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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
“オキシライド乾電池”ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「オキシライド乾電池」。新たな素材と新工法で、従来のアルカリ乾電池よりも「パワフル&長もち」を実現した新製品です。デジタル機器の小型化、モバイル化に伴い深刻化する「電源確保」の問題に一石を投じるか、早速見てみましょう。

オキシライド乾電池とは?

オキシライド乾電池は、アルカリ乾電池を超える次世代の乾電池として、松下電器から2004年4月に発売された。筒型乾電池としては1964年のアルカリ乾電池登場から40年ぶりの新型乾電池となる。従来の単3形電池とは互換性があり、その性能は、小・中・大電流域において平均で約1.5倍、デジカメに代表される「大電流域」では約2倍の持続時間を実現し、中・大電流域の特性が大幅に強化された。また、時計やリモコンのような「小電流域」ではこれまで同様に長時間使用でき、多くの人が利用しやすいようバランスがとられている点が特長だ。
 「オキシライド」とは、電池の正極(+極)で用いられる「オキシ水酸化ニッケル」(Oxy Nickel Hydroxide)から命名された造語だ。ちなみに乾電池の名称は、正極で用いられている素材を元に名称を決めることが多いとか。

アルカリ乾電池からオキシライド乾電池へ

アルカリ乾電池よりも長時間の使用に耐え、電圧低下もゆるやかという、オキシライド乾電池の特性が向上した要因には、材料の革新と、新工法の確立の2点が挙げられる。

  1. 材料の革新(パワフルの実現)
    正極材料として、新たにオキシ水酸化ニッケルを採用し、新開発の黒鉛、二酸化マンガンを使用することで大電流を取り出しやすくする
  2. 正極量コントロールシステムの確立(長もちの実現)
    正極材料の注入量を増量し、配合をコントロールすることで、維持電圧を高くし長時間の使用を実現
  3. 高注液システムの確立(長もちの実現)
    圧力の変化を利用し、従来より多くの電解液を封入することが可能となり、維持電圧を高くし長時間の使用を実現

正極の素材にオキシ水酸化ニッケルを用いるという発想は、オキシライド乾電池が初めてではない。既に一次電池(放電が1回のみの電池)の「ニッケル乾電池」や、二次電池(充電して繰り返し使用可能な電池)の「ニッケル水素電池」などで利用されている。正極にオキシ水酸化ニッケルを用いると、デジカメに代表される短時間で電池を消耗する大電流域の機器向けの電気特性となるが、大電流域を強化できる半面、オキシ水酸化ニッケルだけでは小電流域での長期間の使用には向かなく、乾電池の特性をコントロールしづらい。このため、オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンをバランスよく配合することで、中・大電流域での特性を改善しつつ、小電流域でもこれまで同様に使える、「万能な乾電池」としてのバランスを保つことに成功した。
 また、正極に用いる黒鉛には、「電気を通す」という役割と、二酸化マンガン+オキシ水酸化ニッケルを固める「結着剤」という2つの役割がある。この黒鉛の粒子を細かくすればするほど、黒鉛とオキシ水酸化ニッケル・二酸化マンガンとの接する面積が増え、電気的特性は改良されるのだが、結着剤としての役割は弱まってしまう。こうした二律背反の問題を、製造プロセスにおける新工法で解決し、また電解液の量も、これまでより多く封入する新工法を確立することで、「長持ち」を実現した。一方、負極は亜鉛を使っており、これまでのアルカリ乾電池と変わっていない。

オキシライド乾電池とは?
■実は、発売予定は来年だった・・・!?
 オキシライド乾電池の開発は、8年前の1996年からスタートした。1999年に一時中断したものの、デジタル機器の急進により2001年に再開し、2003年6月には、2005年をメドに商品化が決定される。しかし、100円ショップなどに並ぶ海外製の低価格なアルカリ乾電池の急増に伴い、より付加価値の高い次世代乾電池として発売時期が早められ、2004年4月の登場となった。

将来的な利用イメージ

現在は単3形のみが発売されているオキシライド乾電池だが、2005年4月には単4形の発売が予定されている。乾電池の市場は、1年間に推定16億1000万個消費されており、そのうち79%がアルカリ乾電池といわれている。また、サイズでは単3が66%、単4が19%と、単3、単4の中・大電流域の乾電池で市場の8割以上を占めている。こうした背景には、デジタルカメラや携帯ゲームなどのデジタル機器が増えてきていることが大きい。小型化、モバイル化が進むこうした機器向けの電源として、オキシライド乾電池が普及すれば、従来の機器が長時間利用できるようになる。また、これまで乾電池で使用していなかった機器にも、簡単に調達できる乾電池が使用されるようになることで、より使いやすい生活シーンが広がってくるだろう。

取材協力 :松下電器産業株式会社

掲載日:2008年11月19日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2004年06月09日掲載分

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