1990 年代以降のグローバル化の進展によって、世界的にものづくり環境が大きく変化していきました。日本におきましても、量産型のものづくりは、日本国内から海外の大規模工場へと流れていき、これまで日本のものづくりを支えてきた下請型中小企業は厳しい状況に立たされることとなり、生き残り をかけた新たな舵取りを求められることになりました。

 こうした状況の中で、激変する経営環境への対応に成功したものづくり中小企業では、様々な手法によりイノベーションが進められています。その多くのイノベーションの出発点は、“新たな価値創出への転換” ではないかと考えられます。ものづくり中小企業におけるイノベーションの一つの手段として、複数の企業が各々の力を集結して連携し、グループを形成して、新しいビジネスの展開を図る活動(以下、「ものづくり連携」)が挙げられます。ものづくり連携は、経営環境の変化と相まって経営戦略としての重要性が高まっています。しかしながら、複数企業で事業を進めていく難しさや川下企業の要求水準の高さなどから、成功しているグループは必ずしも多いとは言えないという現実もあります。

 本書は、ものづくり連携をどのように進めればよいのか悩まれている中小企業の皆様に向け、ものづくり連携の進め方のポイント、ノウハウを示したものです。
本書が、ものづくり連携への取組をお考えになるきっかけや、ものづくり連携を進められる際のご参考になれば幸いです。

 本書では、ものづくり連携を積極的に進めている事例を10 件掲載しています。
 今回掲載している事例は、それぞれの特色別に「研究開発型」、「市場創造型」、「共同受注・共同生産型」の3 つのタイプに分類して整理をしています。

ものづくり連携のステップ別分類

本書では、ものづくり連携を進めていくためのステップを「連携グループ形成段階」、「連携グループ運営段階」、「事業化に向けて」の3 つに分けて整理をしています。

・連携グループ形成段階

まず、ものづくり連携を進めていくためには、連携グループを形成していくことが必要です。 そのためには、「ものづくり連携で取り組むテーマをどのように探すか」、「連携先をどのように探すか」などの取組の視点が必要となります。本書では4 つのポイントに絞って解説をしています。

・連携グループ運営段階

連携グループが形成できた後、そのグループを運営していくこととなります。そのためには、「どのようにリーダーシップを執っていくべきか」、「どのようにしてチームワークを高めるか」などの取組への視点が必要となります。本書では4 つのポイントに絞って解説をしています。

・事業化に向けて

ものづくり連携の取組を進めていく中で、技術・製品・サービスが開発された後、それらを市場に投入していく段階に入ります。そのためには、「どのように販路を開拓していくか」、「どのような事業化ルールが必要となるか」などの取組の視点が必要となります。本書では5 つのポイントに絞って解説をしています。

事例のタイプ分類

本書では、ものづくり連携を積極的に進めている事例を10件掲載しています。
今回掲載している事例は、それぞれの特色別に「研究開発型」、「市場創造型」、「共同受注・共同生産型」の3つのタイプに分類して整理をしています。

・研究開発型(新技術・新製品・新サービスの開発を目的としてグループを形成した取組事例)

・市場創造型(新規市場への進出や新市場創造を目的としてグループを形成した取組事例)

・共同受注・共同生産型(受注拡大や、生産能力を強化することを目的としてグループを形成した取組事例)