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HOME > 製品・技術を開発する > 2030年に向けたビジネスの種

2030年に向けたビジネスの種 −未来の市場にはチャンスがある


ライフスタイル編

なんでも機械の不便さに、人々が気づきはじめています。

ほうきが上手に使いこなせるのがかっこいい。土鍋で炊いたご飯が何ともおいしい。電気料金の値上がりが、人々に新たな気づきを与えています。

自分にしっくりくるほうきをカスタムメイドでつくる人が多い。

とくにほうきは、日本の総人口の3分の1にまで増えた高齢者だけでなく、若者の間でもこれで充分と人気です。ささっと掃くときの感触のよさ、コンセントを差し込まずにどこでも使える便利さに気づく人が増えたためです。

柄の種類や長さ、束ね方を吟味して、使えば使うほど手になじむ「マイほうき」を持つ人も。「隅々まできれいに掃けるほうき」や、「暗い場所でも扱えるほうき」など、ほうきそのものを進化させた掃除用具も現われました。

家事に人の手が戻ってきた結果、その上手い下手が問われるようになりました。洗濯物の畳み方、ご飯の炊き方、繕い物の仕方など。「上手に気持ちよく暮らすための教室」が盛況です。

(出典:石田秀輝、古川柳蔵、電通 グランドデザイン・ラボラトリー、「キミが大人になる頃に。―環境も人も豊かにする暮らしのかたち」、日刊工業新聞社、2010)

解説バックキャスティング

失われた価値観を再び表に

これは心の豊かさを生み出す方法の一つです。不便を趣味に変える価値転換を狙っています。ネガティブな要素をポジティブに変えることが最も制約を越える良い方法です。ここでは、掃除という身近な物事について考えて見ました。

電気製品のイノベーションが次々と起こる中で、楽に、早く掃除ができるように電気掃除機が登場しました。これは利便性の追求です。ただ、この利便性の追求を行った結果、失われたものがあることにお気づきでしょうか。

例えば、電気掃除機を使う代わりに、ほうきで掃除をすると、「ささっ」と掃くときの粋な音と感触、柄の持ちやすさ、ほうきの先の適度な柔らかさなどを感じることができます。便利にはなるけれど、掃除途中の楽しみや味わいを失うことになっているのです。昔はこのような感覚を楽しむ文化が日本にはありましたが、現在はそれが薄れてきている気がします。

楽しみ以外にも、役割を与える機会を失っています。ほうきを使っていた頃は、小さな子どもも簡単に掃除の手伝いができたのですが、大きな掃除機で掃除をするようになると、それが出来なくなってしまいました。便利な機械を利用することによって、子どもから掃除をする役割を奪ってしまったのかもしれません。

さらに、利便性を追求していたにもかかわらず、いつの間にか、コンセントを差し込む不便さ、重たい機械と一緒に小さな部屋の中を動かないといけない不便さを感じている人もいるのではないでしょうか。利便性の追求が心の豊かさを損ねていないでしょうか。私たちの身の回りのものをもう一度見直す必要があると思います。利便性を追求してきた物事の裏には、必ず失われてしまった価値観が隠れています。

ここでデザインしたライフスタイルは、失われてしまった価値観を再び表に出すことで、人が心豊かになれる可能性があるのだということを示す一例なのです。

掲載日:2013年3月 6日


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