本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > デジ・ステーション

デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
GMPLS(Generalized Multi Protocol Label Swithing)ってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を速めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「GMPLS(Generalized Multi Protocol Label Swithing)」。IPの制御技術を応用した光ネットワーク上のルーティング技術です。ネットワークの接続形態(=トポロジー)を判別し、ギガビット級の通信回線を自由に制御できるものとして大きな注目を集めてるGMPLSを早速ご紹介します。

GMPLSとは?

GMPLSは、IPネットワークで用いられるパケット転送技術「MPLS」(=Multi Protocol Label Swithing)の概念を、「光波長」「光ファイバ」やノンパケットベースの通信回線である「SONET/SDH」(同期デジタルハイアラーキ=高速デジタル通信方式の国際規格)といった複数の異なるネットワークにも拡張、発展させたプロトコルである。
 GMPLSの「G」は「Generalized(一般化)」。つまり「MPLSの考え方をIP以外のネットワークに適用する(一般化する)」という意味を持つ。
 では、もう少し具体的に説明しよう。MPLSはIPパケットに「ラベル」と呼ばれる短い固定長の識別標識をつけ、IPヘッダーを見ることなく、「ラベル」をもとに目的の場所まで非常に効率よく転送できる。新型WANの代表IP-VPNでよく利用されている転送技術だ。
 この「ラベル」による効率のいい転送方式をIPネットワーク以外のあらゆるネットワークに適用(一般化)したのがGMPLSである。
 例えば、GMPLSでは「何色もの光の波長(色)」をそのままラベルとして認識することが可能だ。この発想の原点は「光信号」を「光信号のまま送りたい」というところから生まれている。これまで光ファイバの中を流れる「光信号」はルーティング(転送)の際、「電気信号」に置き換える必要があった。これを「光信号」のまま送ることができれば転送処理が軽くなり、より大量のデータを送ることができる。「光信号」を「光信号」のまま送り、大量のデータを目的の箇所に転送するために「光の波長(色)」をラベル代わりに応用したGMPLSが生まれたというわけである。
 よってGMPLSでは、プロトコルがIPに限定されたMPLSと違って実データをIP化する必要もない。実データは実データのまま「光信号」として送ることができる。また「光」だけではなく「SONET/SDH」にも使えるように拡張されている。

GMPLSとは

このようにIPネットワークでしか使えなかった「ラベルによる効率のいい転送方式」を、異なる複数のネットワークに拡張、発展させた転送技術がGMPLSである。さらにGMPLSはネットワーク上のどこにどういう種類の回線があり、どこに接続機器があるのかといった、近接するネットワークの「トポロジーを判別」した上で、最適な経路を「自動的に選択」し(=ルーティング)、「転送経路を確立」する(=シグナリング)ことができるのが特徴だ。このことは、データ伝送のみならず、ルーティング、スイッチングといったネットワーク転送機能を光領域で行う「フォトニックネットワーク」において、ネットワークの経路を統一的に制御管理する技術として注目されているゆえんでもある。


好きなときに・好きな回線で

これまで「SONET/SDH」や「光波長」「光ファイバ」などの高速デジタル通信網を利用し、専用線を開設するといった、ネットワークへの接続経路を確立することは相当に大変なことであった。これは、利用料金などのコスト面の理由もさることながら、実際に利用可能となるまでにかなりの日数を要するという、手続き上の理由があるためである。というのも、通信事業者内で回線の空き状況の確認から始まり、通信機器への設定(コンフィグレーション)に至るまで、通常の専用線を開設するのに約3週間程度かかるというのが現状だからである。この点、GMPLSでは、こうした接続経路の確立がシグナリング(接続経路情報の送信)だけで可能となるため、利用したいネットワークの経路を「好きなときに」「好きな回線タイプを」「好きなルートで」ダイナミックに選択・利用することができるのだ。
 これにより、平常時は、従来の安価なベストエフォート型のIPネットワークを用い、必要なときだけ、(普段は利用していないような)高品質の回線を選択・利用することができる。例えば、夜間データセンターの情報を、遠隔地にあるシステムにバックアップする場合だけ、高価だが高クオリティの「SONET/SDH」網を利用する、というようにスポット的に回線タイプやルートを選択するということも自在である。

■PIL(Photonic Internet Lab.)とは
 PILは、世界標準を目指したフォトニックネットワーク制御技術の研究開発を推進する団体で、総務省の「戦略的情報通信研究開発制度」における国際技術獲得型研究プログラムのサポートを受けて運営されている。GMPLSを含む制御技術の標準化を提案すると同時に、各社の開発したプロトコルソフトウエアの技術的な検証を行なっている。先日行なわれた「GMPLSとMPLSの相互接続実験」や「次世代大容量フォトニックネットワークによる動画像伝送実験」もPILの研究の一環として行なわれたものだ。(現在、7社が参加)

将来的な利用イメージ

「プロトコル」「機器」「サービス」という側面から見ると、GMPLSというプロトコルは標準化仕様の策定途上にあるが、各メーカーでは既に、GMPLSを実装した機器の開発を進めている。当初は主に、通信事業者内のコンフィグレーションの簡素化という部分で普及していくものと思われる。今後、事業者間の契約や課金認証などの問題がクリアになることで、ISPや大企業などが必要に応じて通信経路を選択できるサービスなども、技術的には可能だ。また、回線の品質はもちろん障害対策のために、異なる地域経由で通信経路の二重化を行なったりと、あらゆる用途で利用できるだろう。
 対コンシューマー向けサービスとしては、自宅で有料の映像配信サービスを利用するようなシーンが想定しやすい。高速・大容量・高品質の通信を実現する裏側の技術として、知らないうちにGMPLSが利用されているかもしれない。
 1人当たりの情報通信量が増え続けている現在、インフラは絶えず増強が続けられており、GMPLSに対応した機器も早晩導入されていくだろう。予想以上に普及は早く進んでいくのではないか。

取材協力 :PIL(Photonic Internet Lab.)、日本電信電話株式会社

掲載日:2008年11月19日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2004年03月17日掲載分

検索

このページの先頭へ