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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
即起動で省電力!?ハイブリッドHDDとは?

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を早めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマはハイブリッドHDD。仕事の途中で電話が入って、作業をちょっと中断した隙にPCがスリープ状態になってしまい、再び画面が表示されるまで数十秒待たされたという経験は誰にもあるはず。OSの起動時間にもうイライラさせられない、新しいHDDがまもなくお目見えします!

ハイブリッドHDDとは

ハイブリッドHDDとは、ハードディスクと不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリを組み合わせ、両メディアのメリットを最大限に活かすことで、「応答速度の向上」「消費電力の低減」「耐衝撃性の向上」を実現する、新しいタイプの記録装置だ。
 従来のHDDは、いくつかある記録媒体の中でも抜群の大容量を低コストで実現できるため、PCの記録装置としてすっかり定着している。しかしながら、必要なデータを読み出す際に、ディスクの回転やヘッドの移動など機械的な動作をともなうため、どうしても読み出しまでに時間がかかってしまう。ほかにも、モータを使ってディスクを物理的に回転させるため、ある程度の電力が継続的に必要となることや、振動・衝撃を加えないように注意を払わなければならない、などの制約がある。
 一方のフラッシュメモリは、近年急速に大容量化と小型化が進み、価格も下がってきている。そこで、フラッシュメモリとの併せ技によってHDDのハンデを克服しようというのが、ハイブリッドHDDである。



■ハイブリッドHDDのメリット
以上のような背景から登場したハイブリッドHDDには、次のようなメリットがある。
  • 消費電力の低減
  • 起動、再起動の高速化
  • パフォーマンスの向上
  • 耐衝撃性アップによる信頼性の向上
  • 長寿命化

 シーゲイト社の実験によると、特定の条件で、HDDとハイブリッドHDDを比較した場合、消費電力はドライブ単体で最大で50パーセント節約できるという。また、OSの起動時間を比べた場合では、30〜40パーセント速いということが確認されている。

ハイブリッドHDDの仕組み

従来のHDDとハイブリッドHDDでは、外側から一見しただけではその違いはわからない。しかし、ハイブリッドHDDの回路基盤には、従来のHDDが持っていたDRAMキャッシュメモリのほかに、SSD(Solid State Drive)と呼ばれる不揮発性フラッシュメモリが搭載されている。それをイメージ的に示すと、図1のようになる。

図1 ハイブリッドHDDのイメージ

資料提供:日本シーゲイト

ハイブリッドHDDは、HDDに記録されているデータのうち特にアクセス頻度の高いものをこのフラッシュメモリに常駐させる。一度フラッシュメモリへ書き込まれたデータは、モータやヘッドアームといった機械的部品を動かすことなくフラッシュメモリから瞬時に読み出されるため、アクセスのスピードが速くなるという仕組みだ。これにより、OSの起動が早くなるほか、頻繁に使うアプリケーションのパフォーマンスも向上する。
 例えば、5400rpmのHDDへデータアクセスする場合を考えてみよう。毎分5400回転するHDDは、1回転するのに11.11ミリ秒かかる。アクセスするタイミングにもよるが、回転待ち時間は平均するとその半分の5.75ミリ秒。これに加え、ヘッドがデータを読み込む位置まで移動するシーク時間が数ミリ秒かかる。また、データを転送する際にもディスクを読むための時間があるため、合計で10〜20ミリ秒はアクセスにかかってしまう。一方のフラッシュメモリでは、これらの物理的な待ち時間なしに数マイクロ秒でデータの読み書きが可能である。このHDDとフラッシュメモリの1000〜10000倍にもおよぶアクセス時間の差が、ハイブリッドHDD動作時間に大きく影響し、システム全体の高速化が実現される。

図2 ハイブリッドHDDにおけるフラッシュメモリの役割

資料提供:日本シーゲイト

これまでにも、HDDにはキャッシュメモリが搭載されていたが、電源を切るたびに内容が消去されるものだった。これに対して、ハイブリッドHDDに新たに搭載されるフラッシュメモリは、不揮発性のため電源を切ってもデータが消えることはない。そのため、再起動時にもそれらのデータを継続して利用することができるのが最大の特徴である。
 HDDにフラッシュメモリを搭載するメリットは、アクセス時間の高速化だけではない。頻繁にアクセスするデータをフラッシュメモリから読み出すことで、ディスクの回転数を抑えられるため、電力の消費を減らすことができるほか、衝撃による故障も減らすことができ、ディスクの長寿命化も期待できる。

■ハイブリッドHDDとWindows Vistaの関係
HDDへのデータの読み書きは、業界が定める共通のコマンドで行われるが、これにさらにフラッシュメモリへのデータ書き込み機能を追加した新しいコマンドが既に提唱されている。この新しいコマンドに対応していなければ、ハイブリッドHDDを使用してもフラッシュメモリ部分が使用できない。そして、ハイブリッドHDDに対応した初のOSが、2007年初頭に登場予定のWindows Vistaだ。

ハイブリッドHDDの利用イメージ

起動時間が速く、消費電力が少なく、衝撃に強いという特徴を持つハイブリッドHDDは、Windows Vista対応のノートPCに搭載されることを意識して開発が進められてきた。現在では、PC市場の主流はデスクトップ型からノート型へと移行しつつあり、特に日本ではその傾向が強いといわれる。ノートPCでは、モバイルユースのためのバッテリ駆動時間の長さも重視されるために消費電力を最大限抑えなければならず、デスクトップよりパフォーマンスが低くなるのは致し方ないとされてきた。しかし、世界中で稼働しているPCの21パーセントがノートPCで、さらに増加を続けている今日、特に14インチ以上のモニタを搭載しているハイエンドのノートPCは、デスクトップPCに代わるものとして、デスクトップ並みのパフォーマンスを求められている。
 こうしたノートPCのニーズに応えるため、ハイブリッドHDDは既に製品化も始まっている。例えば、シーゲイトでは、Windows Vistaの登場に合わせ、2007年の第1四半期に、Momentus5400 PSDというハイブリッドHDDを市場投入する予定だ。これは、5400rpmの垂直磁気記録方式HDDに256MBの不揮発性フラッシュメモリを搭載したもので、最大で160GBの記憶容量を持つ。当初は、OEM向けとして供給されるため、実際にこれを搭載したノートPCがお目見えするのはさらに後のことになるが、ユーザーとしては選択の幅が拡がることになる。
 今後ハイブリッドHDDは、さらに回転速度の速いものが登場することが考えられるほか、HDD部分だけでなくフラッシュメモリ部分の大容量化も進むだろう。また、セキュリティを高めるための暗号化機能の搭載なども考えられているようだ。Windows Vistaの普及とともに、今後の動向が注目される。

取材協力 :日本シーゲイト株式会社

掲載日:2008年11月19日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2006年12月20日掲載分

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