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デジ・ステーション


5分でわかる最新キーワード解説
eTRONってなんだ?!

日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を速めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。
 今回のテーマは「eTRON」。いつでもどこでも、誰もが自然にかつ安全に利用できる情報ネットワーク環境を構築しようというお話です。

eTRONとは

eTRONの説明に入る前に、TRONを先に説明しておこう。カーナビや携帯電話などの組み込みOSとしておなじみのTRONは、1984年に東京大学の坂村健博士によって提案されたコンピューター仕様で、身の回りの環境にコンピューターが組み込まれた機器を遍在させ、それらをネットワークで結ぶ「どこでもコンピューター環境」の構築を目的に開発された。eTRONはTRONの目指す「どこでもコンピューター環境」のセキュリティインフラのことを指す。具体的には上記の概念を実現するeTRONチップが埋め込まれたICカードやSIMカード同士で構築される安全かつ無意識に情報ネットワークを活用するためのセキュリティインフラ。いたるところにコンピューターが内蔵されている環境をもたらすユビキタス社会において、家庭内の情報化も進んでくる。外出先から電話1本で部屋をあたためて主人を迎えてくれるという利便性の裏側には、悪意を持った第3者が機器を勝手にコントロールしたり、留守宅であることを知られてしまうなど、安全性がこれまで以上に重要となってくる。その一方でコンピューターを使いこなす利用者であればセキュリティは自己責任とも言い逃れられるかも知れないが、子供やお年寄りなど万人にこれらを理解し守ってもらうことは到底不可能だ。万人が知らず知らずのうちに情報家電を使いこなしている真のユビキタスの目指すところにeTRONは不可欠な存在となってくることだろう。

eTRONに格納される情報

eTRONで扱う情報としては、eTRONのインフラを構築するためのeTRONの「鍵実体」、取り扱う情報としてマイクロペイメントのような数値情報を扱う「量的実体」、コンサートチケットのような世界に1つしかない価値である「質的実体」がある。
 eTRONの鍵実体はPKIを基本としており、一定期間を持って自動的に鍵の更新は行うものの、通常時はセンターサーバーを介在せず処理を行う。eTRON自体はソフトウエアだけではなく物理的なチップが組み込まれたICカードやSIMカードとして実現されている。このチップには外部から解析をすることができない耐タンパ性を持つと同時に、eTRON間の通信はeTRON専用の通信プロトコルeTP(Entity Transfer Protocol)を用いVPNを構成して処理を行うので、第3者はもちろん利用者本人も成りすましや改ざんをすることが極めて困難だ。

WPAのイメージ

全てのものにRFIDが埋め込まれる日

技術の進歩によって冷蔵庫や洗濯機のような家電にも高性能なCPUを搭載することが可能となってきている。洗濯機を例にとると、洗濯物をもっともきれいに洗い上げるためには、洗うものの情報を「このセーターは重さ500gで綿80%、ポリエステル20%」と全ての洗濯物を正確に入力する。同様に冷蔵庫に何が入っているかを管理するには「今日買ってきた卵は10個で賞味期限が2004年1月15日」と入力しなければならない。これでは便利とは言い難い。抜本的に解決する方策として全てのものにRFIDを埋め込み、洗濯物を入れると洗濯機が自動的に最適な洗い方を計算し、卵はこれまで通り冷蔵庫に入れるだけでよい。このように利用者は全く意識しないで利便性を享受できることが真のユビキタスと言えるだろう。

こうした一つひとつの家電に多くの情報が蓄積され、さまざまな機器が情報交換をしながら連携して動くようになってくることで、家庭内での情報ネットワークが重要なことが明確となってくる。こうした時eTRONが目指している万人のためのセキュアーな環境が必然となってくる。

将来的な利用イメージ

ユビキタスネットワーク社会と言うと、全ての家電がネットワークでつながり、いつでもどこでも便利に使えるという利便性の話ばかり取り上げられる。しかし機器の性能が上がり利便性が高まると同時に何らかの被害を受けた場合の影響も急速に大きくなっている。こうした中、eTRONのような安全性を保つためのインフラが確実に普及することで、安心して利用できる情報化社会が実現されてくるのだろう。

関連するキーワード

RFID(Radio Frequency IDentification)
どういうもの? 無線を使い非接触で通信を行ない、個々の物の情報を自動的に取得することができるICチップ。もっとも小さいものでは1mm角以下のRFIDも実用化されており、あらゆる物に搭載することも可能となってきている。
ワードとの関連は? 利用者がコンピューターを意識しないで利用できる環境を実現するとき、洗濯物の情報や冷蔵庫内の商品の情報など、多くの商品にバーコードがついているように、家電と物を結ぶ接点として、RFIDは利用者が意識しない間に広まっていることだろう。
VPN(Virtual Private Network)
どういうもの? インターネットに代表される第3者が内容を見ることが容易なネットワークに、暗号化技術等を使い仮想的に利用者が専用で使えるネットワークのこと。VPNの普及により従来の専用線より導入が容易になり、多くの事業所間でネットワークが結ばれるようになってきている。
ワードとの関連は? 通常の企業内ネットワークをVPNで接続するのではなく、eTRONというインフラを維持する上で独自形式のVPNを確立して「鍵実体」「量的実体」「質的実体」の流通を行っている。eTRONを実現する上で欠くことのできない技術の1つだ。
ユビキタス
どういうもの? いつでもどこでも遍在するという意味を持つ。利用者は情報ネットワークを使っているということを意識しないで、利用できる環境を指す。
ワードとの関連は? eTRONを用いた環境下では利用者がコンピューターやネットワークなどを意識する必要がないと同時に、利用者はセキュリティに関しても知識がなくても安心して利用できる真のユビキタス環境を視野に入れた開発が行なわれている。
PKI(Public Key Infrastructure)
どういうもの? 公開鍵暗号技術を利用しインターネット上で安全な通信を行なうための情報通信基盤のこと。これにより「なりすまし」や「盗聴」、「改ざん」といった不正アクセスを防ぐためのインフラとして広く利用されている。
ワードとの関連は? eTRONは個々のeTRONチップ同士がセキュアーなネットワークを構築して安全性を確保しているが、その安全性を認証する基本部分にPKIを用いている。この鍵自体も一定の時間をもって自動更新する仕組みにより安全性を確保し続けるように考えられている。

取材協力 : YRPユビキタスネットワーキング研究所

掲載日:2008年10月31日

キーマンズネット

出典元:株式会社リクルート キーマンズネット 2004年01月07日掲載分

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