するという仕組みだが、現状ではユーザープロファイルのみが対象となるので、端末にインストールされたアプリケーションのファイルは引き継がれない場合がある。
 OSは同じWindowsでも、全てのパソコンに全く同じファイルが入っているのではなく、パソコンのメーカーや型番ごとに、機種固有の情報が多かれ少なかれ含まれている。「移動ユーザープロファイル」はマイクロソフトが規定したディレクトリ配下のファイルに限定して再現されるが、シェアードPCでは、パソコン固有の部分とそうでない部分を判断し、利用者が使っている環境を忠実に再現することができる。このため、利用者は保存先のディレクトリを特に意識する必要はなく、これまでのパソコンと同様に利用するだけでよい。
 シェアードPCでは、OSや、メーカー、機種に依存する情報は、個々の端末のハードディスクに保存されているため、メーカーや機種にとらわれることなく使うことができる。また、シェアードPCで利用するPCを特定のメーカーや機種で揃える必要はなく、PC本体の故障や追加購入などにも柔軟な対応が可能となる。

一方、シェアードPCと一見似たような環境を構築するシステムとして、「シンクライアントを用いたサーバーベースコンピューティング」や「ストレージセントリックネットワーク」がある。いずれもサーバー側とクライアント側で構成されている点では似ているが、「サーバーベースコンピューティング」では、クライアントに表示されるほとんどの処理をサーバーで行っている。また、以前本コーナーで紹介したストレージセントリックネットワークでは、クライアント側にハードディスクを全く持たず、全ての情報をサーバー側で保持している点で、シェアードPCとは異なる。ストレージセントリックネットワークが企業内での情報とパソコン管理の合理化を実現しているのに対し、シェアードPCは公衆利用パソコンにおける利用環境を実現していると言えるだろう。
 また、これまでシンクライアントのような共用パソコンでは、システムの管理面から利用者側が自由にソフトウエアをインストールすることは難しく、与えられた環境で利用するしかなかったが、シェアードPCでは自分専用に設定された利用環境を再現できるため、これまでのPCと同じ感覚で使うことができるのも大きな特徴だ。

将来的な利用イメージ

現在、シェアードPCは、企業内で使う情報と共有して使うようなシチュエーションでの利用はまだ数年かかる見込みだが、大学やパソコンスクールといった限られたエリアでは実用の目処が立っている。シェアードPCは、利用者の認証をICカードを用いて行うため、大学やパソコンスクールといった、利用権限を与えられた不特定多数の人が端末を共有するような場所で効果を発揮する。もともと不特定多数の人が利用できる"公衆パソコン"の発想で開発がスタートした経緯から、インターネットカフェや空港などの公共の場での利用を想定している点が、シンクライアントに代表される企業ユースのシステムと発想が大きく異なる点だ。
 今後シェアードPCを設置している場所が普及することにより、モバイル機器を持たなくとも、さまざまな場所をサテライトオフィスとして利用できるようになるはずだ。実際シェアードPCでは、コクヨが展開するビジネスレンタルスペースにて実証実験を行った実績がある。また、認証キーの格納場所を、現在のICカードだけでなく、USBインターフェースを備えたフラッシュメモリーに拡大するなどして、例えば、ISPの会員向けサービスとして機能を提供するなど、早晩、さらに身近なところでシェアードPCを使えるようになるかもしれない。

取材協力 :日本電信電話株式会社

掲載日:2008年11月25日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2004年07月07日掲載分

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