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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
「指静脈マネー」ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「指静脈マネー」。財布もカードも持たずに支払いができるシステムの実証実験が、社員食堂で実施されました。手ぶらでクレジット決済ができる時代の到来か?!

1.指静脈マネーとは

指静脈マネーとは、クレジット決済の本人認証に指静脈認証技術を利用する決済サービスのこと。企業内や大規模店舗内、地域内などにおいて、クレジットカードの代わりに指だけでクレジット決済処理を実現する。このサービスを導入すれば、精算時にレジにある指静脈認証装置に指をかざすだけで、あらかじめ認証システムに登録されている指静脈パターンと照合され、本人確認とクレジット決済処理をカードレスで行うことができるようになるのだ。

1-1 すでに「指静脈マネー」実証実験に成功!

指静脈マネーの実用化に向けて、日立製作所では実証実験を進めている。同社では2007年9月1日から3ヵ月間、情報・通信システム関連の開発部門が集まる「日立システムプラザ新川崎」の社員食堂と売店で、従業員約240名を対象に指静脈マネーの実証実験を実施した(図1)。

図1 指静脈マネーの実証実験

資料提供:日立製作所


日立では、日立キャピタルが発行するクレジットカード付き社員証により、社員食堂や売店での決済処理を行っているが、今回の実験では、この決済処理システムに指静脈認証装置が付加された。指静脈マネーを利用するには、あらかじめ指静脈のパターン情報とクレジットカード付き社員証をシステムに登録しておく。この実験に参加した従業員たちは指だけのクレジット決済がいかに便利であるかを実感できたという(図2、図3)。

図2 社内売店POSレジでの指静脈マネー決済 図3 社員食堂の指静脈マネー決済用無人端末

資料提供:日立製作所

資料提供:日立製作所


ここで使用された日立の指静脈認証装置は、上部のフードで外光の影響を低減させながら、近赤外線を指の上から透過させ、下からカメラで指静脈パターンを読み取る方式になっている。認証精度としては本人拒否率(FRR)が0.01%、他人受け入れ率(FAR)が0.0001%、登録未対応率(FTER) が0.03%未満である。登録未対応率とは、登録しようとしても登録を受け付けない割合を表したもので、たとえば、指紋認証ではこの値が数%にもなるケースがあり(つまり、100人中数人の指紋を認識できない)、これと比較すると桁違いに認証精度が高い。

2.指静脈認証の仕組みと特長

ここで、指静脈マネーを支えている指静脈認証の仕組みについて、その概要を説明しておこう。指静脈認証技術とは、近赤外線を指に透過して得られる指の静脈パターンの画像によって個人認証を行う生体認証技術の1つである。血液中のヘモグロビンは近赤外線を吸収するため、指の静脈が影となって撮影できるのである(図4)。そして、この指画像から静脈の存在する部分を、人工知能手法を使って鮮明な構造パターンとして検出し、あらかじめ登録した静脈の構造パターンとマッチングさせて個人認識を行う仕組みになっている。

具体的には、指の部位ごとにきめ細かく透過光量を調節することで、血管の局所的な変動があっても安定した静脈パターンを抽出できる。また、指の位置ずれ、傾きなど、指の置き方の違いを認識して指画像を補正したり、指の輪郭抽出結果に基づいて回転補正したりするなどして、高い認証精度を実現している。

図4 運動出力型BMI

資料提供:日立製作所


指静脈認証技術のおもな特長を整理すると以下のようになる。

  • ユーザビリティに優れている
    高精度・高速で個人を認証できる、指を使うことで登録・操作が簡単
  • 変化要因の影響を受けにくい
    指の表皮の多少の傷や汚れに強い、気温や湿度に影響されない、指の複数登録で第1指が利用不可能な時は別の指で補完可能
  • 非接触である
    利用者の心理的抵抗感を緩和できる、生体情報を取得されにくい、装置センサ部の汚れや損傷が少ない
  • セキュリティに優れている
    認証情報が生体内部にあるので生体認証の中では特に偽造に強い

3.指静脈マネーの想定マーケット

指静脈マネーの実用化はこれからだが、指静脈認証技術自体はすでに実用化が始まっている。たとえば、ATM認証ではICキャッシュカードと連携した形で、ゆうちょ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、横浜銀行など数多くの金融機関で導入されており、金融機関の本人認証におけるデファクトスタンダードになりつつある。また、オフィスビルからの情報漏洩防止や、マンションなどの不正侵入防止対策にも使われ始めていて、ICカードや監視カメラとの連携も可能だ。もちろん、オフィスPCからの情報漏洩や、なりすましによる不正アクセスなど、ITセキュリティ分野でも利用されている。

こうした指静脈認証技術の普及を追い風にしながら、指静脈マネーは以下のような場所での実用化が検討されている。

  • カードを持ち歩かない場所
    (持つことができない場所、持つと邪魔な場所、屋内の移動などで持つことを意識しない場所) 具体的には、アミューズメント施設、スポーツクラブ、ゴルフ場、ホテル、社内施設(食堂・売店)などが考えられる。たとえばプールや温泉を利用しながら、そのままの姿で指1本だけでドリンクなどを購入できたら便利だろう。
  • 決済を多くする場所
    (買い物のたびにカードを取り出すことが面倒な場所) 具体的には、アミューズメント施設やショッピングモールなどが考えられる。支払い手続きが簡素化すれば、レジなどに行列ができて顧客や利用者を待たせることもなくなるはずだ。

このほか、カードを忘れたことで、ポイントサービスや曜日限定割引セールといった各種付加価値サービスを享受できないといった機会損失を排除するのにも役立つ。今後、指静脈マネーはクローズされたマーケットにおいては特にセキュリティが高くなることから、利用金額が高い高額決済手段としての活用が特に期待されている。

取材協力 :株式会社日立製作所

掲載日:2008年11月19日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2007年12月05日掲載分

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